PRIMECLUSTER Global File Services 説明書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティング環境版)
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第3部 Global File Services 共用ファイルシステム> 第24章 ファイルシステムのバックアップとリストア> 24.7 GFS 共用ファイルシステムの高速バックアップ・リストア

24.7.8 運用時の操作

24.7.8.1 バックアップ先の切離し

 EC 運において、バックアップ先が組み込まれている状態で、バックアップ先を切り離してスナップショットを作成する場合、sfcproxyop part コマンドを使用します。

バックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。

 sfcproxyop(1M) の詳細については、本書の“付録F.2.19 sfcproxyop(1M)"を参照してください。

−バックアップ先がすべてのノードにおいてアンマウント状態でバックアップを行ってください。
−バックアップ元が 1 部のノードでアンマウント状態の場合は、マウント状態のノードでバックアップを行ってください。

1. コピー状態の確認

 sfcproxyinfo コマンドでバックアップ元およびバックアップ先が組込み状態であり、コピー処理が完了していることを確認します。バックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。


# sfcproxyinfo backup1_for_volume0001

relation name: backup1_for_volume0001

type: EC

status: JOIN

master                proxy                  m_status       p_status

/dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001- DONE DONE


 コマンド出力の status が JOIN であり、p_status が COPY のボリュームがなく DONE となっていることでコピー処理が完了していることが確認できます。なお、sfcproxyop コマンドは、コピー処理の完了を待って切離しを行います。

2. 関連付け名が backup1_for_volume0001 であるファイルシステムの master から proxy へ等価性方式によるバックアップを行う場合の例を示します。バックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。


# sfcproxyop part backup1_for_volume0001


 sfcproxyop part コマンド実行後、バックアップ先のファイルシステムは sfcdump(1M)、dd(1M)、sfcmkbkup(1M) などを使用するオフラインバックアップを行うことができます。sfcproxyop mount コマンドを使用することで tar(1)、sfccpio(1) などを使用するオンラインバックアップを行うこともできます。

24.7.8.2 バックアップ先の再組込み

 EC 運において、バックアップ先が切り離された状態で、再度組み込む場合、sfcproxyop rejoin コマンドを使用します。ファイルシステムの使用しているパーティションの等価性回復処理が GDS またはハードウェアによりバックアグラウンドで開始されます。パーティションが等価状態になるまでの間、バックアップ元のディスク装置へ I/O 負荷がかかります。

 sfcproxyop(1M) の詳細については、本書の“付録F.2.19 sfcproxyop(1M)"を参照してください。

−バックアップ先がすべてのノードにおいてアンマウント状態でバックアップを行ってください。

 関連付け名が backup1_for_volume0001 であるファイルシステムの再組込みを行う場合の例を示します。バックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。


# sfcproxyop rejoin backup1_for_volume0001


 ハードコピー機能を使用していない場合でファイルシステムを共用するノードの内 1 つでも停止している場合、再組込みの後に行われる等価性回復処理において全データのコピーが行われることがあります。計画的なノード停止を行う場合は、組込み状態で行ってください。

24.7.8.3 瞬時コピーによるバックアップ

 OPC 運において、瞬時コピーによるバックアップを行う場合、sfcproxyop backup コマンドを使用します。ファイルシステムの使用しているパーティションのコピーがハードウェアによりバックグラウンドで開始されます。

 sfcproxyop(1M) の詳細については、本書の“付録F.2.19 sfcproxyop(1M)”を参照してください。

−バックアップ先がすべてのノードにおいてアンマウント状態でバックアップを行ってください。
−バックアップ元が 1 部のノードでアンマウント状態の場合は、マウント状態のノードでバックアップを行ってください。
−バックアップ先の GDS のボリュームは停止状態である必要があります。

 関連付け名が backup1_for_volume0002 であるファイルシステムの master から proxy へ瞬時コピーによるバックアップを行う場合の例を示します。

1. コピー状態の確認

 sfcproxyinfo コマンドでバックアップ元およびバックアップ先においてコピー処理が完了していることを確認します。


# sfcproxyinfo backup1_for_volume0002

relation name: backup1_for_volume0002

type: OPC

status: SEPARATE

master                proxy                  m_status       p_status

/dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002 /dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0002- DONE DONE


 コマンド出力の p_status の中に COPY がなく DONE となっていることでコピー処理が完了していることが確認できます。

2. 瞬時コピーによるバックアップを行うため、以下のコマンドをバックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。


# sfcproxyop backup backup1_for_volume0002


 sfcproxyop backup コマンド実行後、バックアップ先のファイルシステムは sfcdump(1M)、dd(1M)、sfcmkbkup(1M) などを使用したオフラインバックアップを行うことができます。sfcproxyop mount コマンドを使用することで tar(1)、sfccpio(1) などを使用したオンラインバックアップを行うこともできます。OPC によるコピー完了後にバックアップ先のデータをアクセスするように運用すれば、バックアップ元のI/O 性能に対する影響を最小限にできます。

24.7.8.4 バックアップ先のマウント

 OPC 運用において sfcproxyop backup により作成したバックアップ先、または EC 運用において sfcproxyop part により作成したバックアップ先は、sfcproxyop mount コマンドによりマウントします。

 sfcproxyop(1M) の詳細については、本書の“付録F.2.19 sfcproxyop(1M)"を参照してください。

 関連付け名が backup1_for_volume0001 であるファイルシステムのバックアップ先を /mnt にマウントする場合の例を示します。バックアップ元ファイルシステムの共用ノードで実行します。


# sfcproxyop mount backup1_for_volume0001 /mnt


24.7.8.5 バックアップ先のアンマウント

 sfcproxyop mount コマンドによりマウントしたファイルシステムをアンマウントする場合、sfcproxyop umount コマンドを使用します。

 sfcproxyop(1M) の詳細については、本書の“付録F.2.19 sfcproxyop(1M)"を参照してください。

 関連付け名が backup1_for_volume0001 であるファイルシステムのバックアップ先をアンマウントする場合の例を示します。ファイルシステムをマウントしたノードで実行します。


# sfcproxyop umount backup1_for_volume0001 /mnt



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