Interstage Application Server セキュリティシステム運用ガイド
目次 索引 前ページ次ページ

第2部 認証とアクセス制御> 第6章 コンポーネントトランザクションサービスの認証とアクセス制御の設定> 6.3 セキュリティ設計(ユーザ認証とアクセス制御)> 6.3.2 アクセス制御

6.3.2.3 InfoDirectoryへのアクセス制御対象のアクセス権の登録

 トランザクションアプリケーションのアクセス制御を行うためには、アクセス制御の対象により、ワークユニットまたはオブジェクトをInfoDirectoryにエントリとして登録します。

 その後、InfoDirectoryのアクセス制御情報(ACI)により、個々のエントリのアクセス権の設定を行います。

 なお、アクセス制御を実施する場合は、“InfoDirectoryへのユーザの登録"によるユーザの登録が必要です。この登録されたユーザがアクセス制御対象資源にアクセス可能かを、InfoDirectoryのACIで設定します。

オブジェクトの登録

 サーバオブジェクトは、InterstageapplicationProcessクラスとしてInfoDirectoryにエントリ登録します。

 このエントリには、ワークユニット定義の“あて先名(Destination)"の指定値をInterstageapplicationProcesクラスのcn属性に指定してください。そして、cn属性をRDNとして設定してください。その他の属性の設定は、任意です。

設定例

 ワークユニット定義:
    [Application Program]
    Destination:MOD1/INTF1

 エントリの設定:
   cn=MOD1/INTF1

ワークユニットの登録

 ワークユニットを登録する場合は、まず、ワークユニット内の最低1つのオブジェクトをエントリ登録する必要があります。そして、そのエントリを要素とするgroupOfNamesクラスとして、ワークユニットをInfoDirectoryにエントリ登録します。

 groupOfNamesクラスのcn属性としては、ワークユニット定の"ワークユニット名"を指定します。member属性としては、ワークユニット配下のオブジェクトのエントリのDNを指定します。cn属性をRDNとして指定してください。

 その他の属性は、任意に指定することができます。

設定例

 ワークユニット定義:
    [WORK UNIT]
    Name:WU1
    Kind:ORB

 エントリの設定:
    cn=WU1

 オブジェクトおよびワークユニットの各エントリは、InfoDirectoryのディレクトリ階層上の登録箇所は任意ですが、ワークユニット定義のAccess Control Base DNで指定したDNの階層下に登録する必要があります。アクセス制御ではアクセス権を検査する際にInfoDirectoryでアクセス制御対象のエントリを検索します。この検索効率を考慮して、アクセス制御対象のエントリの直接上位のDNをAccess Control Base DNで指定することを推奨します。

    アクセス対象のエントリ:
       cn=mod/intf,ou=dev1,o=abc,c=jp
       cn=mod/intf,ou=dev2,o=abc,c=jp

       Access Control Base DN: o=abc,c=jp

ACIの登録

 InfoDirectoryでエントリのアクセス権の設定は、アクセス制御情報(ACI:Access Control Information)により設定します。ACIの概要については、"InfoDirectory使用手引書 第1部 ディレクトリサービス編"を参照してください。ACIの設定方法の詳細については、"InfoDirectory使用手引書 第2部 管理ツール編"を参照してください。

 ここでは、コンポーネントトランザクションサービスのアクセス制御を行う場合の、ACIの設定方法について説明します。

アクセス制御管理ポイントの設定

 アクセス制御管理ポイントは、アクセス制御対象のエントリを包含するように、最低1つ設定します。また、必要に応じて複数設定できます。

 アクセス制御管理ポイントの設定値は、次のように設定してください。特に指定のない設定値は任意です。なお、説明は、InfoDirectoryの管理ツールのウィンドウごとに示します。InfoDirectoryの管理ツールのウィンドウについては"InfoDirectory使用手引書 付録D 設定例"を参照してください。

ACI一覧ウィンドウ

 アクセス制御管理ポイントおよびACIを設定するエントリを選択します。

アクセス制御管理ポイント設定ウィンドウ

 アクセス制御管理ポイントを設定します。アクセス制御管理ポイントは、コンポーネントトランザクションサービスのアクセス制御の対象のエントリを包含するエントリに設定します。

 アクセス制御管理ポイントの設定値は、次のように設定してください。

ACI設定ウィンドウ

 アクセス制御管理ポイント内で、アクセス対象のエントリごと、または、任意の範囲のエントリ単位にACIを設定することができます。ACI一覧ウィンドウで選択した位置にACIが設定されます。

アクセスユーザ設定ウィンドウ

 アクセスユーザのアクセス権限を設定します。

 アクセス制御管理ポイント設定時、アクセス制御情報作成時に指定するDNに使用できる文字は、英数字、日本語、空白文字(ただし、文字列の途中に現れる場合)および"/"(スラッシュ)です。このため、アクセス制御対象のワークユニット名、および、あて先名に英数字、日本語以外および"/"(スラッシュ)を使用する場合にはACIの登録に注意が必要です。これらの名前のワークユニットおよびオブジェクトを個別にアクセス制御対象とする場合は、ディレクトリ上の上位階層にACI設定可能なDNを登録し、そのDNに対して包括ACIを設定して、対象のアクセス権を設定するようにしてください。

 また、アクセスユーザの設定についても、アクセス対象範囲指定の基点エントリおよびアクセスユーザ範囲の基点エントリに指定するDNには英数字、日本語、空白文字(ただし、文字列の途中に現れる場合)および"/"(スラッシュ)が使用できます。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2006