Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (イベントサービス編)
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第1章 機能> 1.3 基礎知識> 1.3.2 メッセージングモデル

1.3.2.4 各モデルの相違点(運用)

 MultiCastモデルとPoint-To-Pointモデルの運用(コンシューマの接続状態によるイベントデータ受信)についての相違点を以下に説明します。

MultiCastモデル

 サプライヤがイベントデータをイベントチャネルに送信した際に、イベントチャネルに対して接続しているすべてのコンシューマへ同一のイベントデータが送信されます。イベントチャネルへの送信時に、接続していないコンシューマに対してはイベントデータが送信されません。

シーケンス1

 以下のシーケンスでは、コンシューマはイベントデータを受信することができます。

  1. コンシューマは、イベントデータを受け取るため、イベントチャネルに対して接続します。
  2. サプライヤは、イベントデータをイベントチャネルに送信します。
  3. イベントチャネルでは、イベントデータを蓄積します。
  4. イベントチャネルに接続しているコンシューマが、イベントチャネルに蓄積されているイベントデータを取り出す要求を出します。
  5. イベントチャネルは、蓄積されているイベントデータを取り出して送信し、コンシューマが受信します。

シーケンス2

 以下のシーケンスでは、コンシューマはイベントデータ1を受信することができません。コンシューマが接続された後のイベントデータ2は、受信することができます。

  1. サプライヤは、イベントデータ1をイベントチャネルに送信します。
  2. イベントチャネルでは、イベントデータ1を蓄積しようとしますが、接続しているコンシューマが存在しないため、イベントデータ1は破棄されます。
  3. コンシューマは、イベントデータを受け取るため、イベントチャネルに対して接続します。
  4. イベントチャネルに接続しているコンシューマが、イベントチャネルに蓄積されているイベントデータを取り出す要求を出します。
    しかし、イベントデータ1は破棄されているため、待ち状態に入ります。
  5. サプライヤは、イベントデータ2をイベントチャネルに送信します。
  6. イベントチャネルでは、接続しているコンシューマが存在するので、イベントデータ2を蓄積します。
  7. イベントチャネルは、蓄積されているイベントデータ2を取り出して送信し、コンシューマが受信します。

Point-To-Pointモデル

 サプライヤがイベントデータをイベントチャネルに送信した際に、コンシューマはイベントチャネルに対して接続する必要はありません。サプライヤが、イベントデータをイベントチャネルに送信した後に接続しても、コンシューマはイベントデータを受信することができます。

シーケンス1

 以下のシーケンスでは、コンシューマはイベントデータ1およびイベントデータ2を受信できます。

  1. サプライヤは、イベントデータ1をイベントチャネルに送信します。
  2. イベントチャネルでは、接続しているコンシューマが存在していないが、イベントデータ1を蓄積します
  3. コンシューマは、イベントデータを受け取るため、イベントチャネルに対して接続します。
  4. イベントチャネルに接続しているコンシューマが、イベントチャネルに蓄積されているイベントデータを取り出す要求を出します。
  5. イベントチャネルは、蓄積されているイベントデータ1を取り出して送信し、コンシューマが受信します。
  6. サプライヤは、イベントデータ2をイベントチャネルに送信します。
  7. イベントチャネルでは、イベントデータ2を蓄積します
  8. イベントチャネルに接続しているコンシューマが、イベントチャネルに蓄積されているイベントデータを取り出す要求を出します。
  9. イベントチャネルは、蓄積されているイベントデータ2を取り出して送信し、コンシューマが受信します。

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