PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.2 (マルチパス機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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目次

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B.1.1 障害監視
マルチパス方式において、"active"状態の通信パスからスイッチに対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。"active"状態の通信パスで異常を検出した場合には、その通信パスは"fail"状態とし、"standby"状態の通信パスを"active"状態に切替え、伝送路監視を継続します。
なお、通信パスの自動復旧機能使用時にケーブル抜け等のLink Down検出によって通信パス異常となった場合には、Link Downとなった要因を取り除く (ケーブルを挿す等でLink Upさせる)ことによって、通信パスを復旧させることができます。待機NICの異常監視では、マルチパス方式で束ねるデバイスのLink状態を定期的に監視します。
- 本機能は、IPv4プロトコルのみ対応しています。IPv6やFNA/SNAプロトコルは未サポートです。
- ATMカード, FDDIカードの二重化時、本伝送路監視機能は動作しません。従来の障害監視機能が動作します。
- マルチリンクイーサネット方式には本伝送路監視機能は対応していません。従来の障害監視機能が動作します。
"図B.1 マルチパス方式(通信パス2本)の伝送路監視"に通信パスが2本の場合の監視方法について示します。

[図B.1 マルチパス方式(通信パス2本)の伝送路監視]
マルチパス方式が活性化されると、運用NICから待機NICに接続されているスイッチ(2)に対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。スイッチ(2)への監視が監視回数回失敗した場合に、運用NICからスイッチ(2)までの経路に異常があると判断し、次に運用NICに接続されているスイッチ(1)に対して監視フレームを送信します。スイッチ(1)への監視フレームの応答があった場合、スイッチ(2)の異常、あるいはスイッチ(1)とスイッチ(2)をカスケードしているケーブルの異常とみなし、スイッチ(1)への監視を行います。また、スイッチ(1)への監視フレームの応答がない場合、運用NICの異常、スイッチ(1)の異常、NIC-スイッチ間を接続するケーブルの異常と見なし、待機NICを運用NICに切り替えます。
次に通信パスが4本の場合の監視方法について示します。

[図B.2 マルチパス方式(通信パス4本)の伝送路監視]
マルチパス方式が活性化されると、スイッチ(1)が接続されているNICからスイッチ(4)に対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。スイッチ(4)への監視に失敗するとスイッチ(3)、スイッチ(2)、スイッチ(1)へと順番に監視対象を運用NICに近づけて、どの機器に異常があるかを絞り込んでいきます。"図B.2 マルチパス方式(通信パス4本)の伝送路監視"では、スイッチ(1)、それに接続されるケーブル、NICのいずれかに異常が検出され、パス切替えが発生した後の状態を表しています。この場合、運用NICからスイッチ(1)とスイッチ(4)に対して同時に監視フレームを送信し、その応答を監視しています。
異常NICとなった通信パスについては、その要因を取り除くことによって待機(運用)NICとして復旧することができます。待機NICについては、待機NICを制御するデバイスドライバのLink状態を確認することで監視を行っています。
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