サーバ間ミラーリング機能で使用する IP アドレスを変更する手順を説明します。
本手順は、両ノードをシングルユーザモードにして、両ノードで実行します。
クラウド環境の場合は、コンソールの使用ができないため、シングルユーザモードにはしないで、手順1. ~ 手順3. を実施して、PRIMECLUSTER のサービスの自動起動を抑止してください。
クラウド環境以外の場合は、手順4. から実施してください。
RMS を停止
RMS が起動している場合は、いずれかのノードで、以下のコマンドを実行し、RMS を停止してください。
# hvshut -a
注意
GDS のボリュームの等価性コピー処理中にすべてのノードのRMSを停止した場合、修正適用後にすべてのノードを再起動すると、ボリュームの領域全体の等価性コピーが実行されます。
ボリュームの領域全体の等価性コピーを行いたくない場合は、等価性コピー処理が完了してから、RMSを停止してください。
GDS のボリュームのスライス状態の確認には以下のコマンドを使用します。
いずれかのノードで以下のコマンドを実行し、コマンド出力の STATUS フィールドの値を確認します。
等価性コピー処理中はコピー先のスライスが COPY 状態となり、コピーが完了すると ACTIVE または STOP 状態になります。
# sdxinfo -S
PRIMECLUSTER のサービスの自動起動抑止
すべてのノードで以下のコマンドを実行し、PRIMECLUSTERのサービスの自動起動を抑止します。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off
システム再起動
すべてのノードでシステムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now
自ノードのターゲットポータルの登録を削除します。
例) サーバ間ミラーリング用の IP アドレスが 192.168.56.20 の場合
# iscsiadm -m discovery --op delete --portal 192.168.56.20
ネットワークサービスを起動します。
クラウド環境の場合、ネットワークサービスはすでに起動されているため、本手順は不要です。
# systemctl start NetworkManager.service
iSCSI ターゲットの設定情報ファイルをコピーします。
例) コピー先のファイル名が /var/tmp/targetfile.json の場合
# cp /etc/target/saveconfig.json /var/tmp/targetfile.json
手順6. のコピー先のファイルに記載されている IP アドレスを変更します。
例) サーバ間ミラー用の IP アドレスを 192.168.56.21 に変更する場合
# vim /var/tmp/targetfile.json
[変更前]
{ "fabric_modules": [], "storage_objects": [ { ~ "portals": [ { "ip_address": "192.168.56.20", "iser": false, "port": 3260 } ], ~
[変更後]
{ "fabric_modules": [], "storage_objects": [ { ~ "portals": [ { "ip_address": "192.168.56.21", "iser": false, "port": 3260 } ], ~
手順7. で編集した iSCSI ターゲットの設定情報ファイルをターゲットに反映します。
例) ファイル名が /var/tmp/targetfile.json の場合
# targetctl restore /var/tmp/targetfile.json
以下のメッセージが出力されることがありますが、動作には影響がないため、対処は不要です。
Unable to load target_core_user
iSCSI ターゲットの設定が正しく行われていることを確認します。
# targetcli /iscsi/ ls
ポイント
(*1) 変更した IP アドレスが反映されていることを確認します。
[出力例]
o- iscsi .................................................................... [Targets: 1] o- iqn.2003-01.org.linux-iscsi.node1.x8664:sn.6e665c7c1be0 ................... [TPGs: 1] o- tpg1 ....................................................... [no-gen-acls, no-auth] o- acls .................................................................. [ACLs: 2] | o- iqn.1994-05.com.redhat:dee92ff9979d .......................... [Mapped LUNs: 1] | | o- mapped_lun0 ........................................ [lun0 block/store1 (rw)] | o- iqn.1994-05.com.redhat:fa7eb9cf483c .......................... [Mapped LUNs: 1] | o- mapped_lun0 ........................................ [lun0 block/store1 (rw)] o- luns .................................................................. [LUNs: 1] | o- lun0 .................. [block/store1 (/dev/disk/by-id/scsi-3500000e111c56610)] o- portals ............................................................ [Portals: 2] o- 192.168.56.21:3260 ....................................................... [OK] (*1)
手順8. でリストアしたターゲット情報を保存します。
# targetctl save
/etc/opt/FJSVsdx/.sdxnetmirror_ipaddr ファイルに記載されている IP アドレスを変更します。
[変更前]
192.168.56.10 192.168.56.20
[変更後]
192.168.56.11 192.168.56.21
iSCSI セッションを確立します。
手順は、「4.8.4 iSCSI セッションの確立」を参照してください。
なお、手順8. の実施は不要です。
両ノードをマルチユーザモードで再起動します。
クラウド環境の場合は、以下の手順を実施し、PRIMECLUSTER のサービスの自動起動抑止を解除してください。
PRIMECLUSTER サービスの自動起動抑止の解除
すべてのノードで以下のコマンドを実行し、手順2. で抑止した PRIMECLUSTER のサービスの設定を解除してください。
# /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on
システム再起動
すべてのノードでシステムを再起動してください。
# /sbin/shutdown -r now