Interstage Application Server リファレンスマニュアル(コマンド編)
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第2部 OLTPシステム運用編> 第10章 イベントサービス運用コマンド

10.3 esmkchnl

名前

 esmkchnl − イベントチャネルの作成

形式

(1) イベントチャネルの生成(イベントサービスの場合)
 esmkchnl -g group -c channel ... [-m number] [-l locale] [-autodiscon]
     [-ssl] [-w] [-host HostName -port PortNum] [-M system]

(2) イベントチャネルの生成(ノーティフィケーションサービス/JMSの場合)
 esmkchnl -g group -c channel ... [-m number] [-l locale] [-autodiscon]
     [-ssl] [-w] [-host HostName -port PortNum] [-M system]
     -notify [-persist mode] [-unit unitid] [-tran | -ots] [-ptp] [-dbf file]

機能説明

 イベントチャネル(静的生成運用)を作成します。イベントチャネルの作成は1つ以上のイベントチャネルにグループ名を付けて作成します。
 指定できるオプションとパラメタを以下に示します。

[イベントサービス/ノーティフィケーションサービス/JMS共通オプション]

-g group

 グループ名を指定します。
 揮発チャネルを作成する場合は64文字以内の文字列で、不揮発チャネル(-persistオプションと同時指定)を作成する場合は、32文字以内の文字列で指定します。
 JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合、英数字および以下の記号を含めた文字列(先頭は英数字)を使用することができます。

 上記以外の記号を含めた文字列を設定した場合、Interstage管理コンソールの[システム] > [サービス] > [JMS] > [イベントチャネル] > [状態]で表示されるイベントチャネルの一覧には表示されません。

-c channel

 グループに含まれるイベントチャネル名を、64文字以内の文字列で指定します。複数指定が可能です。
 JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合、英数字および以下の記号を含めた文字列(先頭は英数字)を使用することができます。

 上記以外の記号を含めた文字列を設定した場合、Interstage管理コンソールの[システム] > [サービス] > [JMS] > [イベントチャネル] > [状態]で表示されるイベントチャネルの一覧には表示されません。

-m number

 グループに含まれるMixedモデルのイベントチャネルに接続するサプライヤ、コンシューマの合計値(最大接続数)を指定します。本オプションを省略した場合は、16が指定されます。
 不揮発チャネル(-persistオプションと同時指定)を作成する場合、最大接続数には1000以下の数値を指定してください。また、同一ユニットを複数のイベントチャネルグループで使用する場合は、各イベントチャネルグループで指定する最大接続数の合計値が1000以下となるように指定してください。なお、1000以上を指定した場合、メモリ不足によるエラーが発生する可能性があります。

-l locale

 日本語データを通信する場合に指定する必要があります。イベントチャネルが動作するマシンのコード系を指定します。EUCの場合は“EUC”を、ShiftJISの場合は“SJIS”を指定します。
 サプライヤとコンシューマが同一のコード系の場合は指定する必要はありません。ただし、サプライヤ、コンシューマが共にJava言語の場合は、イベントチャネルのコード系を設定する必要があります。

 Interstage Business Application Serverの場合、アプリケーション連携実行基盤においてイベントチャネルのコード系を設定する必要があります。
 Linuxシステムでは、指定可能なコード系は“EUC”のみです。

-autodiscon

 本オプションを指定した場合、アプリケーションの異常終了などでコンシューマおよびサプライヤが、静的生成イベントチャネルに対し、disconnectメソッドを発行せずに終了した場合、イベントチャネルに残ったコネクション情報を自動回収する処理が有効となります。指定しない場合は、無効となります。

-ssl

 本オプションを指定した場合、静的生成したイベントチャネルでSSL通信を行います。SSL通信については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“CORBAサービスでSSLを利用する方法”を参照してください。

-w

 クラスタサービス機能の運用で待機系サーバのセットアップを行う場合に指定します。本オプションを指定する場合、ネーミングサービスにイベントチャネルのオブジェクトリファレンスを登録しません。また、不揮発化運用を行う場合は、ユニットにデータ格納領域を作成しません。

-host HostName

 複数IPアドレスを持つシステムで、イベントチャネルの通信経路であるホスト名(またはIPアドレス)を指定します。
 ただし、Interstage動作環境定義で“Corba Host Name”を設定(またはconfigファイル(CORBAサービス)の“IIOP_hostname”:CORBAサービスが使用するホスト名を特定)している場合は、本オプションは指定しないでください(本オプションで“Corba Host Name”以外のホスト名を指定すると、イベントチャネルの起動に失敗します)。
 なお、本オプションを省略すると、“Corba Host Name”設定時は“Corba Host Name”のホスト名、未設定時には主系のホスト名が使用されます。

-port PortNum

 複数IPアドレスを持つシステムで、イベントチャネルの通信経路であるポート番号を指定します。
 CORBAサービスのポート番号として指定されている以下のどちらかを指定してください。

-M system

 拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
 本オプションは、以下の製品で指定可能です。
 − Interstage Application Server Enterprise Edition
 − Interstage Business Application Server

[ノーティフィケーションサービス/JMS用オプション]

-notify

 本オプションを指定した場合、ノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルとして生成します。ノーティフィケーションサービス/JMSの機能を使用するイベントチャネルを作成する場合に指定します。指定しない場合はノーティフィケーションサービス/JMSの機能は使用できません。

-persist mode

 作成するイベントチャネルで不揮発化運用を行う場合に指定します。JMSでは、Durable Subscription機能、イベントチャネルの不揮発化機能、ローカルトランザクション機能、およびグローバルトランザクション機能を使用する場合に指定します。指定可能なモード(mode)は、以下のとおりです。

 all
 イベントデータ、接続情報が不揮発化の対象となります(JMSではallのみ指定可能)。
 con
 接続情報のみが不揮発化の対象となります。

 本オプションを指定する場合は、あらかじめ、esmkunitコマンドを使用してユニットを作成する必要があります。
 また、本オプションは-notifyオプションを同時に指定する必要があります。

 Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、本オプションを指定する必要はありません。

-unit unitid

 不揮発化運用を行う場合のイベントチャネルを作成するユニットを指定します。-persistオプションを指定し、かつ本オプションを指定しない場合は、標準ユニットにイベントチャネルを作成します。

 Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、本オプションを指定する必要はありません。

-tran

 作成するイベントチャネルで、ローカルトランザクション運用を行う場合に指定します。
 サーバ間連携を行う場合、およびJMSにおいてグローバルトランザクション運用を行わない場合は、本オプションを指定する必要があります。

 Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてグローバルトランザクション運用を行わない場合、本オプションを指定する必要があります。

-ots

 作成するイベントチャネルで、グローバルトランザクション運用を行う場合に指定します。本オプションは、1つのユニットに対して1つのみのイベントチャネルグループを作成できます。なお、イベントチャネルグループ内には複数のチャネルを作成することができます。また、標準ユニットには作成することができません。
 本オプションは、-persistオプションに“all”が指定されている場合に有効です。
 グローバルトランザクション運用については、“OLTPサーバ運用ガイド”(Interstage Application Server Enterprise Editionで提供)の“リソース管理プログラムの運用”で説明されています。

 Interstage Business Application Serverの場合で、メッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行い、かつグローバルトランザクションを使用する場合、本オプションを指定する必要はありません。

-ptp

 メッセージングモデルをPoint-To-Pointモデルとして、イベントチャネルを作成します。本オプションを省略した場合は、ノーティフィケーションサービスではメッセージングモデルをMultiCastモデルとして、JMSではメッセージングモデルをPublish/Subscribeモデルとしてイベントチャネルを作成します。
 本オプションは、-notifyオプションを同時に指定する必要があります。さらに、不揮発化運用時(共に-persistオプションを指定した場合)は、Point-To-Pointモデルではトランザクション運用を行う必要があるため、-tranオプションまたは-otsオプションを同時に指定する必要があります。
 ノーティフィケーションサービスのメッセージングモデルの詳細については、“アプリケーション作成ガイド(イベントサービス編)”(Interstage Application Server Enterprise Editionで提供)の“基礎知識”−“メッセージングモデル”を参照してください。

 Interstage Business Application Serverの場合、アプリケーション連携実行基盤では、必ず本オプションを指定してください。

-dbf file

 Interstage Business Application Serverのアプリケーション連携実行基盤において、メッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合に、データベース連携情報ファイルを指定します。本ファイル名は、絶対パス名(拡張子:“.dbc”)で指定してください。
 本オプションは、以下の製品で指定可能です。
 − Interstage Business Application Server

■データベース連携情報ファイルの記述形式

 データベース連携情報ファイル(拡張子:dbc)の記述形式と各項目の設定内容を以下に示します。

[雛形ファイルの格納先]
 
データベース連携情報ファイルの雛型ファイル(sample.dbc)は、以下に格納されています。必要に応じて編集してください。

/opt/FJSVes/src/db/sample.dbc

[記述形式]

# All Rights Reserved, Copyright (c) FUJITSU LIMITED 2005
# NotificationService Database Definition File
# DB kind symfo / oracle
db_kind = symfo

# DB name
db_name = USERDB

# DB Server IP mode IPv4 / IPv6 (Symfoware Only)
db_ipmode = IPv4

# DB Server IP address(Symfoware Only)
db_hostip = 192.168.1.2

# DB Server Port No.(Symfoware Only)
db_portnum = 2050

# host string(Oracle Only)
# db_hoststr =

# EventChannel maximum event data
ch_edmax = 3000

[設定項目]

項目

内容

省略値

指定範囲

db_kind

データベース種別

省略不可

symfo、oracle
 symfo:Symfoware使用時
 oracle:Oracle使用時

db_name

業務用データベース名

省略不可

1〜36(文字数)

db_ipmode

データベースサーバIPアドレス種別(注1)

IPv4

IPv4、IPv6

db_hostip

データベースサーバIPアドレス(注1)

 

 

db_portnum

データベースサーバポート番号(注1)

 

 

db_hoststr

データベースホスト接続文字列(注2)

 

1〜128(文字数)

ch_edmax

イベントデータ蓄積最大数(注3)

3000

1〜10000000

注1)Symfoware使用時に必須
注2)Oracle使用時に必須
注3)イベントチャネル作成時にだけ指定可能です。イベントデータ蓄積最大数を変更する場合は、いったんイベントチャネルを削除した後に、イベントチャネルを再作成してください。

注意事項

使用例

 グループ名“EVENT1”、サプライヤ、コンシューマの最大接続数“100”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL1”、“CHNL2”を作成します。

esmkchnl -g EVENT1 -c CHNL1 CHNL2 -m 100

 グループ名“EVENT2”、サプライヤ、コンシューマの最大接続数“100”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL3”、“CHNL4”を作成します。

esmkchnl -g EVENT2 -c CHNL3 CHNL4 -m 100 -notify

 不揮発化運用、およびローカルトランザクション運用を行うイベントチャネル“CHNL5”を作成します。

esmkchnl -g EVENT3 -c CHNL5 -notify -persist all -tran

 メッセージングモデルをPoint-To-Pointモデルとして、不揮発化運用およびローカルトランザクション運用を行うイベントチャネル“CHNL6”を作成します。

esmkchnl -g EVENT4 -c CHNL6 -notify -persist all -tran -ptp

 イベントチャネルの閉塞機能を使用するため、以下のようなノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルを作成します。
 − グループ名:EVENT9
 − イベントチャネル名:CHNL11
 − ローカルトランザクション運用を行う
 − メッセージングモデル:Point-To-Pointモデル

esmkchnl -g EVENT9 -c CHNL11 -notify -tran -ptp

 コード系“SJIS”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL7”を作成します。

esmkchnl -g EVENT5 -c CHNL7 -l SJIS

 コード系“SJIS”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL8”を作成します。

esmkchnl -g EVENT6 -c CHNL8 -l SJIS -notify

 コード系“EUC”のイベントサービスのイベントチャネル“CHNL9”を作成します。

esmkchnl -g EVENT7 -c CHNL9 -l EUC

 コード系“EUC”のノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネル“CHNL10”を作成します。

esmkchnl -g EVENT8 -c CHNL10 -l EUC -notify

 Interstage Business Application Serverの場合で、アプリケーション連携実行基盤においてメッセージ格納DBを使用してメッセージの不揮発化を行う場合、以下のようなノーティフィケーションサービス/JMSのイベントチャネルを作成します。
 − グループ名:EVENT10
 − イベントチャネル名:CHNL12
 − データベース連携情報ファイル名:/opt/FJSVes/src/db/sample.dbc
 − アプリケーション連携実行基盤管理者のユーザID:apfwadm
 − アプリケーション連携実行基盤管理者のパスワード:Z24Y73ZAD59EK

esmkchnl -g EVENT10 -c CHNL12 -notify -ptp -tran -dbf /opt/FJSVes/src/db/sample.dbc
Username: apfwadm
Password:(ここでパスワードを入力します。)


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