InfoDirectory使用手引書
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第5部 保守編> 第14章 トラブル事例

14.1 DSA起動/停止に関するトラブル

事例1 DSA(odscomms, odsshadプロセス)の起動に失敗する(DISP未定義)。

【トラブル現象】
 同一マシン上に複数のDSAを起動するとDSA(odscomms、odsshadプロセス)の起動に失敗する場合がある。

【原因】
 DISP(シャドウイング)用のネットワークアドレスを定義していない可能性があります。
 本原因の場合、エラーログ(DSA配下/Elogs/odse_fatal)に以下のような情報が採取されます。

SHAD FAULT REPORT: Fatal error
process-details: odsshad, 0
report-esn: 460, 2001/09/14 02:26:02, 851
dsa-version: 10.0
fault-number: 3600
fault-location: 10041
fault-message: roAwaitBinding failed
failing-result: -267
roDiagnostics: result = 0, reason = 0, reason1 = 0
fault-number-text: Invalid shadow Tpath - check that the tpath has been
          set up correctly, and that the correct name has been used
          in the directory

SHAD FAULT REPORT: Fatal error
process-details: odsshad, 0
report-esn: 17097, 2003/12/14 12:03:20, 2
dsa-version: 10.0
fault-number: 5376
fault-location: 10512
fault-message: Cannot find PSAP for odscomms/odsshad process
fault-errno: 17 : File exists

【対処方法】
 [管理ツール]ウィンドウ → [サーバツール]メニュー → [サーバ管理]ウィンドウ → [データベース] → [ネットワークパラメタ]ダイアログ → [アドレス…]ボタンを実行してください。
そして、[スタック]ダイアログを起動させ、DISP(シャドウイング用)のプレゼンテーションアドレス(シャドウイングで使用)を追加してください。

 

事例2 DSA(odscomms, odsshadプロセス)の起動に失敗する(ポート重複)。

【トラブル現象】
 同一マシン上に複数のDSAを起動するとDSA(odscomms、odsshadプロセス)の起動に失敗する場合がある。

【原因】
 ポート、またはトランスポートセレクタが重複している可能性があります。エラーログ(DSA配下/Elogs/odse_fatal)に以下のような情報が採取されます。

 COMM FAULT REPORT: Fatal error
 process-details: odscomms, 0
 report-esn: 369, 200X/XX/XX XX:XX:XX, XXXX
 dsa-version: 10.0
 fault-number: 3341
 fault-location: 10012
 fault-message: roAwaitBinding failed with given result
 failing-result: -284

 fault-number-text: Invalid Tpath - check that the tpath has been set
          up correctly, and that the correct name has been used
          in the directory

 SHAD FAULT REPORT: Fatal error
 process-details: odsshad, 0
 report-esn: 271, 200X/XX/XX XX:XX:XX, XXX
 dsa-version: 10.0
 fault-number: 3600
 fault-location: 10041
 fault-message: roAwaitBinding failed
 failing-result: -284

 roDiagnostics: result = 0, reason = 0, reason1 = 0
 fault-number-text: Invalid shadow Tpath - check that the tpath has been
          set up correctly, and that the correct name has been
          used in the directory

【対処方法】
 プロセス単位に以下の対処を実施してください。

事例3 DSA(odscomms, odsshadプロセス)の起動に失敗する。

【トラブル現象】
 同一マシン上に複数のDSAを起動するとDSA(odscomms、odsshadプロセス)の起動に失敗する場合がある。

【原因】
 DSA起動中にプロセス(odscomms,odsshad)をタスクマネージャなどで強制終了する、または、DSA起動中にWindowsマシンをログオフしたために、"RFC1006 Transport Serveice"(Windowsのサービス)上でポート番号が使用された状態になっている可能性があります。
本原因の場合、事例2と同様のログ情報が採取されています。

【対処方法】
 Windowsマシンのサービスに登録されている「RFC1006 Transport Service」を再起動してください。

 

事例4 SSL環境でDSAの起動に失敗する。

【トラブル現象】
 SSL環境でDSAを構築したが、DSAの起動に失敗する。

【原因】
 SSL関連の製品がインストールされていません。本原因の場合、エラーログには以下のような情報が採取されています。

 SSL FAULT REPORT:    Failed to loading SSL library
 process-details:     mtldapd, 0
 fault-time:       2002/01/04 10:13:48.336
 fault-file:       XXXXXXXX

※ XXXXXXXXは、SSLライブラリ名

【対処方法】

事例5 SSL環境でDSAの起動に失敗する(環境設定誤り)

【トラブル現象】
 SSL環境でDSAを構築したが、DSAの起動に失敗する。

【原因】
 SSLに関連する定義情報に誤りがある可能性があります。

【対処方法】
 [管理ツール]ウィンドウ → [サーバツール]メニュー → [サーバ管理]ウィンドウ → [データベース] → [ログファイル]タブ → [エラーログ](「DSAの格納先ディレクトリ/Elogs」配下のodse_fatal)を確認してください。
"SSL FAULT REPORT" が出力していた場合、SSL関連でエラーが発生しています。
 “fault-text ”のメッセージ内容と“fault-errorcode”(SSLライブラリのエラーコード)から原因を特定して、定義情報を再度見直してください。SSLエラーコードに関しては、SSLエラーコードを参照してください。

「Elogs/odse_fatal」にエラー情報が出力されていない場合、[管理ツール]ウィンドウ → [サーバツール]メニュー → [サーバ管理]ウィンドウ → [データベース] → [ログファイル]タブ →ログタイプ [トレースログ] → [プロパティ]ボタンで、[トレースログ表示]ダイアログを起動させて、プロセス名“mtldapd”を選択して、mtldapdのトレースレベルを15に変更してください。
 現象を再現して、“mtldapd.out.000 ”の内容を技術員まで送付してください。

 

事例6 DSA起動時、「ダイナミックリンクライブラリ idnt.dllが指定されたパスに見つかりません」と表示される。

【トラブル現象】
 DSA起動時、「ダイナミックリンクライブラリ idnt.dllが指定されたパスに見つかりません」とメッセージが表示されて、DSAの起動に失敗する。

【原因】
 WindowsマシンのPATH環境変数に"idnt.dll”ファイルを含むパスが設定されていない可能性があります。

【対処方法】
 PATH環境変数に、以下のパスを追加してください。
 “InfoDirectoryのインストールディレクトリ”\ID\Dir\bin

 

事例7 DSA(mtldapdプロセス)の起動に失敗する(ポート重複)

【トラブル現象】
 DSAを起動するとDSA(mtldapdプロセス)の起動に失敗する場合がある。

【原因】
 他社(Netscape Directory Server、Active Directoryなど)のディレクトリサーバが、ポート番号389を使用しているためにDSAを起動することができない可能性があります。

【対処方法】
 netstatコマンドでポート389が使用されているかどうか確認してください。ポート番号389を使用していた場合、他社のディレクトリサーバのポート番号を変更するか、もしくは、InfoDirectory側のポート番号を変更してください。

 

事例8 DSA(mtldapdプロセス)の起動に失敗する。

【トラブル現象】
 DSAを起動するとDSA(mtldapdプロセス)の起動に失敗する場合がある。

【原因】
 DSAポートとLDAPポートが同一のポート番号を設定しているため起動できません。本原因の場合、エラーログには以下のエラーコード(exit status 10)が出力されています。

 LDAP FAULT REPORT: Fatal error
 process-details: mtldapd, 0
 fault-time: Mon Jan 21 13:07:41 2002
 fault-message: exit status 10, pid 6352
 fault-location: line 694 in main.c
 fault-text: You may find tracing diagnoses the error
 version-info: ldapd lite DBCS 3.3 FUJITSU InfoDirectory V1.0
  (200X年XX月XX日 (X) XX時XX分XX秒 JST)

【対処方法】
 LDAPポート(SSLあり または SSLなし)、もしくはDSAポートを変更してください。

 DSAポートは、以下のように変更してください。
 [管理ツール]ウィンドウ → [サーバツール]メニュー → [サーバ管理]ウィンドウ → [データベース] → [ネットワークパラメタ]ダイアログ → [アドレス…]ボタンを実行してください。そして、[スタック]ダイアログを起動させ、"DAP or DSP"、または“DISP”を選択状態にしてください。そして、ネットワークアドレスを更新して、ポートの値を変更してください。

 

事例9 DSAの起動に失敗する。(資源不足)

【トラブル現象】
 DSAの起動に失敗する場合がある。

【原因】
 同一マシン上に複数のDSAを起動している場合、またはその他の原因で、マシンのIPC資源、セマフォ資源が不足しているためDSAを起動することができない可能性があります。

 本原因の場合、エラーログには以下の内容のような情報が採取されています。

 SDSA FAULT REPORT: Fatal error
 process-details: odssdsa, 0
 report-esn: 16989, 200X/XX/XX XX:XX:XX, XXXX
 dsa-version: 10.0
 fault-number: 284
 fault-location: 428
 fault-message: Semaphore failure

 SDSA FAULT REPORT: Fatal error
 process-details: odssdsa, 0
 report-esn: 10337, 200X/XX/XX XX:XX:XX, XXX
 dsa-version: 10.0
 fault-number: 3084
 fault-location: 10470
 fault-message: Failed to send message, either the message queue
  has been deleted, or the messsage size exceeded a
  system limit
 failing-hex: 18

SDSA FAULT REPORT: Recoverable error
 process-details: odsldapv3, 0
 report-date-time: 200X/XX/XX XX:XX:XX, XXX
 dsa-version: 10.0
 fault-number: 7
 fault-location: 1502
 fault-message: failed to get listener id
failing-result: 3086
failing-result: 4

【対処方法】
 マシンのIPC資源、またはセマフォ資源をチューニングする必要があります。詳細な設定方法は、“Interstage Application Server チューニングガイド 「InfoDirectoryの環境定義」”を参照してください。

 


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