Apdesigner プログラマーズガイド
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第2部 アプリケーション開発編> 第6章 JavaBeansを開発する> 6.2 開発の流れ

6.2.2 BeanInfoを定義する

BeanInfoは、Beanをコンポーネントとして利用するプログラムに対するインタフェース情報です。BeanInfoには、以下の情報があります。

これらの情報を定義する場合は、BeanInfo定義を使います。Beanのファイル(Javaフォーム、アプレットまたはそのほかのJavaソース)を開き、メニューバーから[編集] > [BeanInfoの定義] > [BeanInfo定義]を選択して、BeanInfo定義を呼び出します。定義したプロパティやメソッドの処理は、Javaで記述します。

BeanInfoの定義について、以下に示します。

+プロパティを定義する

プロパティとは、コンポーネント(Javaの場合はBean)のある状態を示す値を格納するものです。Beanを利用するプログラムからプロパティにアクセスするには、プロパティの取得メソッドと設定メソッドを使います。プロパティの定義とは、この取得および設定メソッドを実装することです。
また、プロパティには、インデックスを付けることもできます。

プロパティを以下の手順で実装することができます。

  1. BeanInfo定義でプロパティを追加すると、取得および設定メソッドの定義がソース上に生成されます。インデックス付きプロパティの場合、取得および設定メソッドにインデックス用の引数が付けられます。
  2. 生成された取得および設定メソッドに、それぞれプロパティの取得時の処理、設定時の処理を記述します。

すでに定義してあるメソッドを取得および設定メソッドとして利用することもできます。

++プロパティの取得および設定メソッドの規則

プロパティの取得および設定メソッドは、以下の規則で作成します。また、既存のメソッドを取得および設定メソッドとして利用する場合は、以下の規則で作成されたメソッドである必要があります。

取得メソッド

プロパティの取得メソッドは、次のすべての条件を満たす必要があります。

BeanInfo定義では、指定したプロパティ名とプロパティの型によって上記条件のメソッドを生成することができます。このとき、メソッド名は、プロパティ名の先頭1文字を大文字にしてgetまたはisを先頭に付けたものになります。たとえば、プロパティ名fooの場合は、getFooとなります。

設定メソッド

プロパティの設定メソッドは、次のすべての条件を満たす必要があります。

BeanInfo定義では、指定したプロパティ名とプロパティの型によって上記条件のメソッドを生成することができます。このとき、メソッド名は、プロパティ名の先頭1文字を大文字にしてsetを先頭に付けたものになります。たとえば、プロパティ名fooの場合は、setFooとなります。

++プロパティの属性

プロパティは、JavaBeansの規約に従って以下のような属性を指定することができます。

+メソッドを定義する

メソッドとは、コンポーネント(Javaの場合はBean)の外部関数です。Javaのクラスに存在するメソッドとして実装します。

メソッドを以下の手順で実装することができます。

  1. 外部公開するメソッドをクラス内に定義します。
  2. BeanInfo定義で外部公開するメソッドを指定します。

また、Javaエディタのメソッド追加でBeanのメソッドとするかを指定することもできます。

++メソッドの属性

メソッドには、以下の属性を指定することができます。

+イベントを定義する

イベントは、コンポーネント(Javaの場合はBean)内のある出来事に対応して発生する事象です。イベントを発生させることによりBeanの外に事象を通知することができます。イベントの定義とは、イベントの処理クラスの定義と、任意のタイミングで発火処理を実装することです。

イベントを以下の手順で実装することができます。

  1. イベント・オブジェクト・クラスならびにイベント・リスナ・インタフェースを生成します。プロジェクト内にこれらのソースが生成されます。生成されるクラス名の規約を、以下に示します。
  2. BeanInfo定義でイベントを追加すると、イベントの発火処理の呼び出しメソッドが、ソース上に生成されます。生成されるメソッド名の規約を、以下に示します。
    「fire + イベント名」

イベント・オブジェクト・クラスならびにイベント・リスナ・インタフェースのソースを生成するときは、Apdesignerのメニューバーから[編集] > [BeanInfoの定義] > [イベントソースの生成]を選択します。
生成されたクラスの修正は、通常のJavaソースとしてJavaエディタを利用します。

++イベントの属性

イベントには、以下の属性を指定することができます。なお、ストックイベントの場合、「マルチキャスト型のイベントとする」以降は設定できません。

+アイコンを指定する

Beanを登録したときにオブジェクトパレットに表示されるアイコンを指定します。4つの種類(16×16ドットカラー、16×16ドットモノクロ、32×32ドットカラーおよび32×32ドットモノクロ)のアイコンを登録することができます。ファイルには、GIFまたはJPEG形式が指定可能です。すでに作成済みのBeanを継承し、新しいBeanを作成する場合、継承元のBeanがもつアイコンを利用することもできます。なお、Apdesignerのオブジェクトパレットの表示では、16×16カラーのファイルだけを利用します。

ファイルはソースフォルダ配下にインポートしてください。

+カスタマイザクラを指定する

Beanの固有ダイアログを指定します。ダイアログ画面は、java.beans.Customizer インタフェースを実装して作成します。作成の詳細については、"Java Development Kitオンラインマニュアル"のjava.beans.Customizerを参照してください。ダイアログ画面は、Javaフォーム定義で、Beanを選択して操作するコンテキストメニューから[カスタマイザ]を選択するか、プロパティシートのカスタマイザボタンから起動します。


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