ユーザ資源の適用前および適用後にスクリプトを組み込む運用について説明します。
概要
ユーザ資源の登録時に、前スクリプト、後スクリプトを指定し同時に登録することにより、ユーザ資源適用の前と後に利用者任意の処理を組み込むことができます。
バッチ用資源の登録は、クライアントから行う方法とサーバから行う方法があります。
バッチ起動用資源の登録
バッチ起動用資源は、アップロード情報ダイアログボックスの資源種別でバッチ用資源を選択します。
前/後バッチ資源の登録
前/後バッチ資源は、アップロードファイル選択ダイアログボックスで選択します。
以下に、バッチ用資源の動作概要について説明します。
バッチ起動用資源の処理
バッチ起動用資源は、世代管理を行い、バッチファイル自身の適用とバッチプログラムを実行します。バッチファイルの実行以外は、一般資源の運用と同じです。
(1)バッチファイルを登録します。
(2)クライアントからのダウンロード要求に従って、対象世代をダウンロードします。
このとき、すでにクライアントにダウンロード済みの世代は、ダウンロードしません。
(3)ダウンロードした最初の世代のバッチファイルを適用し実行します。
(4)次の世代のバッチファイルを適用し実行します。
前/後バッチ資源の処理
運用管理サーバ上でユーザ資源の登録時に、前バッチ資源、後バッチ資源を指定し、同時に登録することにより、ユーザ資源適用の前と後にユーザ任意の処理を組み込むことができます。
(1)前/後バッチファイルとユーザ資源を登録します。
(2)クライアントからのダウンロード要求に従って、対象世代をダウンロードします。
(3)ユーザ資源の適用前に前バッチプログラムを実行します。
(4)前バッチプログラムの処理が正常終了後にユーザ資源の適用を行います。
(5)ユーザ資源の適用処理が正常終了後に後バッチプログラムを実行します。
バッチ起動用資源、前/後バッチが混在している処理
(1)前バッチファイルを適用し、実行します。
(2)バッチ起動用ファイルを適用し、実行します。
(3)後バッチファイルを適用し、実行します。
また、前スクリプト、後スクリプトおよびユーザ資源適用での資源配付の適用状態を、“前スクリプト、後スクリプトおよびユーザ資源適用の状態”に示します。
前スクリプト | ユーザ資源適用 | 後スクリプト | 資源配付の適用状態 |
---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | 適用正常 |
○: 適用正常
×: 適用失敗
-: 適用せず
運用方法
ユーザ資源の適用時に、前スクリプト、後スクリプトを組み込む運用方法を以下に説明します。
前スクリプト、後スクリプトを含めたユーザ資源を登録する
ユーザ資源の前スクリプト、後スクリプトは、資源登録時に指定してユーザ資源と同時に登録します。前スクリプト、後スクリプトを含めたユーザ資源を登録するには、資源配付の登録機能を使用します。
また、PCサーバの前スクリプト、後スクリプトについては、スクリプトの実行結果を反映するために資源配付の処理結果通知コマンドをスクリプト内に記述しておく必要があります。
前スクリプト、後スクリプトを含めたユーザ資源を配付し適用する
配付と適用については、前スクリプト、後スクリプトを含めないユーザ資源の運用と同じです。
前スクリプト、後スクリプトを含めたユーザ資源の適用状況を確認する
ユーザ資源の世代単位で、前、後スクリプトおよびユーザ資源すべてが正常に適用されたことを確認できます。適用異常時に、前スクリプト、後スクリプトまたはユーザ資源のどこで適用失敗となったかを調べるためには、資源配付の出力メッセージを確認してください。
注意事項
前スクリプト、後スクリプトを扱う場合の注意事項を以下に説明します。
作成する前スクリプト、後スクリプトは、実行場所を意識しないスクリプトとしてください。
資源配付の起動、停止コマンドおよびシステムの再起動のコマンドは記述しないでください。
資源配付の自システムへの資源適用コマンドおよび削除コマンドは記述しないでください。
PCスクリプトの場合、以下に注意してください。
資源配付の処理結果通知コマンド(drmscmp -a script)を必ず使用して、適用したシステムの資源配付に実行結果を通知してください。
資源配付の処理結果通知コマンドを使用してPCスクリプトを終了しない場合は、以下の動作となります。
V13.0.0以前の環境では適用異常となります。
V13.1.0以降の環境では適用正常となりますが、設定されたPCスクリプトの実行結果は保証されません。
前スクリプト、後スクリプトを使用する場合は必ず作成した前スクリプト、後スクリプトに資源配付の処理結果通知コマンド実行結果通知コマンドを記述してください。前スクリプト、後スクリプトの作成例については、“スクリプトの作成例”を参照してください。
バッチファイル内でネットワークドライブにアクセスする処理(例えば、net useコマンド)を記述しないでください。
バッチファイル内でstartコマンドやcallコマンドを利用して別のコマンドやバッチファイルを呼び出す場合は、資源を圧縮しないで登録してください。
後スクリプトを使用する場合、後スクリプトの中で配付したファイル、フォルダの属性を変更しないでください。
前スクリプト、後スクリプトの呼び出し時に、資源配付が以下の環境変数を設定します。必要に応じて参照してください。
DRMSAPL
DRMSRSG
DRMSVL
DRMSGEN
UNIXのシェルスクリプトは、born shellで記述してください。
UNIXのシェルスクリプトに適用完了通知コマンド(drmscmp -a script)を記述した場合に通知される値については“シェルスクリプトに適用完了通知コマンドを記述した場合に通知される値”を参照してください。
指定されたスクリプトが実行途中で停止した場合は、適用処理の実行が完了できない状態となります。指定するスクリプトの動作に問題がないことを確認して組み込んでください。
UNIXのシェルスクリプトの場合、シェルスクリプトの復帰コード「7」を「起動したシェルスクリプトの実行失敗」として扱います。シェルスクリプトの復帰コードは「7」 以外になるよう、シェルスクリプトを作成してください。