Systemwalker Software Delivery 運用手引書 UNIX・PC編 13.0 - UNIX共通 - - Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 -
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第5章 資源を配付する(資源配付)> 5.13 資源配付トラブル時の対応方法> 5.13.2 資源の配付時のトラブル

5.13.2.1 サーバとサーバ間の配付に関するトラブル

■現象

システム間で世代の不整合が発生する。

◆原因

資源配付では、資源の配付時に世代チェック(配付元のシステムと配付先のシステムとの世代の差分をチェック)により配付が必要な世代を抽出します。不整合は世代チェック時やオンライン検索時に検出します。不整合となるパターンを以下に示します。

パターン1:配付元のシステムの世代がレベルダウンしている場合

配付元のシステムで、資源の配付後にディスククラッシュ等により管理ファイルを復元した場合や、資源の配付後に最新世代を削除したために、配付先のシステムに比べて登録した世代のレベルが低くなっている場合に不整合となります。

パターン2:配付元のシステムの世代が削除されている場合

配付元のシステムで保有世代数を設定している場合、受信済の古い世代数が設定値を超えると自動的に削除されます。配付先のシステムのレベルダウンや長期間の電源未投入により適用済世代が古い場合(配付元のシステムが持つ最古世代より古い場合)、または新規に導入した配付先のシステムの場合に不整合となります。

配付元のシステムでは最古世代“世代3”の前世代情報を管理しています。そのため、配付先のシステムの世代が前世代である“世代2”の場合、不整合とはなりません。

パターン3:部門管理サーバ側で適用済世代の資源を削除した後、運用管理サーバから部門管理サーバに対してオンライン検索を実行した場合

部門管理サーバで、適用済の最新世代を削除した場合、運用管理サーバで管理している当該部門管理サーバへの適用情報と異なる状態となります。オンライン検索では、運用管理サーバが持つ送信履歴情報と部門管理サーバから採取された情報の整合をチェックするため、不整合のエラーとなります。なお、資源送信の場合はエラーとなりません。世代チェックの後、部門管理サーバで削除された世代がダウンロードされます。

◆対処方法

ここでは、資源配付のコマンドで配付した場合の対処方法について説明します。

[資源配付]ウィンドウで配付した場合の対処方法については、“資源配付の管理情報の整合性を確保する”を参照してください。

状況を確認する

どのようなパターンで不整合となっているかを確認します。

  1. 配付元のシステムでの登録状況を確認します。

    配付元のシテスムで以下のコマンドを実行します。

    drmslst -a rsc

  2. 配付先のシステムでの適用済レベルを確認します。

    クライアントの場合:

    以下のコマンドを配付元システムで実行します

    drmslst -a sys -k cl -sシステム名

    サーバの場合:

    以下のコマンドを配付先のシステムで実行します。

    drmslst -a sys -k own

対処方法

パターン1の場合:
配付元のシステムで不足している世代を再登録します。配付元のシステムが部門管理サーバの場合、運用管理サーバから最新世代を配付して、不足している世代を復旧します。
パターン2の場合:
配付先のシステムの適用レベルを配付元のシステムの最古世代の前世代まで、レベルアップする必要があります(以下の例の場合、世代2の状態までレベルアップが必要です)。

通常は、他のシステムで“世代2”以上のレベルでバックアップした環境をリストアすることで復旧作業を行います(配付先のシステムがサーバの場合は、他の復旧手段はありません)。

配付先のシステムがクライアントの場合は、以下の設定により、部門管理サーバに登録されている世代の強制配付が可能です。

部門管理サーバのDRMS編集ファイル

gencheck=NO

上記の指定で資源を配付する場合、部門管理サーバに登録されている世代をすべて配付します。部門管理サーバとクライアント間で抜けている世代は配付されないので、適用されない世代があることによる問題がないことを確認した上で実施する必要があります(下図を参照)。

パターン3の場合:
運用管理サーバ側の送信履歴情報を部門管理サーバの情報に合わせることによりサーバ間の整合を復旧します。
  1. 運用管理サーバにある当該部門管理サーバの送信情報を削除します。

    drmsdlt -a sys -k serv -s 部門管理サーバ名 -d rsc -g RMSLEVEL

  2. オンライン検索を実行し部門管理サーバの情報を運用管理サーバに反映する。

    drmslst -a rms -m 部門管理サーバ名 -k serv

サーバへの資源配付が送信エラーとなった後に、同一サーバに対してオンライン検索(状況検索)を行うと以下のエラーとなります。

[00220] コマンド実行中にエラーが発生しました。エラーコード(EUNMATCH),
詳細情報(stmpwd1 serv RMSLEVEL * RMS00003 30 10 RMS00003 30 10)
↑宛先名         ↑版数情報
             (同一の版数情報が2つ表示されます)

■現象

送信中に通信エラーが発生して、資源の送信処理に失敗する。

◆原因

以下の原因が考えられます。

  1. あて先システムのシステム自身は起動していますか?
  2. あて先システム(配付先)の資源配付サービス(Windows(R) 2000/Windows Server(TM) 2003の場合)または資源配付デーモン(UNIXの場合)が停止されていませんか?
  3. ホスト名運用(DRMS編集ファイル:nametype=HOST)で、システムのhostsファイルに配付対象のホストのノード名が登録されていますか?
  4. ホスト名運用(DRMS編集ファイル:nametype=HOST)で、配付対象のホストのノード名が、別名として登録されていませんか?

    SOUMU_SERVERが配付対象のホスト名の場合(SOUMU_SERVERは別名で登録)

    111.222.333.444 EIGYOU_SERVER SOUMU_SERVER

  5. システムのSERVICESファイルに資源配付のポート番号が登録されていますか?
  6. ホスト名運用(DRMS編集:nametype=HOST)で、配付対象のホストのノード名が大文字小文字まで正しく定義されていますか?

◆対処方法

各原因に対する対処方法を以下に示します。

  1. あて先システムのシステム自身の起動状態を確認し、起動されていないのであれば起動してください。
  2. あて先システム(配付先)の資源配付サービスの開始または、デーモンの起動状態をOSごとに以下のように対処してください。

    [Windows]

    [UNIX]

  3. システムのhostsファイルを確認し、配付対象のホストのノード名が登録されてない場合は、ホスト名を登録してください。
  4. システムのhostsファイルを確認し、以下のどちらかの方法により対処してください。
  5. システムのSERVICESファイルに資源配付のポート番号を登録してください。
  6. 資源配付ではノード名の大文字小文字を区別して認識します。ノード名の定義は大文字小文字を正しく定義してください。

■現象

誤った資源または世代を配付してしまった。

■対処方法

誤った資源または世代を配付してしまった場合は、該当の資源または世代を削除することで対処できます。

資源/世代は、リモート削除機能を使用して、該当資源または世代を削除してください。

資源登録を行ったサーバ上で、該当する資源または世代の削除を選択すると、「資源の削除ウィンドウ」画面に切り替わります。「資源の削除ウィンドウ」の「対象システム」で「全てのサーバとクライアントの資源を削除」または「指定サーバと配下クライアントの資源を削除」を選択して資源削除を実施します。

配下のサーバに対しては、削除指示が自動的に通知され資源または世代が削除されます。

また、配下サーバに接続されるクライアントは、次回のダウンロード時に接続サーバから削除指示を同時にダウンロードすることで該当の資源または世代が削除されます。

なお、本方法により削除を行った該当の資源/世代で、すでに配付されているファイルについては、ファイル自体の削除までは行われません。

■現象

受信または適用済の世代を戻す方法が分からない。

■対処方法

「誤った資源または世代を配付してしまった」の対処方法を参照して、世代を戻してください。

■現象

中継処理が実施されず、配下のサーバに資源が送信されない。

◆原因

以下の原因が考えられます。

  1. 中継サーバで、配下のあて先システム定義をしていますか?
  2. 中継サーバの適用資源の世代圧縮(DRMS編集ファイル:apply_gennum)が0になっている場合で、配付資源を即時適用として配付していませんか?
  3. 以前の配付時に配付エラーが発生していませんか?

◆対処方法

各原因に対する対処方法を以下に示します。

  1. 中継サーバで、配下のサーバのあて先システム定義を行ってください。
  2. 中継サーバの適用資源の世代圧縮(DRMS編集ファイル:apply_gennum)の指定値を確認し、同時送付世代数を考慮した値に設定し直す、または、即時適用以外の適用種別を指定して、送信を行ってください。

    再送付を行う場合で、同一世代を再送付するには、あらかじめ中継サーバで再送信する資源は削除してから行う必要があります。

  3. 中継サーバで配付エラーが発生した場合、1時間は中継配付が行われないようになっています。1時間以上経過してから送信を行ってください。

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