ETERNUS SF Disk Space Monitor ユーザーズガイド - Microsoft(R) Windows Server(TM) 2003/Solaris(TM) オペレーティングシステム/Linux - 13.0
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第2部 導入(基本編)> 第4章 インストールとセットアップ

4.4 クラスタシステム運用モデル

Managerをクラスタシステム運用することにより、片方のノードに障害が発生した場合でも、正常な別ノードに管理業務を引き継ぎますので、管理業務の高可用性を実現することができます。

以下の場合は、Managerにクラスタシステムを導入することはできません。

サポートするクラスタシステムと形態は以下のとおりです。

[クラスタシステム]

以下に含まれるMicrosoft(R) Cluster Server (以降MSCSと記述)

(Linux版)

(Linux for Itanium版)

[クラスタ形態]

本節では、管理業務を運用するノードを「現用」、業務を引き継ぐために待機するノードを「待機」と呼び、異常が発生したときに現用系から待機系へ業務を引き継ぐことを「フェールオー」と呼びます。また、現用系と待機系とで共用して使用するディスクを「共用ディスク」と呼びます。

クラスタ運用を行っているManagerのホスト名やIPアドレスを設定する場合(Agentインストール時に指定する接続先Managerの設定やコンソールでの接続先Managerの設定など)には、論理ホスト名や論理IPアドレスを指定します。これによって、現用系か待機系かを意識することなく運用することができます。

導入するクラスタシステムによって導入手順が異なります。導入するクラスタシステムに対応した導入方法を参照してください。

クラスタシステム

参照箇所

MSCS

4.4.1 MSCSクラスタシステムで運用する

PRIMECLUSTER

4.4.2 PRIMECLUSTERクラスタシステムで運用する

4.4.1 MSCSクラスタシステムで運用する

4.4.1.1 導入・環境設定 

本節では、MSCSのクラスタシステムにETERNUS SF Disk Space Monitorを導入する方法について説明します。項番にそって導入・設定してください。

4.4.1.1.1 グループ作成および基本リソースの登録 

本節で説明する作業を行う前に、MSCSのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。

MSCSをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じて「MSCSのマニュアル」を参照してください。

グループ作成

ETERNUS SF Disk Space Monitor が使用するグループを登録します。

以下の条件の場合は、グループ作成の必要はありません。

共用ディスク、ホスト名およびIPアドレスの設定

基本となるリソースをグループに登録します。

以下の条件の場合は、上記のリソースを「CentricMGR Group」に登録してください。

4.4.1.1.2 現用系サーバでの導入

  1. 現用系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールする

    共用ディスクにはインストールしないでください。

    インストールの方法については、「4.1.1.1 インストール 」を参照してください。

4.4.1.1.3 現用系サーバでのクラスタセットアップコマンド実行 

  1. 共用ディスクをオンラインにする
  2. 現用系サーバでディスクの所有権獲得する

    以下のディスクの所有権を獲得します。

  3. クラスタアドミニストレータとレジストリエディタを終了する

    クラスタアドミニストレータとレジストリエディタが起動されている場合は、終了させてください。

  4. 現用系サーバでクラスタセットアップコマンド実行する

    現用系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclpを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    <インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupclp -m <共用ディスク> -h <論理ホスト名>

    クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。

4.4.1.1.4 待機系サーバでの導入 

  1. 待機系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールする

    ETERNUS SF Disk Space Monitorインストール時には、現用系サーバ、待機系サーバとも同一環境(同一ディレクトリ構成)でインストールしてください。

    なお、共用ディスクにはインストールしないでください。

    インストールの詳細については、「4.1.1.1 インストール」を参照してください。

4.4.1.1.5 待機系サーバでのクラスタセットアップコマンド実行 

  1. クラスタアドミニストレータとレジストリエディタを終了する

    クラスタアドミニストレータとレジストリエディタが起動されている場合は、終了させてください。

  2. 待機系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行する

    待機系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclsを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    <インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupcls -m <共用ディスク>

    クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。

4.4.1.1.6 リソース登録

現用系サーバにてETERNUS SF Disk Space MonitorのサービスをMSCSのリソースとして登録します。

グループ作成」で作成した「DiskSpaceMonitor Group」に、以下のサービスをMSCSのアプリケーションリソースとして登録してください。

以下の条件の場合は、上記のサービスをリソースとして「CentricMGR Group」に登録してください。

「ETERNUS SF Disk Space Monitor DCM」サービス

項目

設定内容

名前

ETERNUS SF Disk Space Monitor DCM

リソースの種類

汎用サービス

グループ

DiskSpaceMonitor GroupまたはCentricMGR Group

実行可能な所有者

現用系サーバと待機系サーバ

リソースの依存関係

共用ディスクとして設定したディスク、IPアドレス

サービス名

SQC_DCM

「ETERNUS SF Disk Space Monitor sqcschdle」サービス

項目

設定内容

名前

ETERNUS SF Disk Space Monitor sqcschdle

リソースの種類

汎用サービス

グループ

DiskSpaceMonitor GroupまたはCentricMGR Group

実行可能な所有者

現用系サーバと待機系サーバ

リソースの依存関係

共用ディスクとして設定したディスク、IPアドレス

サービス名

sqcschdle

4.4.1.2 アンインストー 

クラスタシステムからManagerをアンインストールする場合は、以下の手順に従ってください。

  1. 現用系サーバを運用ノードとする
  2. クラスタシステムで管理されているサービスの停止

    クラスタアドミニストレータから、以下のETERNUS SF Disk Space MonitorまたはCentricMGR Groupのサービスをオフラインにします。

    以下の条件の場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスも停止してください。

  3. リソースの削除

    クラスタアドミニストレータから、リソースを削除します。

    4.4.1.1.6 リソース登録」で登録したETERNUS SF Disk Space Monitorのクラスタサービス、アプリケーションリソースを削除してください。

  4. 待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行

    待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンドを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    <インストールディレクトリ>\bin\sqcunsetcl


  5. アンインストール

    待機系サーバからETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールします。

    アンインストールの詳細については、必要に応じて「4.1.4 アンインストール」を参照してください。

  6. 現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行

    現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンドを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    <インストールディレクトリ>\bin\sqcunsetcl

  7. アンインストール

    現用系サーバからETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールします。

    アンインストールの詳細については、必要に応じて「4.1.4 アンインストール」を参照してください。

  8. 共用ディスク内の不要なディレクトリの削除

    共用ディスク内の、不要なディレクトリを削除します。

  9. ETERNUS SF Disk Space Monitor用の共用ディスクの削除

    クラスタアドミニストレータで、クラスタのリソースとして登録した、以下の共用ディスクを削除します。

  10. 「DiskSpaceMonitor Group」の削除

    「DiskSpaceMonitor Group」を削除します。

    以下の条件の場合は、グループの削除は必要ありません。

    手順 2. で停止したSystemwalker Centric Managerのサービスを起動してください。

4.4.2 PRIMECLUSTERクラスタシステムで運用する

4.4.2.1 導入・環境設定 

本節では、PRIMECLUSTERのクラスタシステムにETERNUS SF Disk Space Monitorを導入する方法について説明します。項番にそって導入・設定してください。

4.4.2.1.1 共有ディスクの設定およびIPアドレスとホスト名の割り当て 

本節で説明する作業を行う前に、PRIMECLUSTERのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。

PRIMECLUSTERをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じて「PRIMECLUSTER導入運用手引書」を参照してください。

共有ディスクの設定

現用系ノードと待機系ノードのETERNUS SF Disk Space Monitorが共有するファイルを格納する共有ディスクを設定します。

共用ディスク装置の設定の詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

■IPアドレスとホスト名の割当て

以下の条件の場合、IPアドレスおよびホスト名を新規に割り当てる必要はありません。

クラスタシステムを構成するノードでは、それぞれ複数のIPアドレスおよびホスト名を管理します。

IPアドレスとホスト名の設定の詳細については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

4.4.2.1.2 現用系サーバでの導入

  1. 現用系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールする

    共用ディスクにはインストールしないでください。

インストールの方法については、「4.1.1.1 インストール」を参照してください。

4.4.2.1.3 現用系サーバでのクラスタセットアップコマンド実行 

  1. 現用系サーバでクラスタアプリケーションを停止する

    クラスタアプリケーションを停止します。

    以下の条件の場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスも停止してください。

  2. 現用系サーバから共用ディスク装置にアクセスできるようにする

    現用系サーバ側で共用ディスク装置にアクセスできるようにしてください。

  3. 現用系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行する

    現用系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclpを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    /opt/FJSVssqc/bin/sqcsetupclp -m <共用ディスク装置のマウントポイント> -h <論理ホスト名>

    クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。

4.4.2.1.4 待機系サーバでの導入 

  1. 待機系サーバでETERNUS SF Disk Space Monitorをインストールします。

    インストールの方法については「4.1.1.1 インストール」を参照してください。

    ETERNUS SF Disk Space Monitor環境は、現用系サーバ、待機系サーバとも同一環境(同じデバイス名、共用ディスク装置、かつ同じインストールパス)で作成してください。

    なお、共用ディスク装置にはインストールしないでください。

4.4.2.1.5 待機系サーバでのクラスタセットアップコマンド実行 

  1. 待機系サーバでクラスタアプリケーションを停止する

    クラスタアプリケーションを停止します。

  2. 待機系サーバから共用ディスク装置にアクセスできるようにする

    待機系サーバ側で共用ディスク装置にアクセスできるようにしてください。

  3. 待機系サーバでクラスタセットアップコマンドを実行

    待機系サーバでクラスタセットアップコマンドsqcsetupclsを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    /opt/FJSVssqc/bin/sqcsetupcls -m <共用ディスク装置のマウントポイント>

    クラスタセットアップコマンドの詳細については、「4.4.3 クラスタセットアップコマンド」を参照してください。

4.4.2.1.6 リソース登録

ETERNUS SF Disk Space MonitorのデーモンをPRIMECLUSTERのリソースとして登録します。

ここでは、現用系サーバでのリソースの登録方法について、以下に順に説明します。

全体の手順は以下のとおりです。

4.4.2.1.7 userApplication Configuration Wizardを使用して登録する

■リソースの作成

PRIMECLUSTERのuserApplication Configuration Wizardから、[Resourceの作成]を選択し、以下のResourceタイプを設定します。詳細は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

■クラスタアプリケーションの作成

PRIMECLUSTERのuserApplication Configuration Wizardのトップメニューから、[userApplicationの作成]を選択し、アプリケーションを作成します。詳細は、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

4.4.2.1.8 RMS Wizardを使用して登録する

PRIMECLUSTERのRMS Wizardを使用して、アプリケーションを作成する場合の説明をします。

■事前設定

共有ディスク、および論理IPアドレスを使用するため、事前に設定を行ってください。

設定方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

■クラスタアプリケーションの作成

RMS Wizardを起動しApplicationのResourceとして、DiskSpaceMonitorを登録してください。

また、LocalFileSystemに共有ディスクのマウントポイント、IpAddressに論理IPアドレスを指定して登録してください。

4.4.2.2 アンインストー 

クラスタシステムからETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールする場合は、以下の手順に従ってください。

  1. クラスタアプリケーションの停止

    PRIMECLUSTERのCluster Admin GUIを使用し、ETERNUS SF Disk Space Monitorサービスを停止します。

    停止方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

    以下の条件の場合は、Systemwalker Centric Managerのサービスも停止してください。

  2. アプリケーションとリソースの削除

    4.4.2.1.6 リソースの登録」でクラスタシステムに登録したETERNUS SF Disk Space Monitorのアプリケーションとリソースを削除してください。

  3. 待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行

    共用ディスクをオンラインにし、待機系サーバでクラスタアンセットアップコマンドsqcunsetclを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    /opt/FJSVssqc/bin/sqcunsetcl

  4. 現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンド実行

    現用系サーバでクラスタアンセットアップコマンドsqcunsetclを実行します。コマンドの実行形式は以下です。

    /opt/FJSVssqc/bin/sqcunsetcl

  5. アンインストール

    現用系サーバと待機系サーバで、それぞれのETERNUS SF Disk Space Monitorをアンインストールします。

    アンインストールの方法については、「4.1.4 アンインストールについて」を参照してください。

  6. 共用ディスク装置の不要なディレクトリの削除

    共用ディスク装置内の不要なディレクトリを削除します。

  7. クラスタアプリケーションからETERNUS SF Disk Space Monitor用の共用ディスク装置の削除

    共有ディスクの設定」で登録した以下の共用ディスク装置を削除します。

  8. ETERNUS SF Disk Space Monitor用のクラスタアプリケーションの削除

    ETERNUS SF Disk Space Monitor用のクラスタアプリケーションを削除します。

    以下の条件の場合は、クラスタアプリケーションの削除は必要ありません。

    手順 1. で停止したSystemwalker Centric Managerのクラスタアプリケーションを起動してください。

4.4.3 クラスタセットアップコマンド

クラスタ環境を構築する場合には、クラスタセットアップコマンドを実行する必要があります。

以下、クラスタセットアップコマンドの仕様について説明します。

本コマンドは、Managerで実行できます。

【名前】

sqcsetupclp − クラスタ環境構築(現用系)

sqcsetupcls − クラスタ環境構築(待機系)

【形式】

(現用系)

<インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupclp -m <共用ディスク> -h <論理ホスト名>


(待機系)

<インストールディレクトリ>\bin\sqcsetupcls -m <共用ディスク>

(現用系)

/opt/FJSVssqc/bin/>/bin/sqcsetupclp -m <マウントポイント> -h <論理ホスト名>

(待機系)

/opt/FJSVssqc/bin/>/bin/sqcsetupcls -m <マウントポイント>

【機能説明】

ETERNUS SF Disk Space Monitorのクラスタ環境を構築します。

【オプション】

オプション

意味

-m <共用ディスク>

クラスタ運用で利用する共用ディスク装置のドライブを指定します。

-h <論理ホスト名>

クラスタ運用で利用する論理ホスト名または論理IPアドレスを指定します。

オプション

意味

-m <マウントポイント>

クラスタ運用で利用する共用ディスク装置のマウントポイントを指定します。

-h <論理ホスト名>

クラスタ運用で利用する論理ホスト名または論理IPアドレスを指定します。

【終了ステータス】

正常終了 0

異常終了 1

正常終了した場合には、以下のメッセージを出力します。

【使用例】

(現用系 sqcsetupclp)

C:\>cd C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin

C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin>sqcsetupclp.exe -m F:\ -h hostname

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Cluster setup succeeded

C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin>

(待機系 sqcsetupcls)

C:\>cd C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin

C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin>sqcsetupcls.exe -m F:\

Cluster setup succeeded

C:\Program Files\DiskSpaceMonitor\bin>

(現用系 sqcsetupclp)

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcsetupclp -m /share -h hostname

Cluster setup succeeded

#

(待機系 sqcsetupcls)

# cd /opt/FJSVssqc/bin/

# ./sqcsetupcls -m /share

Cluster setup succeeded

#

【注意事項】

本コマンドは、Administratorの権限で実行してください。

本コマンドは、スーパ・ユーザの権限(root権限)で実行してください。


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