Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド
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付録A ロードバランス機能を利用した場合の設計

A.3 マルチサーバの運用設計

 Interstageをマルチサーバ運用する場合に使用できるロードバランスについて説明します。

 ロードバランス(NSLBO:Naming Service-Load Balancing Option)とは、ネーミングサービスと連携して提供される、均一な運用環境での負荷分散を実現させる機能です。
 同じサーバオブジェクト(インタフェースが同一で、同じ機能を提供するオブジェクト)を複数のサーバ上に配置し、このオブジェクトに対してクライアントから要求があった場合には、これらのオブジェクトへの負荷が均等になるように調整してオブジェクトリファレンスを返します。

 ロードバランス機能は、“Interstage Application Server Enterprise Edition”でのみ使用できます。

備考

 均一な運用環境とは、各クライアントが、任意のサーバオブジェクトのオブジェクトリファレンスをネーミングサービスから取得した後、そのサーバオブジェクトへの要求頻度がクライアント間である程度均等である場合をさしています。
 この要求頻度が、特定のクライアントに偏っている場合には、ロードバランスでの充分な負荷分散は提供できない場合があります。

 以下に、ロードバランスの仕組みについて図を示します。以下の例では、複数のサーバ上に配置したオブジェクト1をロードバランス対象オブジェクトとして運用しています。

 ロードバランスでは、同一サーバオブジェクト(オブジェクト1)を複数のサーバ上で運用し、このオブジェクトに対するクライアントからの要求に対して順番に割り当てることにより負荷分散を実現しています。
 なお、ロードバランスの対象となるサーバオブジェクトは、ネーミングサービスと同時にロードバランスオブジェクトグループで管理されます。ロードバランスオブジェクトグループでは、ロードバランスの対象となる同一サーバオブジェクトをまとめて管理しています。

 ここでは、以下の内容について説明します。


 なお、ロードバランスが運用中に停止した場合には、サーバオブジェクトのオブジェクトリファレンスが取得できなくなるため、システム全体が停止してしまいます。ロードバランスのデータについては、信頼性をあげるため、万一の場合に備えて二重化することを推奨しています。詳細については、“クラスタサービス機能”を参照してください。


下へA.3.1 ロードバランスの運用手順
下へA.3.2 サーバダウン時の縮退運転および復旧通知
下へA.3.3 サーバマシン状態監視機構
下へA.3.4 EJBサービスでのロードバランスの運用手順

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