PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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目次

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D.16 sdxshadowgroup − シャドウグループの操作
■形式
sdxshadowgroup -C -c class -h hgroup -l lgroup,...
[-a attribute=value[,attribute=value]]
sdxshadowgroup -D -c class -h hgroup -l lgroup
sdxshadowgroup -R -c class -g group
■機能説明
sdxshadowgroup は、シャドウグループを操作するためのコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけがsdxshadowgroup コマンドを実行することができます。
■基本オプション
以下の基本オプションのうち、いずれかを指定します。
- -C
- Connect
lgroup,... で指定された1つあるいは複数のシャドウグループ(ストライプタイプあるいはコンカチネーションタイプ)を、hgroup で指定されたシャドウグループ(ミラータイプあるいはストライプタイプ)に接続します。class にはlgroup が属しているシャドウクラスのクラス名を指定します。
hgroup と同じ名前を持つシャドウグループが存在しない場合は、自動的に作成されます。
hgroup で指定されたシャドウグループのことを上位シャドウグループと呼び、lgroup で指定されたシャドウグループのことを下位シャドウグループと呼びます。
同じ上位シャドウグループに接続された下位シャドウグループおよびシャドウディスクは、上位シャドウグループのタイプ属性に応じて、ミラーリングあるいはストライピングされます。上位シャドウグループに接続されても、下位シャドウグループのタイプ属性は変更されません。
以下の場合は、接続できません。
・lgroup がミラータイプの場合
・hgroup がコンカチネーションタイプの場合
・lgroup とhgroup のタイプ属性が同じである場合
また、すでにシャドウボリュームが存在しているシャドウグループを、他のシャドウグループに接続することはできません。
以下は、シャドウグループを接続するシャドウグループがミラータイプの場合とストライプタイプの場合とに分けて説明します。
- シャドウグループをミラータイプのシャドウグループに接続する場合:
lgroup,... で指定された1つあるいは複数のシャドウグループ(ストライプタイプあるいはコンカチネーションタイプ)を、hgroup で指定されたミラータイプのシャドウグループに接続することができます。
ミラータイプの同じシャドウグループに接続されたシャドウディスクおよび下位シャドウグループは、互いにミラーリングされます。ミラータイプのシャドウグループにシャドウディスクまたは下位シャドウグループが1つしか接続されていない場合、そのシャドウグループに作成されるシャドウボリュームはミラーリングされません。n多重のミラーリングを行う場合は、n個のシャドウディスクまたは下位シャドウグループを接続する必要があります。最大8多重までのミラーリングが可能です。
シャドウボリュームが存在するミラータイプのシャドウグループに下位シャドウグループを接続しても、シャドウボリュームの等価性コピー処理は実行されません。ミラータイプのシャドウボリュームの等価性を保証するためには、シャドウボリュームに対応するミラーボリュームを管理しているGDSによってミラーボリュームの等価性を保証する必要があります。
ミラータイプのシャドウグループの有効サイズ(シャドウボリュームとして使用可能な容量)は、接続された最小のシャドウディスクまたは下位シャドウグループの有効サイズと同じになります。lgroup を接続することによってhgroup の有効サイズが減少した場合、警告メッセージを標準エラー出力します。
- シャドウグループをストライプタイプのシャドウグループに接続する場合:
lgroup,... で指定された1つあるいは複数のシャドウグループ(コンカチネーションタイプ)を、hgroup で指定されたストライプタイプのシャドウグループに接続することができます。lgroup,... で指定されたシャドウグループは、指定された順にhgroup に接続されます。他のドメインでストライプグループに接続されている下位グループを、他のドメインと同じ順に接続してください。または、ストライプグループに接続されている下位グループをコピー元として、ディスク装置のコピー機能によってコピーされたコピー先のグループを、コピー元と同じ順に接続してください。下位グループの接続順序は、sdxinfo -G コマンドで表示されるDISKSフィールドで確認できます。
ストライプタイプの同じシャドウグループに接続されたシャドウディスクおよび下位シャドウグループは、各々がストライプ列の役割を果たし、接続された順にストライピングされます。シャドウディスクまたは下位シャドウグループが1つしか接続されていない場合、そのシャドウグループにはシャドウボリュームを作成できません。n列のストライピングを行う場合は、n本のシャドウディスクまたは下位シャドウグループを接続する必要があります。2列以上、最大64列までのストライピングが可能です。
hgroup で指定されたストライプタイプのシャドウグループがすでに存在している場合、hgroup 内にすでに存在しているストライプ列の後に、lgroup,... で指定された順にストライプ列が追加されます。ただし、すでに存在しているストライプタイプのシャドウグループに、有効サイズがストライプ幅よりも小さいシャドウグループを接続することはできません。また、すでにシャドウボリュームが存在するストライプグループ、および上位シャドウグループに接続されているストライプグループに対しては、シャドウグループを接続してストライプ列数を増やすことはできません。
ストライプタイプのシャドウグループの有効サイズ(シャドウボリュームとして使用可能な容量)は、接続された最小のシャドウディスク(または下位シャドウグループ)の有効サイズに、ストライプ列数を掛けて、(ストライプ幅)×(ストライプ列数)とシリンダサイズとの公倍数に切り捨てたサイズとなります。lgroup を接続することによってhgroup の有効サイズが減少した場合、警告メッセージを標準エラー出力します。
- -D
- Disconnect
lgroup で指定されたシャドウグループを、hgroup で指定されたシャドウグループから切断します。class にはlgroup が属しているシャドウクラスのクラス名、hgroup にはlgroup が接続されている上位シャドウグループのグループ名を指定します。
hgroup にlgroup のみが接続されている場合、lgroup が切断されると、hgroupも自動的に削除されます。ただし、lgroup のみが接続されているhgroup が上位シャドウグループに接続されている場合はエラーとなり、lgroup を切断することはできません。そのようなlgroup を切断するには、まずhgroup をその上位シャドウグループから切断してください。
lgroup を切断することによって、hgroup 内に存在する任意のシャドウボリュームの状態が変化する可能性がある場合は、lgroup の切断はできません。
以下に、シャドウグループを切断する上位シャドウグループがミラータイプの場合と、ストライプタイプの場合とに分けて、切断できない条件について説明します。
- シャドウグループをミラータイプの上位シャドウグループから切断する場合:
たとえば、hgroup で指定されたミラータイプのシャドウグループにシャドウボリュームが存在していて、かつhgroup にlgroup のみが接続されている場合、lgroup の切断はできません。
- シャドウグループをストライプタイプのシャドウグループから切断する場合:
シャドウボリュームが存在するストライプタイプのシャドウグループ、および上位シャドウグループに接続されているストライプタイプのシャドウグループから、下位シャドウグループを切断することはできません。
- -R
- Remove
- group で指定されたシャドウグループの定義を削除します。class には、group が属しているシャドウクラスのクラス名を指定します。
group に接続されているシャドウディスクおよび下位シャドウグループは切断されます。切断されたシャドウディスクのタイプ属性は、接続前のタイプ属性(シングルまたは未定義)に戻ります。
group 内にシャドウボリュームが存在している場合およびgroup が上位シャドウグループに接続されている場合は、削除できません。
■サブオプション
以下のサブオプションが指定できます。
- -a attribute=value[,attribute=value] (-C指定時)
- -C オプション指定時に新しいグループ名を-h オプションで指定した場合、自動的に新しいシャドウグループhgroup が作成されます。本オプションでは、作成されるhgroup の属性としてattribute をvalue に設定します。
attribute には属性名、value には属性値を指定します。attribute とvalue の間には、必ずイコール(=)を入れます。複数の属性を設定する場合は、これらの指定子の組合せをカンマ(,)で区切って指定します。
シャドウグループが作成されない場合、既存のhgroup の属性値と異なるvalue を指定するとエラーとなります。既存のhgroup の属性値を変更することはできません。
attribute とvalue には、以下の任意の組合せが指定できます。
複数の属性が指定された場合、一部の処理でエラーが発生すると一切処理を行いません。
- type=mirrorまたはtype=stripe (省略時はmirror)
- hgroup のタイプ属性を設定します。
- mirror
- タイプ属性を「ミラー」に設定します。
- stripe
- タイプ属性を「ストライプ」に設定します。
- width=blks (省略時は32)
- hgroup のストライプ幅を指定します。blks には、ストライプ幅をブロック数(10進数)で指定します。1ブロックは512バイトです。blks に指定可能な値は、2のべき乗で、1以上、かつlgroup,...で指定された最小のシャドウグループの、有効サイズ以下の整数です。hgroup がストライプタイプではない場合は、エラーとなります。
- -c class
- class には、操作対象となるシャドウグループが属しているシャドウクラスのクラス名を指定します。
- -g group (-R指定時)
- group には、操作対象となるシャドウグループのグループ名を指定します。
- -h hgroup (-C,-D指定時)
- hgroup には、操作対象となる下位シャドウグループが接続されている、または接続しようとしている上位シャドウグループのグループ名を指定します。
- -l lgroup (-D指定時)
- lgroup には、操作対象となる下位シャドウグループのグループ名を指定します。
- -l lgroup,... (-C指定時)
- lgroup には、操作対象となる下位シャドウグループのグループ名を指定します。複数のシャドウグループを接続する場合は、グループ名をカンマ(,)で区切って指定します。
■戻り値
正常終了した場合には0を返し、そうでない場合には0以外の値を返します。
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