PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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付録F リファレンスマニュアル> F.2 GFS 共用ファイルシステム専用管理コマンド

F.2.18 sfcproxyjoin(1M) 高速バックアップ・リストアのための関連付けの設定

◆形式

sfcproxyjoin equiv[alent] -r rel_name [-s] master_raw_device_file=proxy_raw_device_file

sfcproxyjoin equiv[alent] -r rel_name [-s] -f param_file

sfcproxyjoin equiv[alent] -r rel_name [-s] -g raw_device_file master_class.master_group=proxy_class.proxy_group

sfcproxyjoin equiv[alent] -r rel_name [-s] -g master_raw_device_file -f param_file

sfcproxyjoin separate -r rel_name [-s] master_raw_device_file=proxy_raw_device_file

sfcproxyjoin separate -r rel_name [-s] -f param_file

◆機能説明

 sfcproxyjoin は、高速バックアップ・リストアのための、バックアップ元とバックアップ先の関連付けの設定を行います。本機能により、GFS 共用ファイルシステムがマウント状態でも、PRIMECLSUTER Global Disk Service Snapshot を使用して簡単にファイルシステムのスナップショットイメージを作成することができます。

 関連付けにはそれに対応する名前として、関連付け名を指定します。関連付けの設定後、バックアップ・リストア、関連付けの解除など、以後すべての操作はこの関連付け名を指定して実行します。

 EC運用の場合は第一引数に equivalent ( equiv に短縮可能です) を指定します。この時点で組込み操作が行われ、バックアップ元からバックアップ先へのコピーが開始されます。-s オプションを使用しない場合、sfcproxyjoin は実際のコピー処理の完了を待たずに復帰します。また、組込み状態となったバックアップ先のファイルシステムおよびそれを構成するパーティションは、sfcproxyop part による切離し操作を行うか、sfcproxybreak により関連付けを解除するまで使用できなくなります。

 OPC 運用の場合は第一引数に separate を指定します。関連付けが行われ、バックアップ元からバックアップ先へのコピーは行われますが、切り離された状態で sfcproxyjoin が復帰します。コピー操作は論理的に瞬時に行われますが、コピー処理発行の間、バックアップ元のファイルシステム更新操作が一時的にロックされます。-s オプションを指定しない場合、sfcproxyjoin は実際のコピー処理を待たずに復帰します。

 sfcproxyjoin による関連付けにおいて、バックアップ元の GFS 共用ファイルシステムを構成するすべてのパーティションについて、それに対応するバックアップ先のパーティションを設定します。EMC 社ストレージ装置 Symmetrix のハードコピー機能を使用するためには、GDS のボリュームの対でなくグループの対を master と proxy として関連付ける必要があります。この場合は、GFS 共用ファイルシステムを含む GDS のグループとバックアップ先のグループとの対を -g オプションと共に設定します。

 またこの時点で、バックアップ元を master、バックアップ先を proxy として GDS の関連付けを sdxproxy(1M) を使用して設定します。このため PRIMECLSUTER Global Disk Service Snapshot の関連付けのための条件を満たしている必要があります。主な条件について以下に示しますが、詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。

 GDS のボリューム構成についての前提条件を以下に示します。

 ストレージ装置のハードコピー機能を使用するための前提条件を以下に示します。条件を満たさない時は、GDS によりコピーが行われます。

 バックアップ元、バックアップ先のファイルシステムに関しては以下の条件を満たしている必要があります。

 また関連付けの設定時、以下の場合は sfcproxyjoin がエラーとなります。

 関連付けの設定をする際、バックアップ元はファイルシステムが作成されている必要があります。バックアップ先にはファイルシステムが作成されている必要はありません。

◆オプション

 以下のオプションが指定できます。

-f param_file

 バックアップ元とバックアップ先の対応を記述したファイルを指定します。パーティションの対応の場合は、オペランドの場合と同様に "master_raw_device_file=proxy_raw_device_file" という形式で記述します。グループの対の場合は、"master_class.master_group=proxy_class.proxy_group" という形式で記述します。詳細はオペランドの項目を参照してください。また行頭に "#" を置いた行は、コメント行として行末までが無視されます。

-g raw_device_file

 GDSのグループ単位の関連付けを指定します。バックアップ元ファイルシステムの代表パーティションのキャラクタ特殊デバイスを raw_device_file として指定します。

-r rel_name

 この関連付けに付ける関連付け名を 255 文字以下の文字列で指定します。ただし先頭が "-" で始まってはなりません。

-s

 同期指定。実際のコピー処理の完了を待ちます。

◆オペランド

 以下のオペランドのどちらかが指定できます。

master_raw_device_file=proxy_raw_device_file

 master_raw_device_file にはバックアップ元となるパーティション、proxy_raw_device_file にはバックアップ先となるパーティションをそれぞれキャラクタ特殊デバイスで指定します。ここで指定する 2 つのパーティションは同じサイズである必要があります。
 なお、-g オプションが指定されていない場合のみ有効です。

master_class.master_group=proxy_class.proxy_group

 -g オプション指定時に master_class.master_group にはバックアップ元となるパーティションの属する GDS のクラス名とグループ名を指定します。proxy_class.proxy_group にはバックアップ先となる GDS のクラス名とグループ名を指定します。バックアップ先のグループは、バックアップ元より大きなサイズである必要があります。
なおバックアップ先グループのボリュームは、バックアップ元グループに存在するボリュームのボリューム名に "-" を加えた名前で自動的に作成されます。

◆使用例

(例1)

 代表パーティションが /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 の GFS 共用ファイルシステムをバックアップ元とし、これを EC 運用向けに /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001- をバックアップ先として関連付ける場合は以下のコマンドを実行します。


# sfcproxyjoin equivalent -r backup1_for_volume0001 \

/dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001=/dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001-


(例2)

 代表パーティションが /dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002 の GFS 共用ファイルシステムをバックアップ元とし、これを OPC 運用向けに /dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002- をバックアップ先として関連付ける場合は以下のコマンドを実行します。


# sfcproxyjoin separate -r backup1_for_volume0002 \

/dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002=/dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002-


(例3)

 GDS のグループ group0003 に属す /dev/sfdsk/class0003/rdsk/volume0003 が代表パーティションの GFS 共用ファイルシステムをバックアップ元とし、これを EC 運用向けに GDS のグループ group0003- をバックアップ先として関連付ける場合は以下のコマンドを実行します。


# sfcproxyjoin equivalent -r backup1_for_group0003 \

-g /dev/sfdsk/class0003/rdsk/volume0003 \

class0003.group0003=class0003.group0003-


◆終了ステータス

以下の終了ステータスが返されます。

0   正常終了
>0   異常が発生しました。

◆関連項目

sfcproxybreak(1M), sfcproxyinfo(1M), sfcproxyop(1M), sfcproxyrestore(1M).

“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”のsdxattr(1M), sdxinfo(1M), sdxproxy(1M), sdxvolume(1M).

◆注意事項


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