キャッシュ機能説明書 (統合環境設定編)
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2.12 仮想ホスト機能
リバース機能使用時にInfoProxyが動作しているサーバ上で、仮想的に複数のWWWサーバが動作しているように見せる機能です。一台のサーバマシンに複数のホスト名を割り当てて、複数のサーバが存在しているように運用することができます。
InfoProxyでの仮想ホスト機能の実現方法には以下の2つがあります。
- サーバに複数のIPアドレスを割り当て、IPアドレスごとにPROXYサーバを起動する方法
- 1つのPROXYサーバを起動してクライアントから送信されるHostヘッダで区別する方法
以下に、各実現方法について説明します。
PROXYサーバマシンに複数のIPアドレスを割当て、IPアドレスごとに複数のPROXYサーバを起動できます。PROXYサーバの環境設定でクライアントからのリクエストを受付けるIPアドレスを指定して起動することができますので、WWWクライアントから見て別のIPアドレスでPROXYサーバが運用されているように見えます。
それぞれのPROXYサーバでは独立した環境設定を行います。証明書を仮想ホストごとに登録できるため、SSL代理中継機能を使用した通信が可能です。また、PROXYサーバごとに、リバース設定、ログファイル格納ディレクトリなどを個別に設定できます。
図2.21にその概要を示します。
図2.21 複数のPROXYサーバを起動する仮想ホスト機能の概要
複数のPROXYサーバを起動する方法による仮想ホスト機能を使用するには、IPアドレスの割当ての設定が必要です。IPアドレスの割当ての設定方法については、“11.4 基本設定”を参照してください。
WWWクライアントは、WWWサーバへ接続する際にリクエストヘッダにHostヘッダを付加します。PROXYサーバは受信したリクエストヘッダを解析し、Hostヘッダで指定されたホスト名をもとにリバース変換定義を検索し、該当する定義にしたがってリバース変換処理を行います。
PROXYサーバの環境設定で、仮想ホスト名ごとにリバース設定ができますので、単一のPROXYサーバで、Hostヘッダで通知されたホスト情報に一致するリバース定義に従ったリバース処理が実施されます。
図2.22にその概要を示します。
図2.22 Hostヘッダにより区別する仮想ホスト機能の概要
なお、Hostヘッダを区別することによって仮想ホスト機能を実現する場合は、以下の留意点があります。
PROXYサーバは、同一の環境設定を使用して動作します。特に以下の点に留意してください。
- PROXYサーバが使用できるSSL証明書は1つであるため、SSL代理中継機能を使用した通信はできません。
- クライアントからのリクエストにHostヘッダが含まれていなかった場合は、以下のように動作します。
- デフォルトのリバース変換定義が設定されている場合は、その定義に従います。
- デフォルトのリバース変換定義が設定されていない場合は、リバース変換定義に一致しなかったと判断して、「404 Not Found」のエラーを返します。
Hostヘッダにより区別する方法による仮想ホスト機能を使用するには、仮想ホスト名を設定する必要があります。仮想ホスト名の設定方法については、“11.8 リバース設定”を参照してください。
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