SSF/Backup Facility 運用手引書
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付録A SPアシスタント

A.1 ランチャ機能

SPアシスタントのランチャ機能は、搭載ソフトウェアの管理機能(ETERNUSmgr、Softek AdvancedCopy Managerなど)を呼び出す機能です。

SPアシスタントのランチャ機能から以下に示す機能を呼び出すことができます。

機能

概要

バックアップ/リストア

SSF/Backup Facilityによるダイレクトバックアップ運用の管理を行う機能です。

RAID管理機能

ETERNUS3000/6000,GR series内の論理ユニットの構成管理を行う機能です。

コマンドログイン

SSF/Backup Facilityへtelnetでloginする機能です。
クラスタ構成の場合は、運用ノードへloginします。

クラスタ管理

SSF/Backup Facilityのクラスタの管理機能です。

ノードメンテナンス

SSF/Backup Facilityのリモートコンソールへtelnetでloginする機能です。
クラスタ構成の場合は、各ノードのリモートコンソールへloginできます。

 

A.1.1 構成 

図1、図2に SPアシスタントの構成を示します。

図2 のように複数のSSF/Backup Facilityが存在する場合は、その中で統括的な役割を果たすSSF/Backup Facilityを“マスタ”、その他のSSF/Backup Facilityを“スレーブ”と呼びます。SSF/Backup Facilityが1台のみの場合には、そのSSF/Backup Facilityが“マスタ”となります。

[1  SSF/Backup Facilityの全体構成とSPアシスタントの位置づけ(単一SSF/Backup Facility環境)]

 

[図2  SSF/Backup Facilityの全体構成とSPアシスタントの位置づけ(複数SSF/Backup Facility環境)]

 

A.1.2 動作環境設定 

SPアシスタントのランチャ機能を利用するために必要な設定および、設定に関する留意事項について説明します。

 

A.1.2.1 ランチャ機能の設 

SPアシスタントのランチャ機能を利用するのに必要な設定について説明します。

SPアシスタントのランチャ機能を利用するためには、そのSSF/Backup Facility自身が、“マスタ”になるのか、または“スレーブ”になるのかを定義しておく必要があります。また、呼び出す各機能のURLやIPアドレスをあらかじめ設定しておく必要があります。

ランチャ機能の設定は、各SSF/Backup Facilityの/sp/uty/conf/flaunch/launcher.conf (以降、launcher.confファイルと呼びます)に記述します。以下に launcher.confファイルの記述例を示します。

  • launcher.confファイルへの初期設定は、導入時にあらかじめ設定されていますが、launcher.confファイルをviエディタなどで編集して設定することも可能です。

 

[launcher.conf記述例]

 

A.1.2.2 launcher.confファイルの書 

launcher.confファイルは、以下の構文規則により記述されます。

[launcher.confのファイルフォーマット]

エントリ

意味

設定値

備考

TYPE

このSSF/Backup Facilityが“マスタ”なのか“スレーブ”なのかを指定します。

MASTER(マスタの場合)

SLAVE(スレーブの場合)

マスタ、スレーブともに必要な設定です。

NODE

両ノードのリモートコンソールのIPアドレスです。

xxx.xxx.xxx.xxx

(各ノードのリモートコンソールのIPアドレス)

マスタ、スレーブともに必要な設定です。

シングル構成の場合、同じ値で2回(2行)記述してください。

CLUSTER_ADM

PRIMECLUSTERを起動する各ノードのIPアドレスです。

xxx.xxx.xxx.xxx

(各ノードのIPアドレス)

マスタ、スレーブともに必要な設定です。

シングル構成の場合、同じ値で2回(2行)記述してください。

シングル構成時のSSF/Backup Facilityで、クラスタ管理の起動操作を抑止したい場合は、本エントリをコメントアウトまたは削除してください。

SLAVE_IP

スレーブのIPアドレスです。

xxx.xxx.xxx.xxx

(スレーブの引継ぎIPアドレス)

SSF/Backup Facilityが1台の時には、本エントリは不要です。

スレーブとなるSSF/Backup Facilityが複数ある場合、マスタとなるSSF/Backup Facilityのlauncher.confファイルに本エントリをスレーブの台数分、定義してください。

BACKUP_RESTORE

Softek AdvancedCopy ManagerのURLです。

[シングル構成の場合]

http://( SSF/Backup FacilityのIPアドレス)/
swstorage/index.html

[クラスタ構成の場合]

http://( SSF/Backup Facilityの引継ぎIPアドレス)/
swstorage/index.html

マスタとなるSSF/Backup Facilityのlauncher.confファイルに必要な設定です。

RAID_ADM

ETERNUSmgrのURLです。

http://...

(ETERNUSmgrの設定に依存します。)

マスタとなるSSF/Backup Facilityのlauncher.confファイルに必要な設定です。

 

  • launcher.confファイルには、上記以外にエントリ「LU_CTRL」の行が含まれますが、この行は編集しないでください。

なお、SSF/Backup Facility 1台で運用の場合、それ自身が“マスタ”となるため、マスタに必要な項目の設定を行う必要があります。ただし、「SLAVE_IP」エントリについては、設定する必要がありません。

 

A.1.2.3 初期設定/設定変更に関する留意事項 

ランチャ機能の初期設定時および設定変更時の留意事項について説明します。

 

■マスタ/スレーブの設定

複数のSSF/Backup Facilityが存在する環境でマスタ/スレーブの決定をする際には、各ドメインに対して1台のSSF/Backup Facilityをマスタ、残りのSSF/Backup Facilityをスレーブとすることを推奨します。
このドメインとは、Storage管理サーバが管理するSSF/Backup Facilityの集合を指します。

複数のドメイン間をまたいでマスタ/スレーブを設定すると、スレーブが管理されているSoftek AdvancedCopy Manager を呼び出せないので注意が必要です。

なお、Storage管理サーバ側でSSF/Backup Facilityの追加・削除・変更があった場合には、launcher.confファイルの設定も変更する必要があります。

SSF/Backup Facilityのマスタに変更があった場合には、launcher.confファイルの「TYPE」エントリおよび「SLAVE_IP」エントリを変更に合わせて修正してください。

スレーブとなるSSF/Backup FacilityのIPアドレスが変更された場合、launcher.confファイルの「SLAVE_IP」エントリの設定値を変更に合わせて修正してください。

 

■各呼び出し機能のURLの確認

launcher.confファイル内において、各機能のURL指定に誤りがあった場合には、Webブラウザに各機能の初期画面が表示されません。誤った画面が表示されたり、URLが見つからずにタイムアウトしてしまった場合には、launcher.confファイルのURLの設定に誤りがないか確認してください。

 

A.1.3  SPアシスタントの呼び出 

SPアシスタントをWebブラウザから呼び出す方法について説明します。

SPアシスタントを呼び出すには以下の手順で行います。

  1. マスタでのスレーブ情報の取得
  2. SPアシスタントのランチャ機能画面の呼び出し

A.1.3.1 マスタでのスレーブ情報の取得 

複数のSSF/Backup Facility環境でマスタ/スレーブを定義している場合、マスタのSSF/Backup Facility上でスレーブの起動情報を取得する必要があります。

起動情報の取得にはマスタのSSF/Backup Facility上で、スレーブ情報取得コマンド(/opt/FJSVsputl/bin/getsldefコマンド。以降、getsldefコマンドと呼びます)を実行します。以下の場合は必ずgetsldefコマンドを実行してください。

  • getsldefコマンドを利用して、各SSF/Backup Facilityの情報を取得した場合には、再度WebブラウザからSPアシスタントの呼び出しをしてください。

 

A.1.3.2 SPアシスタントのランチャ機能画面の呼び出し

SPアシスタントのランチャ機能の画面を呼び出すには、WebブラウザからマスタとなるSSF/Backup FacilityのURLを指定することにより呼び出すことができます。
マスタとなるSSF/Backup FacilityのURLの指定から画面の表示までの流れは、以下のとおりです。

  1. SPアシスタントの呼び出し
  2. SPアシスタント利用のためのユーザ認証
  3. SPアシスタントのランチャ機能画面の表示

 

これらの各処理について、以下に説明します。
  1. SPアシスタントの呼び出し

    操作端末のWebブラウザを用いてマスタとなるSSF/Backup FacilityのURLを指定し、SPアシスタントを呼び出します。URL指定は以下のようになります。

  2. SPアシスタント利用のためのユーザ認証

    SPアシスタントのURLアドレスを指定し当該アドレスへ移動すると、以下のようなユーザ認証画面が表示されます。ユーザ名とパスワードを入力してください。

    SSF/Backup Facilityでは、Webサーバとして、Solaris OSに標準添付されているapacheを使用します。なお、パスワードの変更は、apache の htpasswdコマンドを利用します。

    • パスワードの変更方法の詳細については、apacheのオンラインマニュアルを参照してください。
  3. SPアシスタントのランチャ機能画面の表示

    ユーザ認証が正常に終了すると、以下に示すようなWebブラウザ内にSPアシスタントのランチャ機能の画面が表示されます。
    なお、SPアシスタントのランチャ機能の画面を終了させるには、SPアシスタントの表示されているブラウザを終了します。

     

    SPアシスタントのランチャ機能の画面は、以下のエリアから構成されています。

 

A.1.4 各機能の呼び出し 

SPアシスタントのランチャ機能画面から各機能を呼び出す手順について説明します。

機能選択エリアのメニューに対応して呼び出される機能は、以下の表のとおりです。

[ SPアシスタントのランチャ機能画面から呼び出される機能]

機能選択エリアのメニュー

呼び出される機能

バックアップ/リストア

Softek AdvancedCopy Manager

RAID管理機能

ETERNUSmgr

コマンドログイン

[シングル構成の場合]
SSF/Backup Facilityへ telnet接続

[クラスタ構成の場合]
SSF/Backup Facilityの運用ノードへ telnet接続

クラスタ管理

PRIMECLUSTER

ノードメンテナンス

[シングル構成の場合]
SSF/Backup Facilityのリモートコンソールへtelnet接続

[クラスタ構成の場合]
SSF/Backup Facilityの各ノードのリモートコンソールへtelnet接続

 

A.1.4.1 バックアップ/リストア 

バックアップ/リストアを行うSoftek AdvancedCopy Manager の呼び出しは、以下の手順で行います。

  1. 「機能の選択」エリアで、[バックアップ/リストア]をクリックして選択します。
  2. [実行]ボタンをクリックします。
    [実行]ボタンをクリックすると、以下に示すようなSoftek AdvancedCopy Managerの認証ダイアログボックスが表示されます。Softek AdvancedCopy Managerの認証機構で登録済のユーザ名とパスワードを入力し、[OK]を選択してください。

     

  3. Softek AdvancedCopy Managerのユーザ認証後、以下に示すようなSoftek AdvancedCopy Manager の初期画面が表示されます。

    • Softek AdvancedCopy Manager の初期画面、ユーザ認証の詳細については『Softek AdvancedCopy Manager 使用手引書』の「1.2 初期画面」を参照してください。

 

A.1.4.2 RAID管理機能 

ETERNUS3000/6000,GR seriesのRAIDを管理するETERNUSmgrの呼び出しは、以下の手順で行います。

  1. 「機能の選択」エリアで、[RAID管理機能]をクリックして選択します。
  2. [実行]ボタンをクリックします。[実行]ボタンをクリックすると、以下に示すようなRAID管理を行う ETERNUSmgr の画面が表示されます。

    • ETERNUSmgrの詳細については、『ETERNUSmgrユーザガイド 設定/保守編』を参照してください。

     

     

A.1.4.3 コマンドログイン 

SSF/Backup Facilityに対するコマンドレベルの操作を行うlogin画面の呼び出しは、以下の手順で行います。

  1. 「機能の選択」エリアで[コマンドログイン]をクリックして選択します。
    [コマンドログイン]を選択すると、「SPシリーズの選択」エリアが選択可能になります。
  2. 「SPシリーズの選択」エリアで、loginするSSF/Backup Facilityをクリックして選択します。
  3. [実行]ボタンをクリックします。[実行]ボタンをクリックすると、login画面が表示されます。

 

A.1.4.4 クラスタ管理 

SSF/Backup Facilityのクラスタ構成を管理するPRIMECLUSTERの管理画面の呼び出しは、以下の手順で行います。

  1. 「機能の選択」エリアで[クラスタ管理]をクリックして選択します。
    [クラスタ管理]を選択すると、「SPシリーズの選択」エリアが選択可能になります。
  2. 「SPシリーズの選択」エリアで操作を行うSSF/Backup Facilityをクリックして選択します。
    SSF/Backup Facilityを選択すると、「ノードの選択」エリアが選択可能になります。
  3. 「ノードの選択」エリアで、クラスタ管理画面を呼び出すノードをクリックして選択します。
  4. [実行]ボタンをクリックします。[実行]ボタンをクリックすると、以下に示すようなPRIMECLUSTERの画面が表示されます。

  • クラスタ管理は、SSF/Backup Facilityがシングル構成の場合は呼び出すことができません。

 

 

 

A.1.4.5 ノードメンテナンス

各SSF/Backup Facilityにおけるそれぞれのノードのlogin画面呼び出しは、以下の手順で行います。

  1. 「機能の選択」エリアで[ノードメンテナンス]をクリックして選択します。
    [ノードメンテナンス]を選択すると、「SPシリーズの選択」エリアが選択可能になります。
  2. 「SPシリーズの選択」エリアでloginするSSF/Backup Facilityをクリックして選択します。
    SSF/Backup Facilityを選択すると、「ノードの選択」エリアが選択可能になります。シングル構成では一つのノード、クラスタ構成では二つのノードが選択可能になります。
  3. 「ノードの選択」エリアでloginするノードをクリックして選択します。
  4. [実行]ボタンをクリックします。[実行]ボタンをクリックすると、login画面が表示されます。

 


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