WebAdminを使用して、インスタンスを作成する方法について説明します。
事前にWebAdminが正しくセットアップされていなければなりません。詳細は、“B.1 WebAdminセットアップ”を参照してください。加えて、WebAdminを外部のリポジトリデータベースを使用する構成にする必要がある場合は、“B.3 WebAdminでの外部リポジトリの使用”を参照してください。
WebAdminを使用する前に知っておくべき情報を説明します。
推奨ブラウザ
Microsoft Edge
WebAdminはFirefoxやChromeなどの他のブラウザでも使用できますが、外観は異なる場合があります。
ブラウザは、Cookiesを受け入れ、Fujitsu Enterprise Postgresがインストールされたサーバからのポップアップ要求を許可するように設定してください。ポップアップ要求の設定変更の方法と、その他の推奨設定は、“付録A WebAdminの推奨環境”を参照してください。
操作に関する留意事項
同一のインスタンスに対して複数のWebAdminの画面から同時に操作すると正しく動作しません。
複数バージョンのインスタンスを管理する場合は、最新バージョンのWebAdminで運用してください。
ブラウザのナビゲーションボタン[戻る]、[進む]、[最新の情報に更新]、およびこのような操作を行うキーボードショートカットを含むコンテキストメニューで使用しないでください。
WebAdminのログイン後の画面のURLをコピーして貼り付けたり、ブックマーキングしたりして、直接飛ばないでください。
透過的データ暗号化機能を使用する場合の留意事項
WebAdminでインスタンスを作成した後に、“運用ガイド”に記載された各機能のマニュアルにしたがって、追加のセットアップ作業を行ってください。
PostgreSQLの設定ファイルとの関係について
WebAdminでインスタンスを作成またはインポートする場合、PostgreSQLの“log_directory”パラメータが'/var/tmp/fsep_バージョン/インスタンス管理者名_インスタンス名ポート番号/log'に設定されます。
注意
“/var/tmp”に配置する資材は、OSのデフォルト設定では30日間アクセスがないと削除されます。このため、WebAdminで作成したインスタンスを、長期間停止する可能性がある場合は、OSの設定で削除対象外にすることを検討してください。
WebAdminへのログイン方法を説明します。
ブラウザのURLにWebAdmin画面の起動URLを、以下の形式で指定します。
http://ホスト名またはIPアドレス:ポート番号/
ホスト名またはIPアドレス:WebAdminをインストールしたサーバのホスト名またはIPアドレス
ポート番号:WebAdminのポート番号。デフォルトのポート番号は27515です。
起動画面が表示されます。この画面からWebAdminへのログイン、および製品マニュアルにアクセスすることができます。
起動画面の“WebAdminを起動する”をクリックすると、WebAdminが起動し、 ログイン画面が表示されます。インスタンス管理者のユーザー名(OSのユーザーアカウント名)とパスワードを入力してWebAdminにログインします。ユーザークレデンシャル(インスタンス管理者のユーザー名とパスワード)に指定できない文字については、“付録C WebAdminで使用できない文字 ”を参照してください。
ログイン失敗でのアカウントロックの設定など行っている場合、WebAdminからのログイン失敗によって、アカウントがロックされてOSにログインできなくなる場合があります。アカウントのロック設定などは事前に確認をしておいてください。
インスタンスの作成方法について説明します。
参考
WebAdminは、インスタンスの設定ファイルpostgresql.confを作成し、この設定のための最適な値をカーネルパラメータに設定します。詳細は、“付録D 設定パラメータ”と“付録H カーネルパラメータの設定”を参照してください。
WebAdminは、1台のマシンに1つのインスタンスを作成することを前提に、メモリ使用量を自動的に設定します。1台のマシンにインスタンスを複数作成する場合は、インスタンス作成後に“WebAdminがメモリ量に応じて自動的に設定しているパラメータ”を参照して、メモリ使用量を調整してください。
WebAdminを起動し、データベースサーバにログインします。
[インスタンス]タブでをクリックします。
作成するインスタンスの情報を入力します。
以下の項目を入力してください。
[ホスト名]と[OSクレデンシャル]に指定できない文字については、“付録C WebAdminで使用できない文字 ”を参照してください。
[構成の種類]:スタンドアロンインスタンス、またはクラスタの一部であるインスタンスのどちらを作成するかを設定します。
[サーバ製品タイプ]:以下のどのインスタンスを作成するかを設定します。
Fujitsu Enterprise Postgres 9.5のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 9.6のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 10のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 11のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 12のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 13のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 14のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 15のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 16のインスタンス
Fujitsu Enterprise Postgres 17のインスタンス
デフォルトは“Fujitsu Enterprise Postgres 17”です。
[場所]:現ユーザーがログインしているサーバにインスタンスを作成するか、リモートサーバに作成するかを設定します。デフォルトは“ローカル”で、WebAdminが実行されているサーバマシンにインスタンスが作成されます。
[インスタンス名]:管理するデータベースインスタンスの名前
インスタンス名の命名規約は以下です。
16バイト以内
先頭の文字は、ASCIIアルファベット
先頭以外の文字は、ASCIIアルファベット、ASCII数字
[インスタンスポート]:データベースサーバのポート番号
[データ格納パス]:データベースのデータを格納するディレクトリ
[バックアップ]:WebAdminのバックアップ機能を有効または無効にするかを設定します。デフォルトは“有効”です。インスタンスに対して、バックアップやリストア機能を無効にする場合は“無効”を選択します。“有効”が選択されている場合、以下の項目を入力してください。
[バックアップ格納パス]:データベースのバックアップを格納するディレクトリ
[トランザクションログのパス]:トランザクションログを格納するディレクトリ
[エンコード]:データベースの符号化方式
[WALファイルサイズ]:インスタンス作成時にWALファイルサイズの設定を許可します。このフィールドが空白の場合のデフォルトは“16 MB”です。指定するサイズは2の乗数で1から1024の値にしてください。このオプションはスタンバイインスタンスに対しては使用できません。
[場所]に“リモート”を選択した場合、以下の項目も入力してください。
[ホスト名]:インスタンスが作成されるホスト名
[OSクレデンシャル]:インスタンスが作成されるリモートマシンのOSユーザー名とパスワード
[スタンドアロン用のリモートWebAdminポート]:リモートマシンでWebAdminがアクセスできるポート
をクリックしてインスタンスの作成を行います。
インスタンスが作成されると、完了メッセージが表示されます。
インスタンスの作成が成功するとインスタンスが起動されます。
設定した基本情報のバックアップ
WebAdmin管理情報を定期的にバックアップして、システムディスクに障害が発生した際も確実に運用を継続できるようにします。バックアップは以下の手順で行います。
WebAdminサーバを停止します。詳細は“B.1.4 WebAdminのWebサーバ機能の停止”を参照してください。
以下のディレクトリをバックアップします。
インストールディレクトリ/data/fepwa
なお、WebAdminのリポジトリとして外部データベースを使用している場合には、以下のバックアップも必要です。
WebAdminのインストールフォルダ/data/remotemetadb.conf
外部データベース(システムディスク上に作成している場合)は、データベースの機能を使ってバックアップします。
インスタンス作成時に設定される情報を変更することができます。
Fujitsu Enterprise Postgresの動作・運用環境に合わせて以下の設定を変更してください。
なお、FUJITSU Enterprise Postgres 9.5のインスタンスでは変更できません。
文字コード
通信
SQLオプション
メモリ
ストリーミングレプリケーション
参考
これらの設定は以下のファイルで設定可能なパラメータと同じです。項目名とパラメータの対応関係は、“付録D 設定パラメータ”を参照してください。
postgresql.conf
pg_hba.conf
[インスタンス名]または[インスタンスポート]を変更すると、postgresql.confのlog_directoryおよびcore_directoryパラメータが更新されます。また、指定されたディレクトリが存在しない場合は作成されます。これらのディレクトリの形式については、“4.3.1.5 インスタンスのインポート”を参照してください。
WebAdminを起動し、データベースサーバにログインします。
[インスタンス]タブでを選択します。
をクリックして設定を変更します。
をクリックして変更を保存します。
参照
クライアント側の符号化方式には、データベースの符号化方式との間で変換可能な符号化方式を選択してください。変換可能な組み合わせは、“PostgreSQL Documentation”の“Server Administration”の“Automatic Character Set Conversion Between Server and Client”を参照してください。
WebAdminを起動し、データベースサーバにログインします。
[インスタンス]タブで、を選択します。
新たに認証情報を登録する場合は、をクリックします。
すでに設定済みの認証情報を変更する場合は、該当する情報をチェックしてをクリックします。
すでに設定済みの認証情報を削除する場合は、該当する情報をチェックしてをクリックします。
インスタンス作成時に生成されている以下のエントリーは削除しないでください。WebAdminがデータベースの動作状況を監視するために必要としている接続です。
接続形式=local, データベース=all、ユーザー=all、かつ認証方式=md5
[インスタンスを編集する]ページでインスタンスの以下の項目を変更します。
インスタンス名
ポート番号
バックアップ格納パス
[インスタンス]タブで、をクリックします。[インスタンスを編集する]ページが表示されます。
関連する項目を修正します。
[バックアップ格納パス]が変更されると、[バックアップ管理]が有効になります。必要なオプションを選択してください。
[既存のバックアップデータを保持する]:[バックアップ格納パス]にバックアップを作成し、既存のバックアップを元の場所に保持します。
[既存のバックアップデータを新しいパスにコピーする]:既存のバックアップを[バックアップ格納パス]にコピーします。新しいバックアップが作成されます。既存のバックアップは元の場所に保持します。
[既存のバックアップデータを新しいパスに移動する]:[バックアップ格納パス]に既存のバックアップを移動します。新しいバックアップが作成されます。
[既存のバックアップデータを削除する]:[バックアップ格納パス]にバックアップを作成します。既存のバックアップは削除されます。
をクリックして変更を保存します。
インスタンスは、WebAdminまたはinitdbコマンドのコマンドラインを使用して作成することができます。initdbコマンド(コマンドラインインスタンス)で作成されたインスタンスはWebAdminで管理できますが、最初にWebAdminにインポートする必要があります。
Mirroring Controller機能を使用するインスタンスをインポートすることはできません。
事前準備
以下のファイルにレコードが複数の行に跨って記述されている場合には、レコードが一行になるように変更してから、インポートしてください。
pg_hba.conf
pg_ident.conf
WebAdminでインスタンスをインポートする前に、次のようにpostgresql.confのパラメータを変更してください。
パラメータ | 要件 |
---|---|
port | portパラメータをアンコメントする必要があります。 |
以下のパラメータに指定している値を削除してください。また、パラメータの値(ファイルの格納先)をデフォルトから変更している場合は、ファイルをデータ格納ディレクトリに移動してからインポートしてください。
hba_fileパラメータ (pg_hba.conf)
ident_fileパラメータ (pg_ident.conf)
インポート
コマンドラインインスタンスをインポートする方法について説明します。
[インスタンス]タブでをクリックします。[インスタンスのインポート]ページが表示されます。
インポートするインスタンスの情報を入力します。入力項目の詳細については、“4.3.1.3 インスタンスの作成”を参照してください。
をクリックしてインスタンスをインポートします。
参考
postgresql.confのlog_directoryおよびcore_directoryパラメータは、インポートする際に更新されます。また、指定されたディレクトリが存在しない場合は作成されます。
これらのディレクトリの形式は以下のとおりです。
log_directory: ‘/var/tmp/fsep_バージョン/インスタンス管理者ユーザー_インスタンス名ポート番号/log’ core_directory: ‘/var/tmp/fsep_バージョン/インスタンス管理者ユーザー_インスタンス名ポート番号/core’ バージョン:製品のバージョン_WA_アーキテクチャ インスタンス管理者:OSのユーザー名 ポート番号:インスタンス作成時に指定したデータベースサーバのポート番号
例:
log_directory: ‘/var/tmp/fsep_170_WA_64/naomi_myinst27599/log’
core_directory: ‘/var/tmp/fsep_170_WA_64/naomi_myinst27599/core’