Symfoware(R) Server RDBユーザーズガイド 応用プログラム開発編 - FUJITSU -
目次 索引 前ページ次ページ

上へ第2章 データベースを処理する応用プログラムの開発の概要
上へ2.1 SQL埋込みCプログラムの作成方法

2.1.9 構造体として宣言したホスト変数の使用方法

ここでは、構造体として宣言したホスト変数の使用方法について、以下を説明します。

構造体型として宣言したホスト変数を構造体ホスト変数と呼びます。

構造体ホスト変数を宣言すると、各メンバがデータベースの各列に対応するように扱われるので、複数列のデータを行単位で操作することができます。また、複数行の一括挿入もできます。ポインタ変数と組み合わせて利用することにより、応用プログラムが簡潔化され、保守性が向上します。

なお、標識変数を使用する場合は、構造体型の標識変数を宣言する必要があります。

構造体型ホスト変数を使用する場合は、以下の点に注意してください。

■構造体ホスト変数の使用方

◆データを構造体ホスト変数で取得する例

対話式に情報を入力し、データベースを更新します。

image

(1) 従業員データベース“DB01”の存在するサーバに接続します。

(2) 従業員番号をホスト変数に対話で入力します。

(3) 入力された従業員番号を元に、従業員の氏名、所属、勤続年数を検索します。

(4) 従業員のデータを表示します。

(5) 修正がある場合、修正するデータを入力します。

(6) 従業員データベース“DB01”を更新します。

(7) 従業員データベース“DB01”の存在するサーバとのコネクションを切断します。

#include  <stdio.h>
#include  <string.h>

EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION
    char    SQLSTATE[6];
    char    SQLMSG[256];
            :
    struct {                                              …… (1)
      long    num;
      char    name[21];
      char    atta[41];
      short   year;
    } data;
    short    number;
            :
EXEC SQL END DECLARE SECTION;

short main()
{
            :
    /* データの取得 */
    EXEC SQL SELECT * INTO :data                            …… (2)
            FROM SCH01.TBL01
            WHERE NUMBER = :number;

    return 1;
}

(1) 構造体型のホスト変数を宣言します。

(2) 該当するデータを取得します。

◆ポインタ宣言した構造体変数を使用する例

main関数で取得した10件分のデータ領域に、サブ関数でデータ設定し処理を戻します。main関数では、取得したデータを表示します。

image

(1) 従業員データベース“DB01”の存在するサーバに接続します。

(2) 従業員データベースに対するカーソルを宣言し、オープンします。

(3) 10件分のデータ領域を確保し、サブ関数に渡します。

(4) 10件分のデータを取得し、データ領域に設定します。

(5) main関数に復帰します。

(6) 10件分のデータを表示します。

(7) 従業員データベース“DB01”の存在するサーバとのコネクションを切断します。

short get_10_data( void * );
short set_10_data( void * );

EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
    struct  _tbl {                                         …… (1)
      short    number;
      SQL TYPE IS BLOB(10K)    image1;
      SQL TYPE IS BLOB(10K)    image2;
    };
EXEC SQL END DECLARE SECTION;
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
    char    SQLSTATE[6];
    char    SQLMSG[256];
EXEC SQL END DECLARE SECTION;

short main()
{
            :
    struct  _tbl *buff;
            :
    buff = (struct _tbl *)malloc( sizeof( struct _tbl ) );     …… (2)
            :
    get_10_dat( (void *)buff );                              …… (3)
            :
    set_10_dat( (void *)buff );                              …… (4)
            :
    return 1;
}

short get_10_data( void *data0 )
{
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
    struct  _tbl *outdata;                                 …… (5)
EXEC SQL END DECLARE SECTION;
            :
    outdata = (struct  _tbl *)data0;                        …… (6)
    EXEC SQL SELECT DATANO,IMAGE1,IMAGE2 INTO :outdata        …… (7)
            FROM SCH01.TBL01;
            :
    return 0;
}

short get_10_data( void *data0 )
{
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
    struct  _tbl *indata;                                  …… (8)
EXEC SQL END DECLARE SECTION;
            :
    indata = (struct  _tbl *)data0;                        …… (9)
    EXEC SQL UPDATE SCH01.TBL01 SET IMAGE = :indata->image1   …… (10)
            WHERE DATANO = :indata->datano;
            :
    return 0;
}

(1) 構造体の型を宣言します。

(2) 領域を取得します。

(3) データ領域をデータ取得関数のパラメタに設定し、関数を呼びます。

(4) データ領域をデータ設定関数のパラメタに設定し、関数を呼びます。

(5) 構造体型のホスト変数を定義します。

(6) ホスト変数に領域のアドレスを設定します。

(7) データを取得します。

(8) 構造体型のホスト変数を定義します。

(9) ホスト変数に領域のアドレスを設定します。

(10) データを取得します。

■標識変数の使用方法

構造体ホスト変数を使用する場合、標識変数は以下のようになります。

◆構造体標識変

short型のメンバを持ち、構造体として宣言した変数を、標識変数として指定します。

         :
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
char     SQLSTATE[6];
char     SQLMSG[256];
struct {
long     col1;                                                  (1)
char     col2[21];                                              (2)
char     col3[41];                                              (3)
short    col4;                                                  (4)
} data;
struct {
short     ind1;                                                 (5)
short     ind2;                                                 (6)
short     ind3;                                                 (7)
short     ind4;                                                 (8)
} indi;
EXEC SQL END DECLARE SECTION;
       :
EXEC SQL SELECT COL01, COL02, COL03, COL04
        INTO :data :indi
        FROM SCH01.TBL01
        WHERE DATANO = 1;
             :

(1)のメンバに対応する標識変数は(5)になります。

同様に(2)−(6)、(3)−(7)、(4)−(8)が対応します。

◆配列指定の標識変

short型の配列指定の変数1つをメンバとする構造体型の変数を標識変数とし、配列の要素数はホスト変数のメンバ数と同じとします。

           :
EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
charSQLSTATE[6];
charSQLMSG[256];
struct {
long     col1;                                                  (1)
char     col2[21];                                              (2)
char     col3[41];                                              (3)
short    col4;                                                  (4)
} data;
struct {
short    ind[4];                                                (5)
} indi;
EXEC SQL END DECLARE SECTION;
         :
EXEC SQL SELECT COL01, COL02, COL03, COL04
        INTO :data :indi
        FROM SCH01.TBL01
        WHERE DATANO = 1;
         :

(1)のメンバに対応する標識変数は(5)のindi.ind[0]です。

同様に(2)−indi.ind[1]、(3)−indi.ind[2]、(4)−indi.ind[3]が対応します。

複数行の一括挿入

配列指定された構造体型のホスト変数を使用することで、複数行のデータを一括挿入することができます。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 2003-2004