PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.2 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム> 第23章 ファイルシステムの運用

23.1 ファイルシステム管理コマンド

 ファイルシステムの管理コマンドには、はん用管理コマンドとファイルシステムごとに固有の管理コマンドの 2 種類があります。通常は Solaris OE が提供するはん用管理コマンドを使用し、オプションの指定またはファイルシステムタイプを判定することで適切なファイルシステム専用管理コマンドを呼び出します。

 GFS 共用ファイルシステムでは、はん用管理コマンドに対応する専用管理コマンドと、GFS 共用ファイルシステム独自機能のための独自管理コマンドがあります。

 GFS 共用ファイルシステムに対してはん用管理コマンドを使用する場合は、-F オプションに指定するファイルシステムタイプに "sfcfs" を指定して実行します。-F オプションを省略した場合には、/etc/vfstab ファイル内で special または mount_point と一致するエントリが検索され、そこに登録されているファイルシステムタイプが自動選択されます。

[表 はん用ファイルシステム管理コマンド]

コマンド

機能

df(1M)

空きディスクブロック数とファイル数等の表示

fsck(1M)

ファイルシステムの整合性チェックと修復

fstyp(1M)

ファイルシステムタイプの決定

mkfs(1M)

ファイルシステムの作成

mount(1M)

ファイルシステムのマウント

umount(1M)

ファイルシステムのアンマウント

はん用ファイルシステム管理コマンドの詳細については、各コマンドの“Solaris X Reference Manual”を参照してください。

[表 ファイルシステム共通管理コマンド]

コマンド

機能

df_sfcfs(1M)

GFS 共用ファイルシステムの空きディスク領域の報告

fsck_sfcfs(1M)

GFS 共用ファイルシステムの整合性チェックと修復

fstyp_sfcfs(1M)

ファイルシステムのタイプの決定

mkfs_sfcfs(1M)

GFS 共用ファイルシステムの作成

mount_sfcfs(1M)

自ノードへの GFS 共用ファイルシステムのマウント

umount_sfcfs(1M)

自ノードでの GFS 共用ファイルシステムのアンマウント

 ファイルシステム共通管理コマンドは、対象ファイルシステムの共用ノードで実行します。また対象ファイルシステムの共用ノードがすべて sfcfrmd デーモンが起動済みの状態で fsck_sfcfs(1M), mkfs_sfcfs(1M) (-m を除く) を実行してください。

[表 GFS 共用ファイルシステム専用管理コマンド]

コマンド

機能

sfcadd(1M)

ファイルシステムの拡張

sfcadm(1M)

パーティション用語説明情報の設定変更

sfcddr(1M)

バックアップデータのリストアとリストアデバイスのチェック

sfcdu(1M)

ディスク使用状況の要約

sfcdump(1M)

GFS 共用ファイルシステムのバックアップ

sfcedquota(1M)

ユーザごとの quota 制限値の編集

sfcfrmstart(1M)

自ノードでの sfcfrmd デーモンの起動

sfcfrmstop(1M)

自ノードでの sfcfrmd デーモンの停止

sfcgetconf(1M)

管理パーティションのバックアップ

sfchost(1M)

MDS用語説明 との接続ホスト名の表示、および変更

sfcinfo(1M)

パーティション情報の表示

sfcmkbkup(1M)

バックアップ用シェルスクリプトの生成

sfcmkrstr(1M)

リストア用シェルスクリプトの生成

sfcmntgl(1M)

全ノードでの GFS 共用ファイルシステムのマウント

sfcnewfs(1M)

GFS 共用ファイルシステムの作成 (mkfs_sfcfs(1M)のフロントエンド)

sfcnode(1M)

ノード構成情報の追加、削除、変更

sfcproxybreak(1M)

高速バックアップ・リストアのための関連付けの解除

sfcproxyinfo(1M)

高速バックアップ・リストアのための関連付けに関する情報の表示

sfcproxyjoin(1M)

高速バックアップ・リストアのための関連付けの設定

sfcproxyop(1M)

高速バックアップ・リストアの運用操作

sfcproxyrestore(1M)

ファイルシステムの高速リストア

sfcquota(1M)

ユーザごとの quota 制限値と使用量の表示

sfcquotadm(1M)

quotas ファイルの管理

sfcquotaon(1M)

quota 機能の有効化

sfcquotaoff(1M)

quota 機能の無効化

sfcrepquota(1M)

全ユーザの quota 制限値と使用量の表示

sfcrestore(1M)

sfcdump で作成されたバックアップからのリストア

sfcrscinfo(1M)

ファイルシステム情報の表示

sfcsetup(1M)

管理パーティションの初期化、構成ノード情報の登録、削除、表示および管理パーティションパスの表示

sfcstat(1M)

GFS 共用ファイルシステムの統計情報の報告

sfcswitch(1M)

MDS の定義上配置ノードへの切戻し

sfctune(1M)

GFS 共用ファイルシステムのチューニング

sfcumntgl(1M)

全ノードでの GFS 共用ファイルシステムのアンマウント

 対象ファイルシステムの共用ノードがすべて sfcfrmd デーモンが起動済みの状態で、sfcadd(1M), sfcadm(1M), sfchost(1M), sfcnewfs(1M), sfcnode(1M), sfcproxybreak(1M), sfcproxyjoin(1M), sfcproxyop(1M), sfcproxyrestore(1M)を実行してください。

 また GFS 共用ファイルシステムの独自機能を使用するための以下の一般ユーザ向け独自コマンドも提供しています。

[表 GFS 共用ファイルシステム専用一般コマンド]

コマンド

機能

sfccp(1)

ファイル拡張属性情報を伴うファイルのコピー

sfccpio(1)

ファイル拡張属性情報を伴うアーカイブからのファイルの抽出または復元

sfcgetext(1)

エクステント属性情報用語説明の表示

sfcgetfattr(1)

ファイル拡張属性情報の表示

sfcmv(1)

ファイル拡張属性情報を伴うファイルの移動

sfcsetex(1)

エクステント属性情報の設定

sfcsettime(1)

時刻非更新属性情報の設定・解除

sfcsetvolume(1)

ファイルデータ割当属性情報の設定・解除

 前述の GFS 共用ファイルシステムのコマンドについて、対象ファイルシステムをマウントした状態で使用するもの、アンマウントした状態で使用するもの、マウント状態とアンマウント状態で使用できるものは以下のようになります。

[マウント状態で使用するもの]

umount_sfcfs
sfcdu, sfcedquota, sfchost(-c を除く ), sfcquota, sfcquotadm, sfcquotaoff, sfcquotaon, sfcrepquota, sfcrestore, sfcstat
sfccp, sfccpio, sfcgetext, sfcgetfattr, sfcmv, sfcsetext, sfcsettime, sfcsetvolume

[アンマウント状態で使用するもの]

fsck_sfcfs, mkfs_sfcfs(-mを除く), mount_sfcfs
sfcadm(-Aを除く), sfcddr, sfcfrmstart, sfcfrmstop, sfchost -c, sfcnewfs, sfcnode, sfcproxyrestore, sfctune

[マウント状態とアンマウント状態で使用できるもの]

df_sfcfs, fstyp_sfcfs, mkfs_sfcfs -m
sfcadd, sfcadm -A, sfcdump*1, sfcgetconf, sfcinfo, sfcmkbkup, sfcmkrstr, sfcmntgl*2, sfcproxybreak, sfcproxyinfo, sfcproxyjoin, sfcproxyop*3, sfcrscinfo, sfcsetup, sfcswitch*4, sfcumntgl

(*1: sfcdump(1M) をマウント状態で使用する場合、ファイルシステム情報を更新しないように注意して使用してください。詳細については、“付録 F.2.5 sfcdump(1M)”を参照してください。)
(*2: いずれかのノードがアンマウント状態でないとエラーとなります。)
(*3: umount 以外のサブコマンドは、バックアップ先がマウント状態では使用できません。詳細については、“付録 F.2.19 sfcproxyop(1M)”を参照してください。)
(*4: プライマリサーバとセカンダリサーバがマウント状態でないとエラーとなります。)


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