SafeCLUSTER/HA for Oracle 導入運用手引書 V2.1 |
目次
索引
![]() ![]() |
Oracleのインストール、データベースの作成や環境設定等を行います。Oracleの設定に関する詳細はOracleのマニュアル等を参照してください。
サポート対象のOracleは、V8系以降のOracleとします。それ以外のバージョン・レベルのOracleや異なったバージョン・レベルのOracle製品の混在は、対象外です。サポート対象の製品名称等の詳細については、"インストールガイド"を参照してください。
SafeCLUSTERシステム設計ワークシートで計算した値に加え、Oracle自身が使用する値を加えた値を設定する必要があります。Oracle自身が必要とする値については、Oracleのマニュアル等を参照してください。SafeCLUSTERシステム設計ワークシートについては、"SafeCLUSTER導入運用手引書"を参照してください。
設定値は、各ノードの物理メモリに影響されます。Oracleに影響を与えるパラメタ(特にshmmax)は、可能な限り各ノードで同一の設定を行うようにしてください。クラスタのノード単位で物理メモリが違う場合はこの限りではありませんが、システムの切替え時間(パフォーマンス)に影響する可能性があります。
Oracleをインストールする場合は、/etc/systemの設定を変更しノードをリブートした後に行ってください。
必要とするリスナーの数だけポート番号を設定します。1:1運用待機の場合は最低でもリスナーを1個必要とし、N:1運用待機の場合は最低でもリスナーをN個、相互待機の場合は最低でもリスナーを2個必要とします。
listener 1521/tcp oracle
lsnr1 1521/tcp oracle
lsnr2 1522/tcp oracle
Oracle用のグループ、ユーザを各ノードに登録します。
ユーザの設定(ユーザ名、ユーザID、グループ名、グループID)は各ノードで同一にしてください。PATHの設定に /usr/ucb を含める場合は、/usr/ccs/bin の後に設定してください。
(Cシェルの場合)
# @(#)cshrc |
Oracleのインストールを行います。インストールは各ノードで行い、各ノードのローカルディスクにインストールしてください。各ノードのインストール時の設定は同一にしてください。
インストール時にデータベースを作成する場合、データベースは必ず共用ディスク上に配置してください。また、運用ノードからデータベースを作成した場合は、待機ノードからのインストール時には、データベースの作成は行わず、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースが起動できるように設定のみ行います。
“付録C (参考) Oracleのインストール”を参考にしてください。
データベースの作成は運用ノード上からのみ行い、待機ノードでは、運用ノードから作成した共用ディスク上のデータベースを動作させる設定のみ行います。
以下のデータベース資産は共用ディスク上に配置し、各ノードで同一のデータを使用します。
Oracle 制御ファイル
Oracle Tablespace (system,temporary, rollbacksegment, etc.)
Oracle REDOログファイル
待機ノード側でOracleが起動できるように以下の作業を行う必要があります。
$ORACLE_HOME/dbs 配下
$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_SID 配下
/opt/FJSVclora/bin/cloracpy コマンドを使って、運用ノードの必要なファイルをtar形式にバックアップすることができます。本コマンドを使用してバックアップしたデータを待機ノード側で展開することで、上記のファイルコピー、リンクの設定が行えます。
cloracpyコマンドの使用条件
・運用ノード、待機ノードの$ORACLE_HOME,$ORACLE_BASEの設定が同一である
・1:1運用待機のように、運用ノード、待機ノードのOracle構成が同一である
・運用ノードでのデータベースの作成や設定が完了している
・Oracleユーザで使用する
・Oracleユーザの環境変数に$ORACLE_BASE、$ORACLE_HOME、$ORACLE_SIDの設定がされている
cloracpyコマンドでtar形式にまとめるファイル
・$ORACLE_HOME/dbs/配下のすべて
・$ORACLE_BASE/admin/$ORACLE_SID/配下のすべて
・$ORACLE_HOME/network/admin/*.ora
/tmp/oracle.$ORACLE_SID.tarファイルにまとめられます。このファイルを待機ノードへコピーし、「tar xvf /tmp/oracle.$ORACLE_SID.tar」コマンドで、上記の運用ノードのファイルが待機ノードに展開されます。
本コマンドは、フルパスでtar形式にファイルをまとめ、フルパスで展開されますので、$ORACLE_BASEや$ORACLE_HOMEの設定が運用ノード、待機ノードで異なる場合は、使用しないでください。またN:1運用待機構成のように、運用ノードと待機ノードで設定が異なる場合も、使用できません。同一名のファイルが存在する場合は上書きされますので注意してください。
Oracle9iのサーバパラメタファイル(永続初期化パラメタファイル)を使用する場合、サーバパラメタファイルは共用ディスク上に配置してください。共用ディスク上に配置しないと、運用、待機ノードで同一の設定で動作できなくなります。サーバパラメタファイルは、初期化パラメタファイルに指定してください。
初期化パラメタファイル($ORACLE_HOME/dbs/init<ORACLE_SID>.ora の設定例
spfile = /mnt2/o9idb/parameter/spfile.ora |
SafeCLUSTER/HA for Oracleでは、データベースの起動/停止を独自に行うためoratabの設定は使用されません。
クラスタシステム固有の注意点は特にありませんが、共用メモリに関連する以下のパラメタの設定には注意が必要です。詳細についてはOracleのマニュアル等を参照してください。
db_block_buffer
log_buffer
sort_area_size等
SafeCLUSTER/HA for Oracleでは、リスナーの起動と停止を自動的に行います。1:1運用待機のようにリスナーが1つだけ必要な場合は、「リスナーが1個の場合の設置例」を参考に設定してください。N:1運用待機や相互待機のようにインスタンス毎にリスナーを設定する場合は、最低でもリスナーを2個必要としますので、「リスナーが2個の場合の設定例」を参考に設定してください。また、リスナーが3個以上ある場合は「リスナーが2個の場合の設定例」に必要な数だけ設定を追加してください(リスナーが複数ある場合は、リスナー毎にHostとPortの値を変える必要があります)。Oracleのホスト名およびIPアドレスの設定に関連する項目は、論理IPアドレスあるいは/etc/hosts等で定義した論理IPアドレスに対応するホスト名を指定する必要があります。
LISTENER=
(ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL= IPC)(KEY=<ORACLE_SID>))
(ADDRESS=(PROTOCOL= TCP)(Host=<論理IPアドレス>)(Port=1521))
)
SID_LIST_LISTENER=
(SID_LIST=
(SID_DESC=
(GLOBAL_DBNAME=<任意の名前>)
(ORACLE_HOME=/opt/app/oracle/product/8.0.5)
(SID_NAME=<ORACLE_SID>)
)
)
lsnr1=
(ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL=IPC)(KEY=<ORACLE_SID1>))
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(Host=<論理IPアドレス1>)(Port=1521))
)
lsnr2 =
(ADDRESS_LIST=
(ADDRESS=(PROTOCOL= IPC)(KEY=<ORACLE_SID2>))
(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(Host=<論理IPアドレス2>)(Port=1522))
)
SID_LIST_lsnr1=
(SID_LIST=
(SID_DESC=
(GLOBAL_DBNAME=<任意の名前1>)
(ORACLE_HOME=/opt/app/oracle/product/8.0.5)
(SID_NAME=<ORACLE_SID1>)
)
)
SID_LIST_lsnr2 =
(SID_LIST =
(SID_DESC =
(GLOBAL_DBNAME= <任意の名前2>)
(ORACLE_HOME= /opt/app/oracle/product/8.0.5)
(SID_NAME = <ORACLE_SID2>)
)
)
使用する全てのOracleインスタンスについて、異常監視モニタがOracleに接続するための別名定義を設定します。N:1運用待機や相互待機のようにリスナーが2個以上必要な場合は、HostとPortの値も変更してください。Oracleのホスト名およびIPアドレスの設定に関連する項目は、論理IPアドレスあるいは/etc/hosts等で定義した論理IPアドレスに対応するホスト名を指定する必要があります。
別名定義は、後述する環境設定ファイルのOracle接続文字列と同一である必要があります。
<別名定義> =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL= TCP)(Host= <論理IPアドレス>)(Port= 1521))
(CONNECT_DATA = (SID = <ORACLE_SID>))
)
<別名定義1>=
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL= TCP)(Host= <論理IPアドレス>)(Port= 1521))
(CONNECT_DATA = (SID = <ORACLE_SID1>))
)
<別名定義2> =
(DESCRIPTION =
(ADDRESS = (PROTOCOL= TCP)(Host= <論理IPアドレス>)(Port= 1522))
(CONNECT_DATA = (SID = <ORACLE_SID2>))
)
☆ --- SafeCLUSTER/HA for Oracleでは、独自設定を使用するため本ファイルは使用されません。
○ --- 各ノードにおいて、必ず同一の設定を行う必要があります。
△ --- 各ノードにおいて、可能な限り同じ設定を行う必要があります。
● --- 必ず共用ディスク上に配置する必要があります。
◎ --- 必ず各ノードのローカルディスク上に配置する必要があります。
★ --- Oracleのクラッシュ等によりリカバリ(REDOログファイルの適用)が必要な場合に使用するアーカイブログについては、ファイルサイズを考慮してローカルディスクへの配置を可能とします。その場合、クラッシュ等によりOracleのリカバリが発生した場合には、両系のノードにあるOracleアーカイブファイルを集結してリカバリ作業を開始することが前提となります。
▲ --- ローカル/共用ディスクどちらでも配置することが可能です。
各ノードのローカルディスクに配置するOracle資産は以下のとおりです。
(注1)上記のOracle資産については、障害発生時の保守と運用の可用性を高める上で、必ず各ノードのローカルディスクに配置してください。
(注2) ORACLE_HOMEについては、Oracleの製品インストール時に各ノードで作業を行うようにしてください。cpコマンド等でORACLE_HOMEを複写すると、setuid情報がコピーされないため注意が必要です。もし、なんらかの理由によりcpコマンドで複写しなければならない場合には、必ずノード単位に複写完了後root.shを実行してください。
共用ディスク/ローカルディスクのいずれかを選択可能なOracle資産は以下のとおりです。
Oracleの環境設定完了後、“SafeCLUSTERの動作確認”で作成したクラスタサービスを起動した上で、Oracleインスタンスおよび、リスナーを手動で起動し動作確認を行ってください。また、クライアントからの接続ができることを確認してください。動作確認は運用ノード、待機ノードそれぞれで行ってください。
目次
索引
![]() ![]() |