本節では、PRIMECLUSTERのクラスタシステムにManager/Enterprise Managerを導入する手順について説明します。
Manager/Enterprise Managerをクラスタシステム運用することにより、片方のノードに障害が発生した場合でも、正常な別ノードに管理業務を引き継ぎますので、管理業務の高可用性を実現することができます。
■実行環境
本機能は、Systemwalker Service Quality Coordinator Enterprise Editionで提供される機能です。
また、本機能を導入できるのはEnterprise ManagerとManagerです。
■実行に必要な権限
【UNIX版】
システム管理者(スーパーユーザー)権限が必要です。
■本手順を行う前に
本節で説明する作業を行う前に、PRIMECLUSTERのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。
PRIMECLUSTERをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じて「PRIMECLUSTER導入運用手引書」を参照してください。
注意
本節では、PRIMECLUSTERのクラスタ環境にManager/Enterprise Managerの環境を構築する手順について説明しており、PRIMECLUSTER の設定を含んでいます。本節を読むにあたり、PRIMECLUSTERの基本的な理解と、実務知識が必要です。
また以下の場合は、クラスタシステムにManagerを導入することはできません。
二重化運用されたManager
サポートするクラスタシステムと形態は以下のとおりです。
[クラスタシステム]
Fujitsu Software PRIMECLUSTER Enterprise Edition
4.5A10まで
Fujitsu Software PRIMECLUSTER HA Server
4.5A10まで
Fujitsu Software PRIMECLUSTER Clustering Base
4.5A10まで
Fujitsu Software PRIMECLUSTER Enterprise Edition
4.7A00まで
Fujitsu Software PRIMECLUSTER HA Server
4.7A00まで
Fujitsu Software PRIMECLUSTER Clustering Base
4.7A00まで
[クラスタ形態]
1:1運用待機形態(1つのノードを別の1つのノードで待機する形態)
本節では、管理業務を運用するノードを「現用系」、業務を引き継ぐために待機するノードを「待機系」と呼び、異常が発生したときに現用系から待機系へ業務を引き継ぐことを「フェイルオーバ」と呼びます。また、現用系と待機系とで共用して使用するディスクを「共用ディスク」と呼びます。
ポイント
クラスタ運用を行っているManagerのホスト名やIPアドレスを設定する場合(Agent/Proxy Manager/運用管理クライアントのインストールなど)には、論理ホスト名や論理IPアドレスを指定します。これによって、現用系か待機系かを意識することなく運用することができます。
クラスタ運用を行う場合、Agentとの通信方式は、Push通信を使用してください。
クラスタ運用を行う環境にAgentを導入する場合は、各ノードに導入してください。
クラスタ運用環境にAgentを導入し、Agentのセットアップを行う場合は、連携するミドルウェアが動作可能であることを確認してください。
二階層運用を行うシステムでEnterprise Managerのクラスタ化を行う場合と、Managerのクラスタ化を行う場合の手順を説明します。