PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版) |
目次
![]() ![]() |
付録A 留意事項 | > A.2 注意事項 |
FC-AL内蔵ディスクを交換すると、交換したディスクのデバイス番号が変更される場合があります。このため、GDS運用管理ビューの[物理ディスク交換]と[物理ディスク復旧]、またはsdxswapコマンドを使用する物理ディスク交換手順では、FC-AL内蔵ディスクは交換できません。FC-AL内蔵ディスクを交換する場合は、当該ディスクをクラスから一旦削除してからディスク装置を交換し、交換したディスクをクラスに再度登録してください。
以下に、例として、ミラーグループに接続されているFC-AL内蔵ディスクの交換手順を示します。この例では、ミラーリングされているディスクを交換するため、交換前にディスク上のボリュームを削除する必要はありません。シングルディスクの場合や、最上位グループがミラーグループ以外の場合など、ミラーリングされていないディスクを交換する場合は、交換前にディスク上のボリュームを削除する必要があります。
この場合、必要に応じてボリュームのデータをバックアップしてからボリュームを削除し、ディスクをクラスから削除し、交換したディスクをクラスに登録した後、ボリュームの再作成とデータのリストアを行う必要があります。
/var/adm/messagesファイルに出力されているGDSのI/Oエラーメッセージから、故障したディスクのデバイス名(devname)を確認します。
GDSのI/Oエラーメッセージは、文字列sfdskをキーにして検索することができます。以下の例では、デバイス名はssd@w210000203716ee10です。
WARNING: sfdsk: write error on mirror slice: |
交換するディスク(故障したディスク)の物理ディスク名を確認します。
grepコマンドの引数には、手順1で確認したデバイス名を指定します。
以下の例では、物理ディスク名はc2t4d0です。
# ls -l /dev/rdsk | grep ssd@w210000203716ee10 lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s0 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:a,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s1 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:b,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s2 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:c,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s3 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:d,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s4 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:e,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s5 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:f,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s6 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:g,raw lrwxrwxrwx 1 root root 78 Feb 3 18:49 c2t4d0s7 -> ../../devices/sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w210000203716ee10,0:h,raw |
交換するディスクのディスク名、クラス名、グループ名を確認します。
sdxinfo -Dコマンドを実行し、手順2で確認した物理ディスク名がDEVNAMフィールドに表示されている行の、NAME, CLASS, GROUPフィールドでディスク名、クラス名、グループ名を確認します。
以下の例では、物理ディスクc2t4d0のディスク名はDisk2、クラス名はClass1、グループ名はGroup1です。
# sdxinfo -D OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------- ------ ------- ------- ------- -------- -------------- -------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 c0t0d0 17682084 Node1 ENABLE disk Disk2 mirror Class1 Group1 c2t4d0 17682084 Node1 ENABLE |
交換するディスクをグループから切断します。
sdxdisk -Dコマンドの-c, -g, -dオプションでは、手順3で確認したクラス名、グループ名、ディスク名を指定します。
# sdxdisk -D -c Class1 -g Group1 -d Disk2 |
交換するディスクがグループから切断されたことを確認します。
sdxinfo -Dコマンドを実行し、切断されたディスクの物理ディスク名がDEVNAMフィールドに表示されている行のGROUPフィールドに、アスタリスク(*)が表示されることを確認します。
# sdxinfo -D OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ----- ------- ------- ------- ------- ------- --------- -------------- ------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 c0t0d0 17682084 Node1 ENABLE disk Disk2 mirror Class1 * c2t4d0 17682084 Node1 ENABLE |
交換するディスクをクラスから削除します。
sdxdisk -Rコマンドの-c, -dオプションでは、手順3で確認したクラス名、ディスク名を指定します。
# sdxdisk -R -c Class1 -d Disk2 |
交換するディスクがクラスから削除されたことを確認します。
sdxinfo -Dコマンドを実行し、削除されたディスクの情報が表示されないことを確認します。
# sdxinfo -D OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------- ------- ------- ------- ------- -------- ------------- ------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 c0t0d0 17682084 Node1 ENABLE |
システムを停止します。
# shutdown -y -i0 -g0 |
ディスクを交換します。
当社技術員(CE)にディスク装置の交換を依頼します。
CEは以下の手順でディスク装置を交換します。
交換するディスクに記載されているWWN (World Wide Name)を控えます。
OpenBootのauto-boot?変数の設定を確認し、auto-boot?変数にtrueが設定されている場合は、falseに変更します。
本体装置の電源を切断します。
ディスクを交換します。
本体装置の電源を投入します。
手順9の2でauto-boot?をfalseに変更した場合、auto-boot?をtrueに変更します。
システムを起動します。
FC-ALディスクには、ディスクごとに固有のWWN (World Wide Name)が割り付けられており、Solaris(TM)オペレーティングシステムはこのWWNを管理情報として使用しています。交換したディスクのWWNをSolaris(TM)オペレーティングシステムに認識させるために、boot -rコマンドで起動する必要があります。
ok boot -r |
当社技術員(CE)と、交換したディスクがSolaris(TM)オペレーティングシステムに認識されていることと、交換したディスクの物理ディスク名を確認します。
以下の例では、WWNは0020370e35e5であり、物理ディスク名はc2t4d0です。
# format Searching for disks...done AVAILABLE DISK SELECTIONS: 0. c2t4d0 <sfdsk type1.0; SUN9.0G cyl 4924 alt 2 hd 27 sec 133> 00100004 /sbus@2,0/SUNW,socal@d,10000/sf@1,0/ssd@w21000020370e35e5,0 Specify disk (enter its number): |
GDSが管理しているディスクはformatコマンドでは表示されません。
交換したディスクのデバイス特殊ファイルが存在することを確認します。
lsコマンドの引数では、手順11で確認した物理ディスク名の最後にアスタリスク(*)を付加したものを指定します。
# cd /dev/rdsk # ls -lL c2t4d0* crw-r----- 1 root sys 118, 32 Feb 3 17:09 c2t4d0s0 crw-r----- 1 root sys 118, 33 Feb 3 13:21 c2t4d0s1 crw-r----- 1 root sys 118, 34 Feb 3 17:09 c2t4d0s2 crw-r----- 1 root sys 118, 35 Feb 3 13:21 c2t4d0s3 crw-r----- 1 root sys 118, 36 Feb 3 13:21 c2t4d0s4 crw-r----- 1 root sys 118, 37 Feb 3 13:21 c2t4d0s5 crw-r----- 1 root sys 118, 38 Feb 3 13:21 c2t4d0s6 crw-r----- 1 root sys 118, 39 Feb 3 15:35 c2t4d0s7 |
クラスタシステムの場合、以下の手順により、交換したディスクのリソースを再作成します。
クラスタシステムではない場合は、手順14以降の作業を実施してください。
交換前のディスクのリソースを確認します。
ノードNode1に接続されている、手順2で確認した交換前のディスクc2t4d0のリソースが、clgettreeコマンドで表示されることを確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree Cluster 1 cluster Domain 2 Domain0 ~ Node 3 Node1 ON ~ DISK 33 c2t4d0 UNKNOWN ~ |
交換前のディスクのリソースを削除します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/cldeldevice -n c2t4d0 |
交換前のディスクのリソースが削除されたことを確認します。
手順13の1で確認したリソースが表示されないことを、clgettreeコマンドで確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree Cluster 1 cluster Domain 2 Domain0 ~ Node 3 Node1 ON ~ |
交換後のディスクのリソースを作成します。
クラスタシステムを構成する任意の1ノードで以下のコマンドを実行します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -r |
交換後のディスクのリソースが作成されたことを確認します。
手順11で確認した交換後のディスクc2t4d0のリソースが、clgettreeコマンドで表示されることを確認します。
# /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree Cluster 1 cluster Domain 2 Domain0 ~ Node 3 Node1 ON ~ DISK 44 c2t4d0 UNKNOWN ~ |
交換したディスクをクラスに登録します。
sdxdisk -Mコマンドの-cオプションでは、手順3で確認したクラス名を指定します。-dオプションでは、手順11で確認した物理ディスク名と手順3で確認したディスク名を指定します。
# sdxdisk -M -c Class1 -d c2t4d0=Disk2 |
交換したディスクがクラスに登録されたことを確認します。
# sdxinfo -D OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------- ------ ------- ------- ------- -------- ------------ ------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 c0t0d0 17682084 Node1 ENABLE disk Disk2 mirror Class1 * c2t4d0 17682084 Node1 ENABLE |
交換したディスクをグループに接続します。
sdxdisk -Dコマンドの-c, -g, -dオプションでは、手順3で確認したクラス名、グループ名、ディスク名を指定します。
# sdxdisk -C -c Class1 -g Group1 -d Disk2 |
交換したディスクがグループに接続されたことを確認します。
# sdxinfo -D OBJ NAME TYPE CLASS GROUP DEVNAM DEVBLKS DEVCONNECT STATUS ------ ------ ------ ------- ------- -------- -------- ------------- ------- disk Disk1 mirror Class1 Group1 c0t0d0 17682084 Node1 ENABLE disk Disk2 mirror Class1 Group1 c2t4d0 17682084 Node1 ENABLE |
交換したディスクをグループに接続すると、交換したディスクに対して等価性回復コピーが実行されます。
sdxinfo -Sコマンドを実行し、交換したディスクのディスク名がDISKフィールドに表示されている行のSTATUSフィールドに、COPYと表示されているときは、等価性回復コピーが実行されています。等価性回復コピーが完了すると、STATUSフィールドにACTIVEと表示されます。
# sdxinfo -S OBJ CLASS GROUP DISK VOLUME STATUS ----- ------- ------- ------- ------- -------- slice Class1 Group1 Disk1 Volume1 ACTIVE slice Class1 Group1 Disk1 Volume2 ACTIVE slice Class1 Group1 Disk2 Volume1 COPY slice Class1 Group1 Disk2 Volume2 COPY |
目次
![]() ![]() |