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PRIMECLUSTER Global Disk Services  説明書 4.7

8.10 サーバ間ミラーリング機能で使用する IP アドレスの変更

サーバ間ミラーリング機能で使用する IP アドレスを変更する手順を説明します。

本手順は、両ノードをシングルユーザモードにして、両ノードで実行します。

クラウド環境の場合は、コンソールの使用ができないため、シングルユーザモードにはしないで、手順1. ~ 手順3. を実施して、PRIMECLUSTER のサービスの自動起動を抑止してください。

クラウド環境以外の場合は、手順4. から実施してください。

  1. RMS を停止

    RMS が起動している場合は、いずれかのノードで、以下のコマンドを実行し、RMS を停止してください。

    # hvshut -a

    注意

    GDS のボリュームの等価性コピー処理中にすべてのノードのRMSを停止した場合、修正適用後にすべてのノードを再起動すると、ボリュームの領域全体の等価性コピーが実行されます。

    ボリュームの領域全体の等価性コピーを行いたくない場合は、等価性コピー処理が完了してから、RMSを停止してください。

    GDS のボリュームのスライス状態の確認には以下のコマンドを使用します。

    いずれかのノードで以下のコマンドを実行し、コマンド出力の STATUS フィールドの値を確認します。

    等価性コピー処理中はコピー先のスライスが COPY 状態となり、コピーが完了すると ACTIVE または STOP 状態になります。

    # sdxinfo -S
  2. PRIMECLUSTER のサービスの自動起動抑止

    すべてのノードで以下のコマンドを実行し、PRIMECLUSTERのサービスの自動起動を抑止します。

    # /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice off
  3. システム再起動

    すべてのノードでシステムを再起動してください。

    # /sbin/shutdown -r now
  4. 自ノードのターゲットポータルの登録を削除します。

    例) サーバ間ミラーリング用の IP アドレスが 192.168.56.20 の場合

    # iscsiadm -m discovery --op delete --portal 192.168.56.20
  5. ネットワークサービスを起動します。

    クラウド環境の場合、ネットワークサービスはすでに起動されているため、本手順は不要です。

    # systemctl start NetworkManager.service
  6. iSCSI ターゲットの設定情報ファイルをコピーします。

    例) コピー先のファイル名が /var/tmp/targetfile.json の場合

    # cp /etc/target/saveconfig.json /var/tmp/targetfile.json
  7. 手順6. のコピー先のファイルに記載されている IP アドレスを変更します。

    例) サーバ間ミラー用の IP アドレスを 192.168.56.21 に変更する場合

    # vim /var/tmp/targetfile.json

    [変更前]

    {
      "fabric_modules": [],
      "storage_objects": [
        {
    ~
              "portals": [
                {
                  "ip_address": "192.168.56.20",
                  "iser": false,
                  "port": 3260
                }
              ],
    ~

    [変更後]

    {
      "fabric_modules": [],
      "storage_objects": [
        {
    ~
              "portals": [
                {
                  "ip_address": "192.168.56.21",
                  "iser": false,
                  "port": 3260
                }
              ],
    ~
  8. 手順7. で編集した iSCSI ターゲットの設定情報ファイルをターゲットに反映します。

    例) ファイル名が /var/tmp/targetfile.json の場合

    # targetctl restore /var/tmp/targetfile.json

    以下のメッセージが出力されることがありますが、動作には影響がないため、対処は不要です。

    Unable to load target_core_user
  9. iSCSI ターゲットの設定が正しく行われていることを確認します。

    # targetcli /iscsi/ ls

    ポイント

    (*1) 変更した IP アドレスが反映されていることを確認します。

    [出力例]

    o- iscsi .................................................................... [Targets: 1]
      o- iqn.2003-01.org.linux-iscsi.node1.x8664:sn.6e665c7c1be0 ................... [TPGs: 1]
        o- tpg1 ....................................................... [no-gen-acls, no-auth]
          o- acls .................................................................. [ACLs: 2]
          | o- iqn.1994-05.com.redhat:dee92ff9979d .......................... [Mapped LUNs: 1]
          | | o- mapped_lun0 ........................................ [lun0 block/store1 (rw)]
          | o- iqn.1994-05.com.redhat:fa7eb9cf483c .......................... [Mapped LUNs: 1]
          |   o- mapped_lun0 ........................................ [lun0 block/store1 (rw)]
          o- luns .................................................................. [LUNs: 1]
          | o- lun0 .................. [block/store1 (/dev/disk/by-id/scsi-3500000e111c56610)]
          o- portals ............................................................ [Portals: 2]
            o- 192.168.56.21:3260 ....................................................... [OK]    (*1)
  10. 手順8. でリストアしたターゲット情報を保存します。

    # targetctl save
  11. /etc/opt/FJSVsdx/.sdxnetmirror_ipaddr ファイルに記載されている IP アドレスを変更します。

    [変更前]

    192.168.56.10
    192.168.56.20

    [変更後]

    192.168.56.11
    192.168.56.21
  12. iSCSI セッションを確立します。

    手順は、「4.8.4 iSCSI セッションの確立」を参照してください。

    なお、手順8. の実施は不要です。

  13. 両ノードをマルチユーザモードで再起動します。

    クラウド環境の場合は、以下の手順を実施し、PRIMECLUSTER のサービスの自動起動抑止を解除してください。

    1. PRIMECLUSTER サービスの自動起動抑止の解除

      すべてのノードで以下のコマンドを実行し、手順2. で抑止した PRIMECLUSTER のサービスの設定を解除してください。

      # /opt/FJSVpclinst/bin/pclservice on
    2. システム再起動

      すべてのノードでシステムを再起動してください。

      # /sbin/shutdown -r now