Interstage Application Server Smart Repository運用ガイド
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第2章 環境構築> 2.2 リポジトリの設計

2.2.3 運用形態の決定

システム構成の決定

 1台のサーバでSmart Repositoryデータベースの情報を管理する運用形態をスタンドアロン形態といいます。

 スタンドアロン形態では、規模が大きくなるにつれてアクセス件数が増大するため、性能が劣化する可能性があります。このような大規模構成における負荷分散を実現する機能として、レプリケーション機能があります。この機能により、サーバのデータベースの複製を別のサーバに作成し、クライアントからのアクセスを別々のサーバに割り当てることによって、負荷を分散させることができます。

 レプリケーションを導入するときは、情報の更新処理(追加、変更、削除など)が可能なマスタサーバと、その参照専用コピーを保持するスレーブサーバを決定します。

 レプリケーション運用にクラスタ環境を使用する場合は、“クラスタ環境でのリポジトリ操作手順”を参照してください。

Smart Repository環境構築シートの利用

 レプリケーション構築時に、Interstage管理コンソールの各項目で設定ミスを防ぐためのSmart Repository環境構築シート(Excelファイル“SR_repli.xls”)が、マニュアルCDの“ApplicationServer\tuning”フォルダに格納されています。

 Microsoft(R) Excel 97以降のバージョンのMicrosoft(R) Excelをお持ちの場合は、Smart Repository環境構築シートを使用して、レプリケーションを設計することが可能です。使用方法などの詳細については、当該Excelファイル内の説明記事を参照してください。

Smart Repository環境構築シートの利用条件

 Smart Repository環境構築シートは、Microsoft(R) Excelで利用できるファイルです。ご利用のコンピュータに、Microsoft(R) Excel 97以降のMicrosoft(R) Excelがインストールされている必要があります。
 本シートは、マクロを利用しています。ご利用にあたっては、あらかじめ、Microsoft(R) Excelのセキュリティレベルを設定し、マクロを有効にする必要があります。セキュリティレベルの設定方法の詳細については、Microsoft(R) Excelのヘルプを参照してください。
 なお、Microsoft(R) Excelのセキュリティレベルを変更する場合は、変更に先立ってシステム管理者に相談してください。

 例として、以下にMicrosoft(R) Excel 2002で本シートを利用するための、セキュリティレベルの設定手順を記載します。

Microsoft(R) Excel 2002の場合

  1. Microsoft(R) Excel 2002を起動し、メニューバーから[ツール(T)] > [マクロ(M)] > [セキュリティ(S)]の順に選択します。
  2. マクロのセキュリティ設定画面が表示されますので、[セキュリティレベル]タブの[中(M)]を選択します。
  3. [OK]ボタンをクリックします。
  4. Microsoft(R) Excelをいったん終了させ、再度起動します。
  5. メニューバーの[ファイル(F)] > [開く(O)]を選択し、Smart Repository環境構築シートを開きます。
  6. マクロの有効化を指定するダイアログが表示されますので、[マクロを有効にする(E)]ボタンをクリックし、マクロを有効にします。
  7. 必要に応じて、マクロのセキュリティレベルを元に戻します。

レプリケーション形態構築時の注意

SSL通信使用の決定

 クライアントからSmart Repositoryに対して処理要求をする場合、初期設定では、識別名(DN)、パスワード、およびその他の通信データが暗号化されずに使用されます。レプリケーション機能を使用する場合のマスタサーバ、スレーブサーバ間の通信においても同様です。
 伝送路内の通信データを暗号化するには、SSL通信を使用します。SSL通信を使用することにより、通信を傍受されたとしてもSSLの暗号化によって解読・盗聴の脅威に対抗することができます。

 クライアント認証をすると、特定の認証局が発行した証明書を提示したSSLクライアントに対してのみSSLサーバへのアクセスを許すことができ、ユーザのなりすましを防ぐことができます。

 クライアント数が多く、Smart Repositoryへのアクセス頻度が高い場合は、レスポンス性能を確保するため、SSLアクセラレータを用いてサーバの負荷を軽減させることをお勧めします。

 SSL通信環境は、リポジトリの作成前に構築しておく必要があります。


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