PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版) |
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第1章 機能 | > 1.5 プロキシボリューム |
プロキシボリュームによるスナップショット機能を使用して、システム運用中に、現在のブート環境(現用ブート環境)に影響を与えずに、別のブート環境(代替ブート環境)を作成することができます。代替ブート環境を利用することにより、システムボリューム(/, /usr, /var, スワップ域)のバックアップおよびリストアの作業に伴うシステム停止時間を、大幅に削減することができます。また、システムボリュームの構成変更、パッチ適用などのシステム変更作業において、システムや業務の停止時間を削減することも可能です。
代替ブート環境は、GDS Snapshotのコマンドを使用して、以下の手順で作成します。
システムボリュームのスナップショット作成
プロキシボリュームを使用して、現用ブート環境のシステムボリュームのスナップショットを作成します。スナップショットの作成は、システム運用中に実行できます。
代替ブート環境の設定
現用ブート環境のシステムボリュームの代わりにスナップショットのボリューム(プロキシボリューム)を使用してシステムを起動できるように設定します。この設定では、スナップショット作成時にルートボリューム(/)からプロキシボリュームにコピーされた /etc/vfstab ファイルや /etc/system ファイルなどが変更されます。現用ブート環境は変更されません。
代替ブート環境のブートデバイス名を指定してリブートするだけで、代替ブート環境に切り替えることができます。また、元のブート環境のブートデバイス名を指定してリブートするだけで、元のブート環境に戻すことができます。
代替ブート環境を利用することにより、以下のようなシステムの保守作業や変更作業において、システムおよび業務の停止時間を削減することができます。
システムのバックアップ
代替ブート環境は、システムのバックアップとみなすことができます。代替ブート環境の作成はシステム運用中に実行できるため、バックアップ作業に伴うシステム停止が不要になります。
システム異常時のリストア
システムディスクの故障やデータ破壊などによってシステムが起動できなくなった場合、代替ブート環境に切り替えるだけで、システムの運用再開が可能です。また、代替ブート環境でシステムを運用しながら、代替ブート環境のデータを用いて元のシステムのデータをリストアし、リブートするだけで元のブート環境に戻すことができます。
システムの変更
代替ブート環境を作成し、代替ブート環境に切り替えることによって、システムボリュームのディスク構成を変更することができます。また、システム運用中に、代替ブート環境で使用するボリュームに対して、容量拡張、パッチ適用などを実施することができます。これらの作業は、システム運用中に実行でき、現用ブート環境には影響を与えません。代替ブート環境の起動が失敗したり、代替ブート環境の動作に問題がある場合は、リブートするだけで現用ブート環境に戻すことができます。
代替ブート環境の使用例として、「代替ブート環境を使用したシステムディスクのバックアップとリストア」と「コマンドによるシステムボリュームの拡張」を参照してください。
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