PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
|
目次
索引

|
24.4.2 ファイルシステム単位のバックアップ
ファイルシステム単位で GFS 共用ファイルシステムをバックアップするには、dd(1M) を使用します。以下に dd(1M) を使用したバックアップ手順を説明します。
ファイルシステム単位のバックアップは、ファイル単位のバックアップに比べてファイルシステム全体を高速にバックアップすることができます。ただし、この方法でバックアップされたファイルシステムは、リストアの際にファイル単位でリストアすることはできません。
バックアップを実施する前には、以下に示す手順で対象となる GFS 共用ファイルシステムのパーティション
情報を確認します。そして、バックアップに必要なバックアップ媒体の容量と本数を見積もった後、対象となる GFS 共用ファイルシステムをアンマウントしてください。
- 単一パーティション構成の場合
sfcinfo(1M) でパーティション情報を表示して、単一パーティションである(特殊ファイル名が同じ)こと、容量がテープに収まることを確認しておきます。パーティションの容量は size フィールドに表示された値(キロバイト単位)の合計に 1 メガバイトを加えた値で見積もってください。
例) 以下は単一パーティション構成の例です。
# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1
FSID special size Type mount
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1(3fa0081) 12626 META /mnt
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1(3fa0081) 113992 DATA /mnt
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1(3fa0081) 5120 LOG /mnt
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k
|
- 複数パーティション構成の場合
dd(1M) が扱えるのはパーティション単位です。したがって、複数パーティション構成の場合には各パーティションに分けてバックアップする必要があります。sfcinfo(1M) でパーティション構成を確認した後、各パーティションを単一パーティション構成の場合と同様の方法でバックアップします。
例) 以下にパーティションが3つ (アップデートログ領域分離+ファイルデータ領域加) の例を示します。
# sfcinfo /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1
FSID special size Type mount
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1(3fa0081) 25986 META /mnt
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume1(3fa0081) 105751 DATA /mnt
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume2(3fa0082) 5120 LOG /mnt
1 /dev/sfdsk/gfs/dsk/volume3(3fa0083) 131736 DATA /mnt
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k → テープ1
テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume2 of=/dev/rmt/0 bs=1024k → テープ2
テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume3 of=/dev/rmt/0 bs=1024k → テープ3
|

−バックアップは、対象の GFS を構成するパーティションのすべてに対して行ってください。一部のパーティションだけをバックアップして保管しないでください。
−バックアップしたテープは、バックアップしたパーティションがわかるようにラベルをはり、一組にして保管してください。

dd(1M) はマルチテープボリュームをサポートしていません。ファイルシステムの大きさがテープ 1 巻に収まらない場合には、分割してバックアップする必要があります。その際、bs (ブロック長)、count (ブロック数)を設定して、iseek (入力側のオフセット(ブロック数))は count 数分だけ増やしてください。
例) 以下はあるパーティションを 1 ギガバイト単位に分割してバックアップする例です。
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024
→ テープ1
テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=1024
→ テープ2
テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=2048
→ テープ3
テープ交換
# dd if=/dev/sfdsk/gfs/rdsk/volume1 of=/dev/rmt/0 bs=1024k count=1024 iseek=3072
→ テープ4
...
|
All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2006