PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 4.1 (伝送路二重化機能編) - Solaris (TM) オペレーティングシステム版 -
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付録D その他> D.2 トラブルシューティング> D.2.8 切替え後の再接続が遅い(クラスタ構成の場合)

D.2.8.1 ノード切替え後にIPv6引継ぎアドレスによる通信が可能となるまで時間がかかる

現象
他システムとの通信中に手動でノード切替えを行った場合、切替え前に通信を行っていた他システムからIPv6引継ぎアドレスに対する通信が可能となるまでに時間がかかる。
原因および対策
ノード切替えによりノード間でIPv6アドレスの引継ぎが行われた場合、切替え前に通信を行っていた他システムではIPv6引継ぎアドレスに対するリンク層アドレスが変更されたことが即座に認識できず、通信が可能となるまでにおよそ30秒程度かかる場合があります。この場合、運用ノード/待機ノードの双方であらかじめin.ripngd (IPv6ルーティングデーモン) を起動しておくことでノード切替え後、即座に通信を継続させることができます。他システムからIPv6引継ぎアドレスに対するパケットは、ノード切替え前のリンク層アドレスに対して送信されますが、このパケットは切替え前のノードから切替え後のノードに中継されると共に、送信元に対してICMPリダイレクトメッセージが通知されます。
in.ripngdは、/etc/inet/ndpd.confファイルを作成することでシステム起動時に自動的に起動されます。ただし、この場合はIPv6の経路情報が隣接ルータに対して広報されます。IPv6の経路情報の広報を行いたくない場合については、以下の手順にてipのパラメタを設定後、-qオプションを指定してin.ripngdを起動してください。なお、以下の手順は実行後すぐに有効となるため、システムのリブートは不要です。

Solaris 9 OS以前の場合:
# /usr/sbin/ndd -set /dev/ip ip6_forwarding 1
# /usr/sbin/ndd -set /dev/ip ip6_send_redirects 1
# /usr/sbin/ndd -set /dev/ip ip6_ignore_redirect 1
# /usr/lib/inet/in.ripngd -q

Solaris 10 OS以降の場合:
# /usr/sbin/routeadm -e ipv6-forwarding
# /usr/sbin/routeadm -e ipv6-routing
# /usr/sbin/routeadm -s ipv6-routing-daemon="/usr/lib/inet/in.ripngd"
# /usr/sbin/routeadm -s ipv6-routing-daemon-args="-q"
# /usr/sbin/routeadm -u



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