Systemwalker Software Delivery 運用手引書 UNIX・PC編 13.0 - UNIX共通 - - Microsoft(R) Windows(R) 2000/Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003 -
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第5章 資源を配付する(資源配付)> 5.7 他のソフトウェアと連携した運用

5.7.4 ロードバランサと連携した運用

ここでは、ロードバランサと連携した運用について説明します。

ロードバランサの運用管理コマンド(nsstate)の詳細については、IPCOMまたはInterstage Traffic Directorのマニュアルを参照してください。

■概要

資源配付がロードバランサと連携することにより、ロードバランサによって負荷分散されたサービスを実現しているサーバ群に資源を配付する場合に、ロードバランサから切り離しや組み込みを指示する必要が無くなります。

また、サービスを停止させずに資源の適用ができます。

■前提条件

■注意事項

■運用

◆事前設定

  1. 運用管理サーバで、ロードバランサへ接続するためのユーザ名およびパスワードを設定します。
    1. 資源配付ウィンドウで、メニュー[設定]-[連携]を選択します。
    2. 連携設定画面が表示されます。
    3. ロードバランサ側で事前設定された、ロードバランサへ接続するためのユーザ名およびパスワードを設定します。

      複数のロードバランサを運用している環境では、切り離しを行なうロードバランサには、共通のユーザ名およびパスワードが設定されている必要があります。
      各ロードバランサ単位に異なるユーザ名での切り離しを行なうことはできません。
    4. [OK]ボタンをクリックします。
  2. 運用管理サーバで、ロードバランサ切り離し出口と組み込み出口を、バッチファイルまたはシェルスクリプトの雛形に従って編集します。

    雛形の格納先は、以下のとおりです。

    [Windows]

    Windows(R)の場合

    • Systemwalker Software Deliveryインストール先ディレクトリ\etc
    • 切り離し出口のバッチファイル名:lbdisc.bat
    • 組み込み出口のバッチファイル名:lbconn.bat

    [UNIX]

    SolarisまたはLinuxの場合

    • /opt/FJSVmpsdl/etc
    • 切り離し出口のシェルスクリプト名:lbdisc.sh
    • 組み込み出口のシェルスクリプト名:lbconn.sh

    バッチファイルおよびシェルスクリプトの雛形を、以下に示します。

    [Windows]

    Windows(R)のバッチファイル

    [ロードバランサ切り離し出口(雛形)]

    [Windows]

    REM load balancer disconnect script

    REM Please configure batch-variables

    SET CMDPATH=c:\temp
    SET LOGPATH="%tmp%\%DRMSNODENAME%-disconnect.log"
    SET TIMEOUT=10
    SET WAIT=300
    SET ALREADYDISC=
    SET SLEEP=1810


    REM Do not modify under this line.

                ・
                ・
                ・

    [ロードバランサ組み込み出口(雛形)]

    [Windows]

    REM load balancer connect script

    REM Please configure batch-variables

    SET CMDPATH=c:\temp
    SET LOGPATH="%tmp%\%DRMSNODENAME%-connect.log"
    SET TIMEOUT=10
    SET CONNECT=


    REM Do not modify under this line.

                ・
                ・
                ・

    [UNIX]

    SolarisまたはLinuxのシェルスクリプト

    [ロードバランサ切り離し出口(雛形)]

    [UNIX]

    #!/bin/sh

    # load balancer disconnect script

    #
    # Please configure shell-variables
    #

    CMDPATH="/opt/FJSVmpsdl/shell"
    LOGPATH="/tmp/${DRMSNODENAME}-disconnect.log"
    TIMEOUT="10"
    WAIT="300"
    ALREADYDISC=""
    SLEEP="1810"

    #
    # Do not modify under this line.
    #

                ・
                ・
                ・

    [ロードバランサ組み込み出口(雛形)]

    [UNIX]

    #!/bin/sh

    # load balancer connect script

    #
    # Please configure shell-variables
    #

    CMDPATH="/opt/FJSVmpsdl/shell"
    LOGPATH="/tmp/${DRMSNODENAME}-connect.log"
    TIMEOUT="10"
    CONNECT=""

    #
    # Do not modify under this line.
    #

                ・
                ・
                ・

    備考

    切り離し出口・組み込み出口の編集箇所を以下に示します。編集箇所は、“Please configure batch-variables”で記述している以下の環境変数の設定値を、運用環境・運用方法に応じて編集してください。また、“Do not modify under this line.”で記述している以降の行は編集しないでください。

    [切り離し出口の編集項目]

    環境変数

    指定内容

    備考

    CMDPATH ロードバランサの運用管理コマンド(nsstateコマンド)が格納されているパスをフルパスで記述します。 本環境変数は必須指定です。
    LOGPATH

    nsstateコマンドの実行結果を出力するファイル名を指定します。
    本ファイルは保守情報ですので、nsstateコマンドの実行結果を採取しない場合は、Windows版の場合は“nul”を指定してください。Solaris版またはLinux版の場合は“dev/null”を指定してください。

    雛形では、Windows版の場合は%tmp%配下に、Solaris版またはLinux版の場合は/tmp配下にDRMSNODENAME環境変数の値でファイルを出力するよう記述しているため、適用対象のサーバのノード名単位でファイルが作成されます。定期的にファイルを削除してください。
    TIMEOUT nsstateコマンドの/timeoutオプションで指定する、ネットワーク・サーバ(ロードバランサ)からのレスポンス待ち合わせ時間を秒単位で指定します。 雛形では10秒となっています。
    WAIT nsstateコマンドの/waitオプションで指定する、すべてのコネクションが0になるまで待ち合わせる時間を秒単位で指定します。 雛形では300秒となっています。
    ALREADYDISC 切り離し指示を行った際、既に適用対象のサーバが切り離されていても適用処理を継続する場合は、設定値に“APPLYCONT”と記述します。 雛形では、設定値なしです(適用処理を継続せず切り離し異常とします)。
    SLEEP 切り離し指示を行ってから、適用対象のサーバに資源を適用するまでの待ち時間を秒単位で指定します。
    この時間は、ロードバランサのサイト負荷分散ポリシーで指定するシャットダウン時間+10秒(余裕値)を指定してください。
    ロードバランサで指定するシャットダウン時間のデフォルトは30分であるため、雛形では余裕値10秒を加えた1810秒となっています。

    ロードバランサで指定するシャットダウン時間について

    [組み込み出口の編集項目]

    環境変数

    指定内容

    備考

    CMDPATH ロードバランサの運用管理コマンド(nsstateコマンド)が格納されているパスをフルパスで記述します。 本環境変数は必須指定です。
    LOGPATH nsstateコマンドの実行結果を出力するファイル名を指定します。
    本ファイルは保守情報ですので、nsstateコマンドの実行結果を採取しない場合は、Windows版の場合は“nul”を指定してください。Solaris版またはLinux版の場合は“dev/null”を指定してください。
    雛形では、Windows版の場合は%tmp%配下に、Solaris版またはLinux版の場合は/tmp配下にDRMSNODENAME環境変数の値でファイルを出力するよう記述しているため、適用対象のサーバのノード名単位でファイルが作成されます。定期的にファイルを削除してください。
    TIMEOUT nsstateコマンドの/timeoutオプションで指定する、ネットワーク・サーバ(ロードバランサ)からのレスポンス待ち合わせ時間を秒単位で指定します。 雛形では10秒となっています。
    CONNECT 切り離し指示を行った際、既に適用対象のサーバが切り離されていても自動的に組み込みを行う場合は、設定値に“YES”と記述します。 雛形は、設定値なしです(自動的に組み込みは行いません)。

    以下の環境変数は、資源配付と切り離し出口・組み込み出口の情報の受け渡しのための環境変数です。利用者が編集する必要はありません。
    • ロードバランサ接続のためのユーザ名:DRMSUSERID
    • ロードバランサ接続のためのパスワード:DRMSPASSWD
    • 適用対象のサーバのノード名:DRMSNODENAME
    • 適用対象の資源グループ名:DRMSRSG
    • 適用対象のバージョン・レベル:DRMSVL
    • 切り離し出口でのロードバランサの状態:DRMSUSERINFO(注1)
    • 適用結果:DRMSAPLRESULT (OK or NG) (注2)
    注1)
    組み込み出口のみ設定される環境変数です。切り離し指示を行った際、既に切り離しされた状態の場合のみALREADYDISCが設定されます。それ以外の場合はヌルとなります。
    注2)
    組み込み出口のみ設定される環境変数です。
  3. ロードバランサ用の連携ファイルを作成します。ロードバランサ用の連携ファイルは、切り離し出口・組み込み出口で読み込むファイルであり、作成は必須です。格納先は以下のとおりです。

    [Windows]

    Windows(R)の場合

    • Systemwalker Software Deliveryインストール先ディレクトリ\etc
    • ファイル名:ipaddress.dat

    [UNIX]

    SolarisまたはLinuxの場合

    • /opt/FJSVmpsdl/etc
    • ファイル名:ipaddress.dat (注)

      (注)ファイルのアクセス権(所有者、グループ、その他のユーザ)に、読み取り可能属性が必要です。

    ロードバランサ用の連携ファイルの形式を以下に示します。各IPアドレスはカンマ区切りで指定し、適用対象の負荷分散対象サーバが複数存在する場合は、以下のとおり、適用対象の負荷分散対象サーバ毎に1行ずつ記述します。

    ロードバランサ用の連携ファイルの作成例を以下に示します。

  4. 各サーバの適用結果を即時に通知させたい場合は、適用結果通知設定(type=quick)をポリシーとして作成・配付しておきます。

◆運用手順

  1. 配付する資源を登録します。
  2. 資源を配付します。適用種別には“手動”を設定します。“即時”を指定すると、資源受信の延長でロードバランサから切り離しが行われない状態で適用処理が動作します。
  3. 各サーバでの資源の受信完了を確認します。中継サーバを配置した構成の場合、最下層の部門管理サーバの受信完了まで確認する必要があります。
  4. 資源の適用指示を行ないます。まず、適用時にロードバランサからの切り離しを行うかどうかを指定し、次に対象サーバを順次、適用していくかどうかを指定します。通常は、ロードバラサンからの切り離しを行い、順次適用する指定を推奨します。順次適用しないと指定した場合は、ロードバランサからの切り離し後、DRMS編集ファイルのservmaxオプション値の宛先システム数分、同時に適用処理を行います。

    資源配付ウィンドウの場合

    1. メンテナンスビューで、資源の適用を指示するメンテナンス作業を選択し、メニュー[アクション]-[資源の適用]を選択します。
    2. [資源の適用]ダイアログボックスで、ロードバランサからの切り離しをすると設定します。次に[対象サーバを順次適用する]をチェックします。
    3. [OK]ボタンをクリックします。適用処理が始まります。

    コマンドの場合

    drmsrqstコマンドで、以下の適用指示ができます。コマンドの詳細については、“Systemwalker Software Delivery 使用手引書 UNIX・PC編”を参照してください。

    複数の資源グループまたはメンテナンス版数を、一度に適用指示することはできません。

    [資源配付ウィンドウ]の[設定]-[監視]により異常システムを自動監視している場合に、資源の適用を行うと、以下のメッセージが表示されることがあります。
    %s'%s'は他のプロセス(%s)が使用中の為、%sができません。”

    適用対象のサーバで資源の適用が開始されない場合

    適用対象のサーバがロードバランサから切り離されて保守可能な状態になるまで、適用処理の待ち合わせが行われます。待ち合わせ時間は切り離し出口のSLEEP環境変数で指定した値であり、この間は資源の適用は開始されません。
    適用対象のサーバが保守可能な状態かどうかは、ロードバランサの管理コンソールの[負荷分散モニタ]画面にて、[サーバ状態]を確認することで保守作業中に遷移中か確認できます。
  5. 適用対象のサーバで適用異常が発生した場合は、適用異常が発生したサーバはロードバランサから切り離されている状態になります。以下の操作によりリカバリ作業を実施してください。
    1. メッセージから適用異常の原因を取り除きます。
      • 適用処理で異常が発生した場合:
        資源配付のエラーメッセージが運用管理サーバに出力されますので、エラー内容を確認します。
      • ロードバランサからの切り離し/組み込みが失敗した場合:
        切り離し出口または組み込み出口からの復帰値が、資源配付のエラーメッセージ中に格納されていますので、復帰値を元に対処します。
    2. 適用異常が発生したサーバ上でdrmsapyコマンドにより強制適用を行います。
    3. 適用が正常に終了した後、ロードバランサの運用管理コマンドのnsstateコマンドを手動で実行し、ロードバランサへの組み込みを行います。

      nsstate [ロードバランサのIPアドレス] [ロードバランサに接続するユーザID] [ロードバランサに接続するパスワード] /loadbalance /up /farm [サイト・ファームのIPアドレス] /target [適用対象のサーバのIPアドレス(注)] /timeout 10


      注) ロードバランサが認識している適用対象のサーバのIPアドレス

    4. 資源配付ウィンドウの[アクション]メニューから[資源の適用]を選択し、[資源の適用]ダイアログボックスで再度適用を行います。この時、適用済みのサーバについては適用処理がスキップされ、未適用のサーバの適用が行われます。

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