PowerSORT Workstation V5.0 使用手引書
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第1章 PowerSORTの概要

1.5 環境変数

環境変数を設定することにより、PowerSORTの省略値や動作条件を設定することができます。
以下に、PowerSORTで設定可能な環境変数を示します。
なお、環境変数は実行時オプションの省略値または補助情報となります。PowerSORTの実行時に、対応するオプションの指定がある場合は、指定したオプションの値が環境変数より優先されます。

環境変数

意味

BSORT_CHKLEVEL

チェックレベルの指定

BSORT_COBFSYS_MODE

富士通COBOLファイルシステムオプションの指定

BSORT_EVENTLOG

アプリケーションログへの出力指定

BSORT_MEMSIZE

作業域の大きさの指定

BSORT_MSGFILE

メッセージ出力ファイル名の指定

BSORT_MSGLEVEL

メッセージ出力レベルの指定

BSORT_MSGOUT

情報、エラーメッセージ出力先の指定

BSORT_RDM_EMPTY

0件のRDMファイルを入力した場合の処理方法

BSORT_SUMOVERCONT

レコード集約処理実行中にオーバフローが発生した場合の、それ以後のレコード集約処理を継続するか否かの指定

BSORT_TMPDIR

一時ファイルフォルダ名の指定

BSORT_TOPYY

2桁年号データの照合順序定義の指定

BSORT_UCS2TYPE

Unicode UCS-2形式のバイトオーダの指定

BSORT_UNICODEBOM

BOMの読み飛ばしの有無の指定

BSORT_CHKLEVEL={0 | 1}

PowerSORTの内部のチェック機能を指定します。

指定値

意味

0

何もチェックしません。(省略値)

1

BSORT関数でインタフェースチェックをします。

BSORT_COBFSYS_MODE={NORMAL | BSAM}

入出力ファイルのファイルシステムに"富士通COBOLファイルシステム(順ファイル)"を指定した場合に、動作させるファイルシステムを指定します。BSAM対応については富士通COBOLファイルシステム(BSAM対応順ファイル)についてを参照してください。

指定値

意味

NORMAL

"富士通COBOLファイルシステム(順ファイル)"として動作します。(省略値)

BSAM

"富士通COBOLファイルシステム(BSAM対応順ファイル)"として動作します。

BSORT_EVENTLOG={YES | NO}

PowerSORTが検出した重大なエラー情報のアプリケーションログへの出力を指定します。
出力対象となるメッセージは、PowerSORTが動作するために必要なメモリサイズが不足した場合、ファイルシステムがI/Oエラーを検出した場合および漢字ソートマージ機能でエラーを検出した場合に出力されるメッセージです。詳細はアプリケーションログへの出力メッセージを参照してください。

指定値

意味

YES

エラー情報をアプリケーションログへ出力します。

NO

エラー情報をアプリケーションログへ出力しません。(省略値)

BSORT_MEMSIZE=n

PowerSORTが使用する作業域の大きさ(メモリサイズ)をキロバイト数で指定します。
メモリサイズは32〜2097151キロバイトの範囲で指定します。0を指定した場合、または環境変数BSORT_MEMSIZEの指定を省略した場合は、メモリサイズは自動的に設定されます。2097152以上の値を指定した場合は、2097151を指定したとみなされます。
メモリサイズは入力データ量の1/50以上とすることをお薦めします。ただし、入力データ量の1/50が8192キロバイト未満の場合は、8192キロバイトとすることをお薦めします。

BSORT_MSGFILE=メッセージ出力ファイル名

PowerSORTが出力するメッセージを格納するファイルパス名を指定します。
ファイル名に空白を含む場合も、ファイル名をダブルクォーテーション( " )で囲む必要はありません。

BSORT_MSGLEVEL={0 | 1 | 2}

PowerSORTが出力するメッセージのレベルを指定します。

指定値

意味

0

何も出力しません。

1

エラーメッセージを出力します。(省略値)

2

エラーメッセージと情報メッセージを出力します。

BSORT_MSGOUT={STDOUT | STDERR}

情報メッセージ、エラーメッセージの出力先を指定します。

指定値

意味

STDOUT

エラーメッセージを標準出力に出力します。情報メッセージは標準出力に出力されません。
メッセージファイルの指定がある場合は、エラーメッセージを標準出力に出力するとともに、情報メッセージおよびエラーメッセージをメッセージファイルに出力します。

STDERR

情報メッセージおよびエラーメッセージを標準エラー出力に出力します。
メッセージファイルの指定がある場合は、エラーメッセージを標準エラー出力に出力するとともに、情報メッセージおよびエラーメッセージをメッセージファイルに出力します。(省略値)

以下にPowerSORTの出力ファイルに標準出力を指定し、処理結果をリダイレクトして別ファイルに出力した場合の例を示します。

例1) 環境変数BSORT_MSGOUTにSTDOUTを指定した場合のエラーメッセージ、情報メッセージおよび処理結果の出力先は以下のようになります。

PowerSORTの動作

エラーメッセージ

情報メッセージ

処理結果

正常終了

なし

なし

リダイレクトされたファイル

異常終了

リダイレクトされたファイル

なし

なし

例2) 環境変数BSORT_MSGOUTにSTDERRを指定した場合のエラーメッセージ、情報メッセージおよび処理結果の出力先は以下のようになります。

PowerSORTの動作

エラーメッセージ

情報メッセージ

処理結果

正常終了

なし

画面(標準エラー出力)

リダイレクトされたファイル

異常終了

画面(標準エラー出力)

画面(標準エラー出力)

なし

BSORT_RDM_EMPTY={CONTINUE | ERROR}

0件のRDMファイルを入力した場合の処理方法を指定します。

指定値

意味

CONTINUE

格納レコード件数が0件のRDMファイルを入力した場合、0件のレコードを入力したものとして処理を継続します。この場合、格納レコード0件の出力ファイルが作成されます。

ERROR

格納レコード件数が件のRDMファイルを入力した場合、入力処理でエラーとします。この場合、出力ファイルは作成されません。(省略値)

BSORT_SUMOVERCONT={ON | OFF}

レコード集約処理でオーバフローが発生した場合に、それ以後のレコード集約処理の動作を指定します。

指定値

意味

ON

オーバフローする直前まで集約されたレコードを出力し、それ以後の同値のキーフィールドを持つレコードに対しては、別レコードとしてレコード集約処理を継続します。以降、オーバフローするたびに同様の処理を行います。

OFF

オーバフローする直前まで集約されたレコードを出力し、それ以後の同値のキーフィールドを持つレコードに対しては、レコード集約処理を行いません。(省略値)

BSORT_TMPDIR=一時ファイルフォルダ名[;一時ファイルフォルダ名...]

PowerSORTのソート処理に必要となる一時ファイルを作成するフォルダ名を指定します。
メモリ内だけでは処理できない量のレコードをソート処理する場合、環境変数BSORT_TMPDIRで指定されたフォルダに一時ファイルを作成します。指定されたフォルダが存在しない場合は、エラーとなります。また、セミコロン( ; )で区切ることで複数のフォルダ名を指定できます。ドライブの異なる複数のフォルダ名を指定すると、指定されたフォルダに一時ファイルが分散されるため、空きスペース不足によるエラーを回避できることがあります。フォルダ名を複数指定する場合は、セミコロン( ; )の前後に空白などの不要な文字列を置かないようにしてください。
なお、PowerSORTは以下の優先順位に従って、一時ファイルを作成するフォルダを決定します。

  1. BSORT関数におけるBSRTFILE構造体のtmpfile_tblで指定されたフォルダ
  2. 環境変数BSORT_TMPDIRで指定されたフォルダ
  3. 環境変数TEMPで指定されたフォルダ
  4. 環境変数TMPで指定されたフォルダ
  5. Windowsシステムのフォルダ

BSORT_TOPYY=yy

2桁年号データ形式を使ってソートマージ処理する場合に、並替えのしきい値を設定します。
ここで指定したyy年が最小値となります。たとえば、BSORT_TOPYY=60とした場合、最小値が60、最大値が59となり、年号データを下2桁で並べた場合は、1960年から2059年の順に大小関係が決定します。省略値は60です。キーフィールドおよび選択フィールドのデータ形式として2桁年号データ形式を指定した場合に有効となります。

BSORT_UCS2TYPE={LITTLE_ENDIAN | BIG_ENDIAN}

Unicode UCS-2形式のバイトオーダを指定します。
bsortコマンドでUnicode UCS-2形式のデータ形式を指定した場合に有効です。

指定値

意味

LITTLE_ENDIAN

Little endianとします。(省略値)

BIG_ENDIAN

Big endianとします。

BSORT_UNICODEBOM={ON | OFF}

入力ファイルがテキストファイルで、かつ入力ファイルのコード系がUnicode系(UCS-2形式またはUTF-8形式)のとき、BOMの読み飛ばしの有無を指定します。
入力ファイルにBOMが存在し、BOMを読み飛ばした場合、出力ファイルにBOMを付加します。複数の入力ファイルを指定している場合は、先頭に指定した入力ファイルにBOMが存在し、BOMを読み飛ばした場合、出力ファイルにBOMを付加します。

指定値

意味

ON

BOMを読み飛ばします。ただし、先頭がBOMでない場合は読み飛ばしません。入力ファイルの先頭にBOMが存在する場合にレコードからBOMを除外することができます。(省略値)

OFF

BOMを読み飛ばしません。


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