Symfoware(R) Server RDBユーザーズガイド 応用プログラム開発編 - FUJITSU -
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上へ第2章 データベースを処理する応用プログラムの開発の概要
上へ2.1 SQL埋込みCプログラムの作成方法

2.1.4 SQL文の処理結果の確認

応用プログラムはSQL文を実行したあと、実行結果を確認して処理を進めて行くことが必要です。このSQL文の実行結果を確認する方法には、以下の2とおりがあります。

  1. 状態変数の内容をチェックします。状態変数の変数名は“SQLSTATE”です。

  2. 埋込み例外宣言(WHENEVER文)によって、SQL文の処理にエラーがあった場合、または、検索データが見つからなかった場合の処理を指定しておきます。

aの方法は、SQLSTATEに通知される実行結果を判定しながら処理を進める方法です。各SQL文の実行ごとに、実行結果をSQLSTATEに通知します。SQLSTATEに通知される値とその意味は、“SQLSTATE値”に示します。

bの方法は、あらかじめ、ある条件(エラーまたは検索データが見つからない)とその条件が発生したときの処理を指定しておく方法です。これによって、SQL文の実行ごとにチェックしなくても済みます。本項では、WHENEVER文の指定方法を説明します。

■埋込み例外宣(WHENEVER)の指定方法

埋込み例外宣言は、SQL文が例外条件を生じた場合に実行する処理を指定するSQL文です。埋込み例外宣言の指定例を以下に示します。

例1

データなし以外のエラーが発生した場合には、ERR001へ進むことを指定します。

EXEC SQL  WHENEVER   SQLERROR   GOTO   :ERR001;
                        (1)          (2)

(1) 条件

(2) 例外動作

 

例2

検索の結果データが見つからない場合に、処理をそのまま続行することを指定します。

EXEC SQL  WHENEVER  NOT  FOUND   CONTINUE;
                       (1)          (2)

(1) 条件

(2) 例外動作

条件は、以下の2とおりの指定ができます。

NOT FOUND:
検索データが見つからない場合に指定の例外動作を行います。
SQLERROR:
“検索データが見つからない”以外の例外(エラー)が発生した場合に指定の例外動作を行います。

例外動作は、以下の2とおりの指定ができます。

CONTINUE:
次のステートメントに進みます。
GOTO <行き先>:
行き先で指定のステートメントに進みます。ここで、<行き先>は、制御を移す先の文に付けられた名札(ラベル)の前にコロン“:”を付けて指定します。

 

例3

SQL埋込みCプログラムで、SQL文にエラーが発生した場合には、P_ERRORへ進み、変数rcodeに8を設定することを指定します。

EXEC SQL WHENEVER SQLERROR GOTO :P_ERROR ;
       :
P_ERROR: rcode = 8 ;

WHENEVERは複数個宣言することができます。条件の同じWHENEVER文を指定した場合、応用プログラム中での記述順序があとの宣言が有効になります。実行の順序とは関係ありません。

図:WHENEVER文を使用した応用プログラムの例に、WHENEVER文の有効範囲の例を示します。

[図:WHENEVER文を使用した応用プログラムの例]

image

(1) SQL文の実行でNOT FOUND以外のエラーが生じた場合にP_ERRORへ進み、エラー情報を出力しプログラムは終了します。

(2) カーソル“CU1”の操作でNOT FOUND(検索データが見つからない)が生じた場合にP_NEXTへ進みカーソル“CU1”のクローズと在庫数量の出力を行います。

(3) カーソル“CU2”の操作でNOT FOUND(検索データが見つからない)が生じた場合にP_ENDへ進みカーソル“CU2”のクローズと発注数量の出力を行い、プログラムは終了します。


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