TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド |
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第11章 エンタープライズの管理 |
Solarisをご利用の場合の、エンタープライズシステムの留意事項について、以下に示します。
◆"xaudio"サービスの停止
Solaris 2.6 オペレーティングシステム以降には、“xaudio / X Audio Server” と呼ばれるサービスがあります。このサービスは、1103番のTCP ポート番号を使用します。エンタープライズディレクトリは、他サイトのエンタープライズディレクトリとの検索要求の中継に同じポート番号を使用します。
このため、エンタープライズディレクトリをSolaris 2.6 以降で使用する場合は、“xaudio”サービスを未稼働にする必要があります。
“xaudio”サービスを未稼働にするには、/etc/inet/servicesファイルまたは/etc/inet/inetd.confファイル中の“xaudio”行を削除するか、コメントにしてから、inetdにSIGHUPシグナルを送るか、OSを再起動します。◆エンタープライズディレクトリ用カーネルパラメータ(IPC Messages)の設定
エンタープライズディレクトリは、システム資源(IPC Messages)を使用します。そのため、エンタープライズディレクトリの利用率に応じて、カーネルパラメータ(IPC Messagesパラメータ)を設定する必要があります。
なお、IPC Messagesパラメータを設定する前にエンタープライズディレクトリ同時アクセス数を計算しておく必要があります。
エンタープライズディレクトリ同時アクセス数算出式
エンタープライズディレクトリ同時アクセス数算出式(以降、同時アクセス数と略します)を、以下に示します。
同時アクセス数(注1) = サイト内全TeamWARE Officeセション数(注2) × 0.3注1)同時アクセス数が100以下になった場合は100、300以上になった場合は300とします。注2)TeamWARE Office にログインしているユーザの数(利用数が一番多い時間帯のログイン数)です。IPC Messagesパラメータ算出式
IPC Messagesパラメータ算出式を、以下に示します。なお、算出した値が、すでに設定されている値より小さい場合は、そのパラメータは変更しないでください。
- MSGMNB =同時アクセス数×10,000(注1)
- MSGSSZ = MSGMNB/MSGSEG(注2)
- MSGSEG = 32,767 固定 (Solaris)
- MSGTQL = 同時アクセス数×6 (Solaris)
注1)MSGSSZ×MSGSEG以内にします。
注2)4の倍数にします。最低値は40です。
同時アクセス数が300の場合の計算例を、以下に示します。
MSGMNB = 300(同時アクセス数) ×10,000 = 3,000,000
MSGSSZ = 3,000,000/32,767 -> 92 (Solaris)
MSGSEG = 32,767固定 (Solaris)
MSGTQL = 300×6 = 1,800 (Solaris)
IPC Messagesパラメータの設定方法
Solarisの場合、IPC Messagesパラメータの設定は、/etc/systemファイルへ修正文を追加して行います。
Solarisで“MSGMNB = 3,000,000”に設定する場合の例を、以下に示します。
set msgsys:msginfo_msgmnb = 3000000
IPC Messagesパラメータの詳細
IPC Messagesの各パラメータの詳細について、以下に示します。
- MSGMNB
- 1つのメッセージキューで使用できる最大バイト数を設定します。
エンタープライズディレクトリでは、1回の送信(msgsnd)最大サイズは約1,000バイトです。内部処理では、同一メッセージキューに対し、最大連続2回送信するので、資源が2倍必要になります。
全体でIPCメッセージキューを5個使用しますので計算式上、さらに5倍する必要があります。
同時アクセス数×10,000 = 1,000×2×5 = MSGMNB
- MSGSSZ
- 1セグメントのサイズです。IPCで使用するメッセージキューバッファ領域は、セグメントという単位で分割されています。
エンタープライズディレクトリでは、1回の送信(msgsnd)最小サイズが40バイトのため、40を最低値としています。 最小値の40バイトでMSGMNB分の領域が確保できない場合、領域を確保できるような値を設定する必要があります。 ただし、4の倍数である必要があります。
- MSGSEG
- セグメント数の最大値です。
MSGMNBの値は、“MSGMNB = MSGSSZ×MSGSEG”で求めることができます。そのため、MSGSEGは“MSGSEG = MSGMNB / MSGSSZ”で求めることができます。
なお、エンタープライズディレクトリでは、クライアント数が上昇するとすぐに最大値に到達するため、セグメントの最大値である32767を設定しています。
- MSGTQL
- メッセージのヘッダ数です。1つのメッセージにつきヘッダを1つ使用します。
エンタープライズディレクトリでは、1クライアントのアクセス時に使用するメッセージは6つですので6倍します。
MSGTQL=同時アクセス数×6
- MSGMNI
- システムで使用するメッセージキューの数です。
エンタープライズディレクトリでは、5個使用します。デフォルト値(50)で問題ありません。
- MSGMAP
- 各メッセージのマップを管理するテーブル数です。
デフォルト値で問題ありません。
- MSGMAX
- 1メッセージの最大長です。
エンタープライズディレクトリでの1メッセージの最大長は、最大984バイトです。デフォルト値(2048バイト)以下ですので、設定を変更する必要はありません。
◆エンタープライズディレクトリの属性変更(個人カレンダーの利用許可)
既存エンタープライズシステム(複数サイト)のエンタープライズマスターサイトをアップグレードした場合は、エンタープライズマスターサイトにおいて、"toi5mgmt -twcas"コマンドを実行してください。
本コマンドの実行を行わなかった場合、個人カレンダーの利用許可の変更時に、LDAPエラーの159が発生する可能性があります。
toi5mgmtコマンドを実行する場合は、配下の全エリアメンバーサイトが起動されている必要があります。
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