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Interstage Application Server/Interstage Web Server Java EE運用ガイド

5.21.1 環境設定方法

WebコンテナとEJBコンテナの間の通信をIPCOMを使用してIIOP負荷分散をする場合は、以下の手順で環境構築します。

Webコンテナを使用せずに、クライアントからサーバのEJBアプリケーションを呼び出す場合は、以下を参照してください。

EJBコンテナの設定

EJBコンテナを配置するサーバには以下の設定が必要です。

1)ネットワークの設定

EJBコンテナを配置するサーバにおいて、以下のhostsファイルに定義されている自サーバのホスト名とIPアドレスの設定文に対して、別名で、仮想IPアドレスのホスト名の宣言を追加します。

Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

/etc/hosts

宣言を追加した後、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。

以下に、EJBコンテナを配置するサーバグループのホスト名がhost1、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を示します。なお、「10.124.35.41」のIPアドレスは、host1の実IPアドレスです。

10.124.35.41 host1 vhost

2)IJServerクラスタの作成

作成したIJServerクラスタに対して以下の2つの項目を設定してください。

定義項目

設定内容

最大メッセージ分割サイズの拡張

ORBの送信データの最大メッセージ分割サイズを拡張して必ずデータが分割されない値に設定してください。
なお、データが分割されないためには、下記の条件を満たす必要があります。

  • 4096バイト以上

  • アプリの通信データ長+1024バイト以上

仮想ホスト名の指定

IIOPリスナーのネットワークアドレスにIPCOMが存在する仮想ホスト名を指定してください。
注) IIOPリスナーに設定するのは、仮想IPアドレスではなく、仮想ホスト名にしてください。仮想IPアドレスを指定した場合、IJServerクラスタの起動が失敗します。

ORBまたはIIOPリスナーの設定は、Interstage Java EE管理コンソール、およびasadminコマンドを使用して変更できます。詳細については、以下のマニュアルを参照してください。

注意

IJServerクラスタのEJBアプリケーションに対する負荷分散においては、メソッド呼び出し単位の負荷分散だけ実施できます。

3)モジュールの配備

IPCOM連携するアプリケーションを配備する場合、配備するモジュールがEJB-JARの場合にはsun-ejb-jar.xml、EARの場合にはsun-application.xmlのunique-idタグにIJServerクラスタで一意のIDを定義する必要があります。詳細は、「4.1.11 IPCOMと連携する場合の注意事項」を参照してください。

IPCOMの設定

IPCOMの設定は、IPCOMのマニュアルを参照してください。
負荷計測エージェントを必要とする分散方式のうち、「最小待ちメッセージ数」「最小通信バッファ使用率」は、Interstage Java EEでは利用できません。
負荷分散ポリシーのセション維持(一意性の保証)の設定は、コネクション単位の分散を行うように設定してください(コネクション単位の分散を推奨します)。
仮想ポート番号には、EJBコンテナを配置するサーバで、仮想ホスト名を指定したIIOPリスナーのポート番号を設定してください。

Webコンテナの設定

Webコンテナを配置するサーバには以下の設定が必要です。

1)ネットワークの設定

Webコンテナを配置するサーバにおいて、以下のhostsファイルに、仮想ホスト名とEJBコンテナを配置するサーバのすべてのホスト名宣言を追加します。

Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

/etc/hosts

宣言を追加した後、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。

以下に、EJBコンテナを配置するサーバグループのホスト名がhost1、host2、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を示します。なお、「10.124.35.41」のIPアドレスは、host1の実IPアドレス、「10.124.35.42」のIPアドレスは、host2の実IPアドレスです。


10.124.35.30 vhost
10.124.35.41 host1
10.124.35.42 host2

2)JNDIの設定

Interstage deployment descriptorファイルに指定するJNDI名に仮想ホスト名を指定してください。詳細は、「4.1.11 IPCOMと連携する場合の注意事項」の「JNDI名に仮想ホスト名の指定」を参照してください。

3)最大メッセージ分割サイズの設定

IJServerクラスタから異なるIJServerクラスタのEJBアプリケーションを呼び出す場合、作成したIJServerクラスタに対して以下を設定してください。

定義項目

設定内容

最大メッセージ分割サイズの拡張

ORBの送信データの最大メッセージ分割サイズを拡張して必ずデータが分割されない値に設定してください。
なお、データが分割されないためには、下記の条件を満たす必要があります。

  • 4096バイト以上

  • アプリの通信データ長+1024バイト以上

ORBの設定は、Interstage Java EE管理コンソール、およびasadminコマンドを使用して変更できます。詳細については、以下のマニュアルを参照してください。

クライアントの設定(参考)

Webコンテナを使用せずに、クライアントからサーバのEJBアプリケーションを呼び出す場合は、以下を設定してください。

1)ネットワークの設定

hostsファイルに、仮想ホスト名とEJBコンテナを配置するサーバのすべてのホスト名宣言を追加します。設定方法については「Webコンテナの設定」を参照してください。

2)JNDIの設定

5.12.3 クライアントからサーバに接続する場合の設定」で指定する接続先のホスト名には、IPCOMが存在する仮想ホスト名を指定してください。

3)最大メッセージ分割サイズの設定

サーバに送信するリクエストメッセージのサイズが4096バイトを超える場合は、com.sun.corba.ee.giop.ORBFragmentSizeプロパティに、データが分割されないサイズを指定してください。
なお、データが分割されないためには、下記の条件を満たす必要があります。

  • 4096バイト以上

  • アプリの通信データ長+1024バイト以上

    プロパティ名

    説明

    com.sun.corba.ee.giop.ORBFragmentSize

    最大メッセージ分割サイズ

    サーバに送信するリクエストメッセージの最大メッセージ分割サイズを指定します。省略値は4096です。