PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
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第2部 導入編> 第6章 クラスタアプリケーションの構築> 6.1 GLSの初期設定

6.1.1 GLSの設定

GLSの初期設定については、"PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)"の"第5章 クラスタシステム上での運用"、または"PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書 (マルチパス機能編)"の"第7章 クラスタシステム上での運用"を参照してください。

ここでは、以下の例をもとに、GLS(伝送路二重化機能)の「NIC切替方式(IPv4)のシングルシステムによるNIC共有なしの設定例」の設定手順について説明します。

PRIMECLUSTERの "引継ぎネットワーク" とGLSの "IPアドレス引継ぎ" を同一のクラスタシステム内で共存させることは可能ですが、同一のインタフェースには設定しないでください。同一のインタフェースに設定した場合、引継ぎIPアドレスを使用した通信はできなくなります。
たとえば、PRIMECLUSTERの "引継ぎネットワーク" の設定において、使用するインタフェースとして hme1を選択した場合、GLSの環境設定では hme1 は設定しないでください(hanetconfig createコマンドの'-t'オプションで hme1 は指定しないでください)。

各項目に設定する値は "GLS設定ワークシート"に対応します。

◆操作手順

●運用ノード[HOST-primecl01]の場合

  1. システムの設定を行います。
    1. /etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。
      10.34.214.185   takeoverIP   # 仮想IP
      10.34.214.181   primecl01    # primecl01の物理IP
      10.34.214.182   primecl02    # primecl02の物理IP
      10.34.214.188   swhub1       # primary監視先HUBのIP
      10.34.214.189   swhub2       # secondary監視先HUBのIP
    2. /etc/hostname.hme0ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。

      /etc/hostname.hme0の内容

      primecl01
  2. リブートします。

    以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、hme0が活性化されていることを確認してください。

    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
  3. 仮想インタフェースを設定します。

    下線部にはノードの物理IPアドレスを指定します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 10.34.214.185 -e 10.34.214.181 -t hme0,hme3

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
  4. HUB監視機能を設定します。

    下線部には監視対象となるHUBのIPアドレスを指定します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 10.34.214.188,10.34.214.189 -b off

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print
  5. 待機パトロール機能を設定します。

    下線部にはMACアドレスを02:xx:xx:xx:xx:xxの形式で指定します。両ノードの値が重ならないように指定します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m p -a 02:00:00:00:00:00 -t sha0

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
  6. 引継ぎIPアドレス(引継ぎ仮想インタフェース)を作成します。
    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc print

●待機ノード[HOST-primecl02]の場合

  1. システムの設定を行います。
    1. /etc/inet/hostsファイルに、使用するIPアドレスおよびホスト名を定義します。

      定義内容はprimecl01と同じです。

    2. /etc/hostname.hme0ファイルに上記で定義したホスト名を記載します。

      /etc/hostname.hme0の内容

      primecl02
  2. リブートします。

    以下のコマンドを実行し、システムをリブートします。リブート後は、hme0が活性化されていることを確認してください。

    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
  3. 仮想インタフェースを設定します。

    下線部にはノードの物理IPアドレスを指定します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha0 -m d -i 10.34.214.185 -e 10.34.214.182 -t hme0,hme3

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
  4. HUB監視機能を設定します。

    下線部には監視対象となるHUBのIPアドレスを指定します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll create -n sha0 -p 10.34.214.188,10.34.214.189 -b off

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetpoll print
  5. 待機パトロール機能を設定します。
    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig create -n sha1 -m  -a 02:00:00:00:00:01 -t sha0

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanetconfig print
  6. 引継ぎIPアドレス(引継ぎ仮想インタフェース)を作成します。
    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc create -n sha0

    上記実行後、正しく設定されたことを確認します。

    # /opt/FJSVhanet/usr/sbin/hanethvrsc print

◆設定後の処理について

運用ノード、待機ノードの設定がそれぞれ完了したら、Glsリソースを作成し、クラスタアプリケーションへ登録します。

詳細については、"Glsリソースの作成"および、"クラスタアプリケーションの作成"を参照してください。

GLS(伝送路二重化機能)のその他の運用形態については、"PRIMECLUSTER Global Link Services 説明書(伝送路二重化機能編)"の"付録B 環境設定例"を参照してください。

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