Interstage Service Integrator 解説書
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第1章 ISIのご紹介> 1.2 ISIの主な機能

1.2.1 インタフェース調整機能

連携する各サービスが要求するデータと、クライアントアプリケーションのデータの対応づけを設計するのがインタフェース調整です。
サービスのインタフェース調整には、以下の問題があります。

例をあげると、サービスが要求する項目の1つに“address”と書かれていた場合、サービスリクエスタの住所のことなのか、IPアドレスのことなのかわからないという問題が発生します。
問題を解決するために、中央に“共通フォーマット”を置きます。共通フォーマットは、利用するサービスのすべての項目の重複を排除したものです。
下図のように、各サービスのインタフェースと、共通フォーマットを調整するため、調整の回数が減少します。また、新たなサービスが追加されても、新サービスと共通フォーマットのインタフェース調整をするだけです。
共通フォーマットにXMLを使用することで、項目追加にも一層強くなります。

[図:インタフェース調整機能の役割り]

しかし、これですべての問題が解決するわけではありません。
共通フォーマットの“維持・管理”に労力がかかるという問題があります。
ISIは、もう一歩踏込み、インタフェース調整の期間短縮、担当者の負荷軽減を実現するために、以下の機能を提供します。

■フォーマット取込み

アプリケーションのインタフェース仕様には、さまざまな形式があります。
Webサービスの場合はWSDLが一般的ですが、既存のアプリケーションの場合は、EXCEL(CSV)、DTD、XML Schema、RDB Schema、またCOBOLのCOPY句などがあります。インタフェースの調整担当者は、多種多様なデータを参照しなければなりません。
ISIは、インタフェースの調整担当者の負荷を軽減するため、これらを1種類で参照する仕組みを提供します。CSV、DTD、XML Schema、RDB Schema、COPY句を読み込んで、フォーマットを一元管理できます。また、読み込んだデータを印刷することもできます。これにより、インタフェースの調整担当者は、すべてのサービスのデータ項目を同じ形式で参照できます。

■FLATフォーマット変換

一般的なESB製品は、XML形式のデータフォーマットだけしか扱えません。ISIは、固定長フォーマットやCSVフォーマット(以降、FLATフォーマットと略します)をそのままの形式で扱うことができます。
XMLは、サービス間でデータをやりとりする際に理想に近い形をしていると言われていますが、多くの既存システムには、FLATフォーマットも多く残されています。
ISIは、FLATフォーマットを直接入出力する機能を提供しています。FLATフォーマットをそのまま扱うことができるため、幅広いインタフェースフォーマットを対象とすることができます。

■シミュレーション機能

インタフェース調整が正しく行われていることを設計段階で確認するためのシミュレーション機能を提供しています。テスト環境が整備される前に、パソコンを使用して項目ごとに変換結果が確認できるため、設計の手戻りを早期に防ぐことができます。

[図:インタフェースの調整担当者の負荷軽減のしくみ]


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