PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.1 (Solaris(TM) オペレーティングシステム版)
目次 索引 前ページ次ページ

第2部 導入編> 第5章 クラスタの構築> 5.1 クラスタの初期設定> 5.1.2 シャットダウン機構の設定

5.1.2.2 シャットダウン構成ウィザードによる設定

シャットダウン機構の設定手順は、機種により異なります。ハードウェアの機種を確認して適切なシャットダウンエージェントを設定してください。

シャットダウン機構と非同期監視の設定手順、および機能の詳細は、以下のマニュアルを参照してください。

WaitForPROM の設定は未サポート機能であり、通常設定する必要はありません。

■シャットダウン構成ウィザードの起動

Cluster Admin 画面のCFメインウィンドウで、[ツール]メニューの [シャットダウン機構]−[設定ウィザード] を選択してシャットダウン構成ウィザードを起動します。

シャットダウン機能の設定は、CFウィザードでCF構成の設定を完了したあと、続けて行うこともできます。
以下の確認ポップアップ画面が表示されるので、<はい>をクリックすると、シャットダウン構成ウィザードが起動します。

■設定方法の選択

シャットダウン機構の設定方法は、以下の2種類を選択することができます。

ここでは、「簡単な設定(推奨)」を使用した設定について説明します。この方法では、推奨されているPRIMECLUSTERのシャットダウン機構の構成を流れに沿って設定できます。

[設定方法の選択]

「簡単な設定(推奨)」 を選択して、<次へ>をクリックします。

■シャットダウンエージェントの選択

ハードウェアの機種を確認して適切なシャットダウンエージェントを選択します。

[シャットダウンエージェントの選択]

「SCON を使用しない設定」を選択します。

次に、使用するシャットダウンエージェントを選択します。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

■XSCFの設定

シャットダウンエージェントに [XSCF Panic] または [XSCF Reset] を選択した場合は、XSCFの設定を行う画面が表示されます。

"コンソール情報の確認" でメモしておいた XSCF に関する情報を設定します。

[XSCFの設定]

XSCF名
XSCFのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsに登録されているXSCFのホスト名を入力します。
ユーザ名
制御ポートへログインするためのユーザ名を入力します。
パスワード
制御ポートへログインするためのパスワードを入力します。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

■Console Breakエージェントの設定

シャットダウンエージェントに[Console Break]を選択した場合は、Console Breakエージェントを選択する画面が表示されます。

[Console Breakエージェントの選択]

使用するConsole Breakエージェントとして何を選択するかは、設定する機種により異なります。ハードウェアの機種を確認して適切なConsole Breakエージェントを設定してください。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

■RCCUの設定

Console Breakエージェントに RCCU を選択した場合は、RCCU の設定を行います。

"コンソール情報の確認" でメモしておいた RCCU に関する情報を設定します。

RCCUを工場出荷状態のまま使用する場合は[デフォルトを使用]をチェックします。

それ以外の場合は[デフォルトを使用]のチェックを外し、RCCU の制御ポートにログインするためのユーザ名、パスワード、スーパーユーザのパスワードの各項目を設定します。

[RCCUの設定(デフォルトを使用)]

RCCU名
RCCUのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsファイルに記載してあるRCCU のホスト名を入力します。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

[RCCUの設定(デフォルトを使用しない)]

RCCU名
RCCUのIPアドレスまたは/etc/inet/hostsファイルに記載してあるRCCU のホスト名を入力します。
ユーザ名
RCCUの制御ポートへログインするためのユーザ名を入力します。
パスワード1
RCCUの制御ポートへログインするためのパスワードを入力します。
確認
確認のため「パスワード1」に設定したパスワードを入力します。
パスワード2(Admin)
RCCUの制御ポートへスーパーユーザ権限でログインするためのパスワードを入力します。
確認
確認のため「パスワード2(Admin)」 に設定したパスワードを入力します。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

■Wait for PROMの設定

[Wait for PROM]は未サポート機能であるため、通常設定する必要はありません。チェックボックスのチェックを外し、[次へ]ボタンをクリックしてください。

[Wait for PROMの設定]

■ノードの重みと管理LAN IPアドレスの設定

ノードの重みと管理LAN IPアドレスを設定します。

[ノードの重みと管理LAN IPアドレスの設定]

重み
クラスタを構成するノードの重みを入力します。重みは、クラスタパーティションが発生した場合に生存するノード群の生存優先度の特定に使用されます。各ノードに対して入力できる値は1 〜 300 です。
生存優先度と重みについては下の説明を参照してください。
管理LAN IPアドレス
直接IP アドレスを入力するか、またはタブをクリックして管理LAN のIP アドレスに割り当てられたホスト名をセットします。

設定終了後、<次へ>をクリックします。

◆生存優先度

クラスタインタコネクトの障害によりクラスタパーティションが発生した場合、まだ全ノードがユーザ資産にアクセスできる状態にあります。クラスタパーティションについては、"PRIMECLUSTER コンセプトガイド"の"2.2.2.1 データ整合性の保証"を参照してください。
ユーザ資産であるデータの整合性を保証するために、生存させるノード群と強制停止させるノード群を決定する必要があります。
PRIMECLUSTERでは、それぞれのノード群に対する重み付けを「生存優先」と呼んでいます。
ノードの重みが大きいほど生存優先度は高くなり、小さくなるにつれて生存優先度は低くなります。ノード群の生存優先度が同じ場合は、ノード名がアルファベット順で最も早いノードを含むノード群が生存します。
生存優先度は、以下の計算で求められます。
生存優先度=SFのノードの重み(weight)+userApplicationの ShutdownPriority
SFのノードの重み(weight):
ノードの重み。デフォルト値=1。シャットダウン機能の設定の際に指定します。
userApplicationのShutdownPriority:
設定はuserApplication作成時の属性設定で行ってください。設定値の変更方法については、"クラスタアプリケーションの運用属性の変更"を参照してください。

userApplicationのShutdownPriority属性については、"属性の説明"を参照してください。

◆生存優先度の設計指針

以下に、代表的なケースをもとに、生存優先度の設計指針を示します。

[最も多くのノードを生存させたい場合]

[特定のノードを生存させたい場合]

以下は、node1を生存させる場合の例です。

[特定のアプリケーションが動作しているノードを生存させたい場合]

以下は、app1が動作しているノードを生存させる場合の例です。

■設定の保存

設定内容を確認して、保存します。

ウィンドウの左パネルにはクラスタを構成するノードが表示され、各ノードに対して構成されたシャットダウンエージェントが表示されます。

[設定の保存 ]

<次へ>をクリックすると、確認ポップアップ画面が表示されます。<はい>を選択して設定を保存します。

■シャットダウン機構の構成状態の表示

設定を保存すると、シャットダウン機構の構成状態の表示画面が表示されます。この画面では、状態を表示するノードを選択することにより、各ノードのシャットダウン機構の構成状態を確認することができます。

シャットダウン機構の構成状態は、Cluster AdminのCFメインウィンドウで、[ツール]メニューの [シャットダウン機構]−[状態の表示]を選択しても表示することができます。

[状態の表示 ]

停止状態
通常のシステム運用時にはUnknown と表示されており、ノードに異常が発生し、シャットダウン機構がノードの停止に成功すると、KillWorked に変わります。
テスト状態
ノード異常発生時にノードを停止させる経路をテストした状態を表しています。経路のテストが完了していない時はUnknown と表示されますが、構成されたシャットダウンエージェントが正常に動作した場合、TestWorked に変わります。
初期状態
シャットダウンエージェントを初期化した状態を表しています。

構成ウィザードを終了する時は、<完了> をクリックするとポップアップ画面が表示されますので、<はい>をクリックします。

この画面でシャットダウン機能が正常に動作していることを確認してください。
シャットダウン機構の設定が完了しているのに、初期状態がInitFailed と表示されたり、テスト状態にUnknown や赤字でTestFailed と表示された場合は、エージェントやハードウェアの構成設定に誤りがある可能性があります。/var/adm/messagesファイルとコンソール出力画面にエラーメッセージが出力されていないか確認してください。その後、出力されたメッセージの内容に対応した対処を実施します。

エラーメッセージの対処方法については、以下のマニュアルを参照してください。
"PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書"の"12.12 非同期監視メッセージ"

目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright (C) 富士通株式会社 2005