Interstage Application Server 運用ガイド
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第4章 性能監視> 4.3 性能情報の分析と対処

4.3.1 性能ログファイルへのログ出力機能

 性能ログファイルへのログ出力機能を使用した場合に採取できる各アプリケーション種別での性能情報の説明と、評価方法、対処方法について説明します。

トランザクションアプリケーションまたはラッパーのオブジェクト

 ラッパーのオブジェクトはWindows(R)版、Solaris OE版のみ採取できます。

1) 採取できる性能情報

 性能ログファイルへのログ出力機能では、性能ログファイルへ蓄積した性能情報を、ispreportコマンドを実行することにより、CSV形式で出力できます。

 以下に、性能情報について説明します。

各行の書式

 D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7, D8, D9, D10, D11, D12, D13, D14, D15, D16, D17

各行で出力する項目の内容

 各行で出力する項目の一覧を以下に示します。なお、項番に書かれているD1、D2、…は、上記書式のD1、D2、…に対応しています。

平均処理待ち要求数を出力する場合は、ispreportコマンドに"-a WQUEAVG"オプションを付加してください。

項番

性能情報の項目名

単位

内容

D1

データ採取開始日付

当該レコードの性能情報の測定を開始した日付

D2

データ採取開始時刻

当該レコードの性能情報の測定を開始した時刻

D3

データ採取終了日付

当該レコードの性能情報の測定を終了した日付

D4

データ採取終了時刻

当該レコードの性能情報の測定を終了した時刻

D5

オブジェクト名

性能情報が測定されている業務アプリケーションのオブジェクト名

D6

オペレーション名

性能情報が測定されている業務アプリケーションのオペレーション名

D7

プロセスID

性能情報が測定されている業務アプリケーションのプロセスID

D8

最大要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内に当該プロセスで処理されたオペレーションの最大処理時間

D9

最小要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内に当該プロセスで処理されたオペレーションの最小処理時間

D10

平均要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内に当該プロセスで処理されたオペレーションの平均処理時間

D11

最大要求処理待ち時間

ミリ秒

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でインターバル時間内の最大処理待ち時間

D12

最小要求処理待ち時間

ミリ秒

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でインターバル時間内の最小処理待ち時間

D13

平均要求処理待ち時間

ミリ秒

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でインターバル時間内の平均処理待ち時間

D14

処理数

インターバル時間内に当該オペレーションが、当該プロセスで実行された回数

D15

要求受信数

性能監視開始時からの当該オブジェクトの累積処理数

D16

処理待ち要求数

インターバル時間内に当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の最大数

D17

平均処理待ち要求数

インターバル時間内に当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の平均数

 ispreportコマンドは、インターバル時間間隔の情報を、各プロセス上のオペレーション単位に出力します。出力情報には、各プロセス上のオペレーション単位の情報と、オブジェクト単位の情報があります。
 以下に、ispreportコマンドの出力結果の例を示します。

1つのオペレーションを持つオブジェクトの性能監視例
 オブジェクトOBJ001とOBJ002に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。OBJ001とOBJ002は、1つのオペレーションを持っており、プロセス多重度は1です。

複数のオペレーションを持つオブジェクトの性能監視例
 オブジェクトOBJ001に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。OBJ001は、2つのオペレーションを持っており、かつ、プロセス多重度は2です。

2) 評価方法と対処方法

 以下の観点で、各項目を参照してください。

 性能ログファイルへのログ出力機能で採取した性能情報の評価方法と対処方法を、以下の一覧にまとめます。

 性能異常を検出した場合は、一覧を参考にして対処してください。

項番

評価方法

対応/処置

1

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理時間が長く、かつ、平均要求処理時間が、最大要求処理時間に近い時間となっている。

要求処理時間が、目標値よりも長くかかっている場合には、以下の要因が考えられます。
・サーバアプリケーションに性能問題がある
・システムの負荷が高い
上記の観点で、サーバアプリケーションおよびシステムを見直してください。

2

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理時間が長くなっている。

特定の時間帯に、システム負荷が高くなっている可能性があります。
他のサーバアプリケーションの性能情報も測定し、負荷状況を確認してください。

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理待ち時間が長くなっている。

3

最大要求処理時間は長いが、平均要求処理時間は短く、最小要求処理時間に近い時間となっている。

以下の要因が考えられます。
・一時的にシステムの負荷が高くなった
・特定の条件下でサーバアプリケーションに性能問題がある
上記の観点で、システムおよびサーバアプリケーションを見直してください。

最大要求処理待ち時間は長いが、平均要求処理待ち時間は短く、最小要求処理待ち時間に近い時間となっている。

4

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理待ち時間および平均要求処理待ち時間が長くなっている。

クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足しています。ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を実施してください。

5

特定の時間帯で、処理数・処理待ち要求数が多くなっている。

特定の時間帯にサーバアプリケーションに対する要求数が増加しています。
クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足している場合には、ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を行ってください。

EJBアプリケーション(旧版互換環境用)、Light EJBコンテナ(旧版互換環境用)、またはIJServerのEJBコンテナ

1) 採取できる性能情報

 性能ログファイルへのログ出力機能では、性能ログファイルへ蓄積した性能情報を、ispreportコマンドを実行することにより、CSV形式で出力できます。

 以下に、性能情報について説明します。

各行の書式

 D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7, D8, D9, D10, D11, D12, D13, D14, D15, D16, D17, D18, D19, D20, D21, D22

各行で出力する項目の内容

 各行で出力する項目の一覧を以下に示します。なお、項番に書かれているD1、D2、…は、上記書式のD1、D2、…に対応しています。

EJBアプリケーション (項目数:22)

 EJBアプリケーションの性能情報を出力する場合には、ispreportコマンドに"-k EJBAPL"オプションを付加してください。

 平均処理待ち要求数を出力する場合は、ispreportコマンドに"-a WQUEAVG"オプションを付加してください。

項番

性能情報の項目名

単位

内容

D1

データの採取開始日付

データ採取時間(インターバル時間)の開始日付

D2

データの採取開始時刻

データ採取時間(インターバル時間)の開始時刻

D3

データの採取終了日付

データ採取時間(インターバル時間)の終了日付

D4

データの採取終了時刻

データ採取時間(インターバル時間)の終了時刻

D5

EJBアプリケーション(旧版互換環境用)の場合
EJBアプリケーション名

Light EJBコンテナ(旧版互換環境用)の場合
Light EJBコンテナ名/EJBアプリケーション名

IJServerの EJBコンテナの場合
IJServer名/EJBアプリケーション名

性能情報が測定されているEJBアプリケーション名、Light EJBコンテナ名/EJBアプリケーション名、またはIJServer名/EJBアプリケーション名

D6

メソッド名+シグネチャ

監視対象メソッド名+シグネチャ(メソッドの引数と戻り値の型)

D7

プロセスID

性能情報が測定されているEJBアプリケーションのプロセスID

D8

スレッドID

監視対象メソッドが動作するスレッドID

D9

最大要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最大処理時間

D10

最小要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最小処理時間

D11

平均要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの平均処理時間

D12

最大要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最大処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D13

最小要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最小処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D14

平均要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの平均処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D15

処理数

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの処理回数

D16

要求受信数

インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナの累積処理回数

D17

処理待ち要求数

インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナに対して処理待ちとなった要求の最大数

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナのEJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D18

EJBオブジェクト数 (Session)

現在のEJBオブジェクト数(createメソッド実行数とremoveメソッド実行数の差分)

D19

Entityの最大Passivate数

インターバル時間内の、EJBアプリケーションまたはLight EJBコンテナ(プロセス)のインスタンスのプーリング最大回数

D20

VMの最大メモリ使用量

Kバイト

EJBアプリケーション、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナに対応するVMの最大メモリ使用量

インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。

D21

VMの平均メモリ使用量

Kバイト

EJBアプリケーション、Light EJBコンテナまたはIJServerのEJBコンテナに対応するVMの平均メモリ使用量

インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。

D22

平均処理待ち要求数

インターバル時間内に当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の平均数

 以下に、ispreportコマンドの出力結果の例を示します。

複数のメソッドを持つEJBアプリケーションと複数のメソッドを持つEJBアプリケーションを1つ配備したLight EJBコンテナの性能監視例 (旧版互換環境用)
 EJBアプリケーションEJBAPL001とLight EJBコンテナEJBCONT001に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。EJBAPL001は、3つのメソッドを持っています。またEJBCONT001は、3つのメソッドを持つ1つのEJBアプリケーションEJBAPL002を配備しています。

2) 評価方法と対処方法

 以下の観点で、各項目を参照してください。

 性能ログファイルへのログ出力機能で採取した性能情報の評価方法と対処方法を、以下の一覧にまとめます。

 性能異常を検出した場合は、一覧を参考にして対処してください。

 

評価方法

対応/処置

1

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理時間が長く、かつ、平均要求処理時間が、最大要求処理時間に近い時間となっている。

要求処理時間が、目標値よりも長くかかっている場合には、以下の要因が考えられます。
・サーバアプリケーションに性能問題がある
・システムの負荷が高い

上記の観点で、サーバアプリケーションおよびシステムを見直してください。

2

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理時間が長くなっている。

特定の時間帯に、システム負荷が高くなっている可能性があります。
他のサーバアプリケーションの性能情報も測定し、負荷状況を確認してください。

3

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理待ち時間が長くなっている。

4

最大要求処理時間は長いが、平均要求処理時間は短く、最小要求処理時間に近い時間となっている。

以下の要因が考えられます。
・一時的にシステムの負荷が高くなった
・特定の条件下でサーバアプリケーションに性能問題がある

上記の観点で、システムおよびサーバアプリケーションを見直してください。

5

最大要求処理待ち時間は長いが、平均要求処理待ち時間は短く、最小要求処理待ち時間に近い時間となっている。

6

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理待ち時間および平均要求処理待ち時間が長くなっている。

クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足しています。
ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を実施してください。

7

特定の時間帯で、処理数・処理待ち要求数が多くなっている。

特定の時間帯にサーバアプリケーションに対する要求数が増加しています。
クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足している場合には、ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を行ってください。

8

EJBオブジェクト数がクライアント接続数より多くなっている。

EJBオブジェクトの数が増加しています。createメソッドに対するremoveメソッドの実行がされていない可能性があります。
クライアントアプリケーションの見直しを実施してください。

9

Passivate数が多くなっている。

Entity初期インスタンス数が不足しています。
Passiivate数の増加を目安にして、Entity初期インスタンス数を増やしてください。

10

VMのメモリ使用量が多くなっている。

メモリリークをしている可能性があります。
オブジェクトの削除の観点で、見直しを実施する等、サーバアプリケーションの見直しを実施してください。

11

処理待ち要求数が大きいが、平均要求処理待ち時間が短い。

isinfobjコマンドを使用し、定期的に、待ちキューの状態を確認し、インターバル時間内の負荷状態を確認してください。

CORBAアプリケーション

採取できる性能情報

 性能ログファイルへのログ出力機能では、性能ログファイルへ蓄積した性能情報を、ispreportコマンドを実行することにより、CSV形式で出力できます。

 以下に、性能情報について説明します。

各行の書式

 D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7, D8, D9, D10, D11, D12, D13, D14, D15, D16, D17, D18, D19, D20, D21, D22

各行で出力する項目の内容

 各行で出力する項目の一覧を以下に示します。なお、項番に書かれているD1、D2、…は、上記書式のD1、D2、…に対応しています。

CORBAアプリケーション

CORBAアプリケーションの性能情報を出力する場合には、ispreportコマンドに"-k IMPLID"オプションを付加してください。

平均処理待ち要求数を出力する場合は、ispreportコマンドに"-a WQUEAVG"オプションを付加してください。

項番

性能情報の項目名

単位

内容

D1

データの採取開始日付

データ採取時間(インターバル時間)の開始日付

D2

データの採取開始時刻

データ採取時間(インターバル時間)の開始時刻

D3

データの採取終了日付

データ採取時間(インターバル時間)の終了日付

D4

データの採取終了時刻

データ採取時間(インターバル時間)の終了時刻

D5

インプリメンテーションリポジトリID

監視対象のCORBAアプリケーションのインプリメンテーションリポジトリID

D6

オブジェクト名

インプリメンテーションリポジトリに含まれるオブジェクトの名前

D7

オペレーション名

インプリメンテーションリポジトリに含まれるオブジェクト内のオペレーション名

D8

プロセスID

監視対象のCORBAアプリケーションのプロセスID

D9

スレッドID

監視対象のCORBAアプリケーションのスレッドID

D10

最大要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける当該オペレーションの最大処理時間

D11

最小要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける当該オペレーションの最小処理時間

D12

平均要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける当該オペレーションの平均処理時間

D13

最大要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからオブジェクトの処理開始までの最大処理待ち時間

D14

最小要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからオブジェクトの処理開始までの最小処理待ち時間

D15

平均要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからオブジェクトの処理開始までの平均処理待ち時間

D16

最大データ長

バイト

クライアントアプリケーションから送信された最大データ長

D17

最小データ長

バイト

クライアントアプリケーションから送信された最小データ長

D18

平均データ長

バイト

クライアントアプリケーションから送信された平均データ長

D19

処理数

インターバル時間内の、当該スレッドにおける当該オペレーションの処理回数

D20

要求受信数

インターバル時間内の、当該オブジェクトの累積処理回数

D21

処理待ち要求数

インターバル時間内の、当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の最大数

D22

平均処理待ち要求数

インターバル時間内に当該オブジェクトに対して処理待ちとなった要求の平均数

 以下に、ispreportコマンドの出力結果の例を示します。

1つのオペレーションを持つCORBAアプリケーションの性能監視例
 CORBAアプリケーションのインプリメンテーションリポジトリID IDL:MOD001/INTF001:1.0とIDL:MOD002/INTF002:1.0に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。IDL:MOD001/INTF001:1.0とIDL:MOD002/INTF002:1.0は、1つのオペレーションを持っており、プロセス多重度は1です。

複数のオペレーションを持つCORBAアプリケーションの性能監視例
 CORBAアプリケーションのインプリメンテーションリポジトリID IDL:MOD001/INTF001:1.0に対して、性能監視を行った場合の性能情報出力例を、以下に示します。IDL:MOD001/INTF001:1.0は、2つのオペレーションを持っており、かつ、プロセス多重度は2です。

2) 評価方法と対処方法

 以下の観点で、各項目を参照してください。

 性能ログファイルへのログ出力機能で採取した性能情報の評価方法と対処方法を、以下の一覧にまとめます。

 性能異常を検出した場合は、一覧を参考にして対処してください。

 

評価方法

対応/処置

1

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理時間が長く、かつ、平均要求処理時間が、最大要求処理時間に近い時間となっている。

要求処理時間が、目標値よりも長くかかっている場合には、以下の要因が考えられます。
・サーバアプリケーションに性能問題がある
・システムの負荷が高い

上記の観点で、サーバアプリケーションおよびシステムを見直してください。

2

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理時間が長くなっている。

特定の時間帯に、システム負荷が高くなっている可能性があります。
他のサーバアプリケーションの性能情報も測定し、負荷状況を確認してください。

3

特定の時間帯で、最大・平均・最小の各要求処理待ち時間が長くなっている。

4

最大要求処理時間は長いが、平均要求処理時間は短く、最小要求処理時間に近い時間となっている。

以下の要因が考えられます。
・一時的にシステムの負荷が高くなった
・特定の条件下でサーバアプリケーションに性能問題がある

上記の観点で、システムおよびサーバアプリケーションを見直してください。

5

最大要求処理待ち時間は長いが、平均要求処理待ち時間は短く、最小要求処理待ち時間に近い時間となっている。

6

性能監視を実施した全時間帯で、最大要求処理待ち時間および平均要求処理待ち時間が長くなっている。

クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足しています。
ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を実施してください。

7

特定の時間帯で、処理数・処理待ち要求数が多くなっている。

特定の時間帯にサーバアプリケーションに対する要求数が増加しています。
クライアントからの要求数に対して、サーバアプリケーションの処理能力が不足している場合には、ワークユニット定義でプロセス多重度を上げるなど、サーバアプリケーションの処理能力を上げる対処を行ってください。

8

処理待ち要求数が大きいが、平均要求処理待ち時間が短い場合

isinfobjコマンドを使用し、定期的に、待ちキューの状態を確認し、インターバル時間内の負荷状態を確認してください。


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