Storage Cluster機能を利用するには、以下の手順で事前設定を行ってください。
ETERNUS ディスクアレイの登録とライセンスの登録
ETERNUS ディスクアレイの登録
Storage Cluster機能を使用する、すべてのETERNUS ディスクアレイを装置登録してください。
ポイント
Veeam Storage Integrationを利用している環境でStorage Cluster機能を使用するには、登録するETERNUS ディスクアレイのファームウェア版数を以下の版数にする必要があります。
装置 | ファームウェア版数 |
---|---|
ETERNUS DX S6 series | 全版数 |
ETERNUS DX S5 series | V11L40以降 |
ETERNUS DX S4 series (DX8900 S4を除く) | V10L90-2000以降 |
参照
ETERNUS ディスクアレイの登録手順は、『Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイの登録」を参照してください。
ライセンスの登録
手順1で登録したETERNUS ディスクアレイに、Storage Clusterオプションライセンスを登録してください。
Storage Cluster機能を使用するすべてのETERNUS ディスクアレイに、ライセンスを登録する必要があります。
参考
Storage Clusterオプションライセンスを登録するには、以下のライセンスが登録されている必要があります。
ETERNUS SF Storage Cruiser Standard Editionライセンス
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager Standard Editionライセンス
参照
ライセンスの登録手順は、『Webコンソール説明書』の「ライセンスの登録」を参照してください。
サーバとFCスイッチの登録/設定
FCスイッチの登録 (FC接続環境の場合だけ)
Storage Cluster機能を使用するすべてのFCスイッチを装置登録してください。
参照
FCスイッチの登録手順は、『Webコンソール説明書』の「FCスイッチの登録」を参照してください。
Storage Clusterコントローラーの設定
自動Failoverを使用する場合は、Storage Clusterコントローラーの設定が必要です。
Storage Clusterコントローラーの設定は、Webコンソールではなく、サーバにログインして操作および確認する必要があります。
参照
Storage Clusterコントローラーの設定手順は、「9.6 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。
業務サーバの登録
Storage Cluster機能で使用する業務サーバを、すべて登録してください。
参照
業務サーバの登録手順は、『Webコンソール説明書』の「サーバの登録」を参照してください。
Storage Cluster構成の設定
Storage Cluster機能に必要なETERNUS ディスクアレイの構成を設定します。構成例は「図9.27 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)」のとおりです。
図9.27 Storage Cluster構成例(PrimaryストレージのETERNUS ディスクアレイがActiveな場合)
以下の設定が必要です。
RECパスのためのポート
業務サーバに接続するためのポート
FC接続環境とiSCSI接続環境で、設定手順が異なります。それぞれの接続環境における設定手順は以下のとおりです。
FC接続環境の場合
iSCSI接続環境の場合
注意
iSCSI接続環境の場合、手順4「ポートの設定 (業務サーバに接続するためのポート)」を手順3「TFOグループの設定」の前に実施すると、IPアドレスの競合が発生して、業務サーバからPrimary/Secondaryストレージにアクセスできなくなるおそれがあります。FC接続環境とiSCSI接続環境を間違えないようにしてください。
それぞれの設定内容の詳細は、以下のとおりです。
ポートの設定
Storage Cluster機能では、ETERNUS ディスクアレイのポートを以下の2通りの用途で使用します。
Storage Cluster機能では、同期転送方式を使用して、PrimaryストレージとSecondaryストレージの業務ボリュームの内容を等価に保ちます。そのコピー経路となるRECパスを設定するための、PrimaryストレージとSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイのポートが必要です。
Storage Cluster機能におけるRECパスを設定するためのポートには、以下の条件があります。
ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。
ポートモードは"RA"または"CA/RA"である必要があります。
必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードを変更してください。
参照
ポートモードの変更手順は、『Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。
Storage Cluster機能では、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間で、業務サーバに接続するためのポートをペア化します。フェイルオーバー/フェイルバック時にアクセスするポートを自動的に切り替えることで、業務ボリュームへのアクセスを継続します。
業務サーバに接続するポートには、以下の条件があります。
ポートのインターフェースタイプは"FC"または"iSCSI"である必要があります。"FCoE"は使用できません。
ポートモードは"CA"である必要があります。"CA/RA"は使用できません。
ペアに指定するポートのポートパラメーターは、すべて同じである必要があります。
ただし、iSCSI接続環境の場合、かつPrimaryストレージとSecondaryストレージを異なるサブネット間で運用する場合は、Primary/Secondaryストレージに異なるiSCSI IPアドレスを設定できます。
Primary/Secondaryストレージ間で構築するCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。
複数のCAポートペアを構築する場合、同一のインターフェースタイプである必要があります。
1台のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、それぞれのTFOグループのCAポートペアは、同一のインターフェースタイプである必要があります。
マルチパス接続を行う場合は、関連付けられたすべてのポートをペア化するために、Primary/SecondaryストレージのそれぞれのETERNUS ディスクアレイに、同じ数のポートを用意する必要があります。ポートは、2つ以上必要です。
必要に応じて、それぞれのETERNUS ディスクアレイに対して、ポートモードおよびポートパラメーターを変更してください。
参照
ポートモードおよびポートパラメーターの変更手順は、『Webコンソール説明書』の「FCポート/iSCSIポート/SASポートの設定変更」を参照してください。
RECパスの設定
「RECパスのためのポート」で設定したポートを使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、RECパスを設定します。RECパスの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。Webコンソールで以下の手順を実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[RECパス]をクリックします。
作成されているRECパスが、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[ウィザード]の下にある[リモートコピー設定]をクリックします。
リモート・アドバンスト・コピー設定ウィザード画面が表示されるので、[次へ]ボタンをクリックします。
リモートパートナーを選択する画面が表示されます。
リモートコピーのコピー先となるETERNUS ディスクアレイを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
コピーテーブルサイズを設定する画面が表示されます。
コピー元とコピー先の両方のETERNUS ディスクアレイに対して、コピー・パラメーターを設定したあと、[次へ]ボタンをクリックします。
RECパスを設定する画面が表示されます。
ETERNUS ディスクアレイ間のリモートコピー経路と接続タイプを選択して、[次へ]ボタンをクリックします。
RECバッファーを設定する画面が表示されます。
Storage Cluster機能の運用にRECバッファーは必要ないため、[次へ]ボタンをクリックします。
設定の確認画面が表示されます。
情報が正しければ、[閉じる]ボタンをクリックします。
注意
RECパスの回線速度および圧縮率の設定は、1つ以上のRECパスを追加した場合だけ有効です。既存のRECパスの削除だけを実施する場合は、指定した回線速度および圧縮率は設定されません。
TFOグループの設定
「業務サーバに接続するためのポート」を使用し、Primary/SecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイ間に、TFOグループを設定します。TFOグループの設定は、PrimaryストレージまたはSecondaryストレージのETERNUS ディスクアレイから一度実行するだけで、両方のETERNUS ディスクアレイに設定されます。
ポイント
ファームウェア版数がV10L70以降のETERNUS ディスクアレイでは、TFOグループを作成した際、CAポートのLinkdownが発生したときに自動Failoverするように設定されます。CAポートのLinkdownが発生しても自動Failoverしないようにするには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
なお、TFOグループにおいてCAポートLinkdown時の自動Failover機能を利用するには、そのTFOグループが以下のすべての条件を満たしている必要があります。
Failoverモードが"Auto"である
Failbackモードが"Manual"である
注意
自動Failoverモードを使用するには、Storage Clusterコントローラーが必要です。Storage Clusterコントローラーの設定および確認手順は、「9.6 Storage Clusterコントローラー」を参照してください。
1対のETERNUS ディスクアレイに複数のTFOグループを作成する場合、1つのCAポートペアを複数のTFOグループで指定できません。
双方向のStorage Cluster機能で運用する場合は、「図9.28 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例」のように、1対のETERNUS ディスクアレイにおいて、PrimaryストレージとSecondaryストレージを入れ替えた2つのTFOグループを作成する必要があります。
図9.28 双方向のStorage Cluster機能の運用を行う構成例
マルチパス接続などの場合に、ある1つのLUN/アフィニティグループに対して、複数のアクセスパス(ホストアフィニティ)が設定されていることがあります。このようなアクセスパス(ホストアフィニティ)に含まれるポートをTFOグループのCAポートペアに指定する場合、対象のLUN/アフィニティグループと関連付けられたすべてのポートを同時に選択してください。
Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)の設定は、TFOグループの設定後に行ってください。TFOグループの設定前に、Secondaryストレージ側のCAポートに対するアクセスパス(ホストアフィニティ)を設定すると、その時点でSecondaryストレージ側のボリュームが業務サーバに認識され、トラブルとなる可能性があります。このため、ポートペアの選択画面では、アクセスパス(ホストアフィニティ)を設定済みのSecondaryストレージ側のCAポートは選択できません。
ストレージ装置側でVeeam Storage Integrationのホストアフィニティを設定したCAポートは、TFOグループに設定できません。
TFOグループにCAポートを追加する場合は、PrimaryストレージのTFOステータスが"Active"、SecondaryストレージのTFOステータスが"Standby"である必要があります。
ETERNUS ディスクアレイ(ETERNUS DX S4 series, ETERNUS AF S2 seriesを除く)において、V10L70より前のファームウェア版数でTFOグループを作成していた場合、ETERNUS ディスクアレイのファームウェアをV10L70以降にアップグレードしても、そのTFOグループはCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用しない設定になっています。そのTFOグループでCAポートLinkdownによる自動Failover機能を利用するには、ETERNUS CLIを利用してTFOグループの設定を変更する必要があります。利用するETERNUS CLIのコマンド名および書式は、ETERNUS ディスクアレイ付属のマニュアルを参照してください。
TFOグループを設定するには、Webコンソールで以下の手順を実施してください。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
作成されているTFOグループが、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[TFOグループ]の下にある[設定]をクリックします。
TFOグループ設定ウィザード画面が表示されます。
ETERNUS ディスクアレイとオプションの選択画面が表示されます。
TFOグループを新規作成する場合
リモートのETERNUS ディスクアレイを選択し、どちらのETERNUS ディスクアレイをPrimaryストレージとするかを指定します。
既存のTFOグループを変更する場合
Primary/Secondaryストレージの指定、およびTFOモードは変更できません。
Failoverモードの初期値は"Auto"が選択されています。手動でフェイルオーバーを行う場合は、"Manual"を選択してください。
Failbackモードの初期値は"Manual"が選択されています。自動でフェイルバックを行う場合は、"Auto"を選択してください。
入力が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
TFOグループ設定画面が表示されます。
Primary/Secondaryストレージのポート一覧から、ペアにするポートをそれぞれ1つずつ選択して、[追加]ボタンをクリックします。削除する場合は、[ポートペア一覧]テーブルから不要なペアを選択して、[削除]ボタンをクリックします。
必要な設定が完了したら、[次へ]ボタンをクリックします。
設定の確認画面が表示されます。
情報が正しければ、[設定]ボタンをクリックします。
TFOV総容量の拡張
Storage Cluster機能の対象とするボリュームの、装置あたりの総容量(以降、“TFOV総容量”と呼びます)を設定できます。TFOV総容量は、業務ボリュームの総容量に合わせて拡張してください。
拡張作業は、必要に応じてPrimaryストレージとSecondaryストレージのそれぞれの装置に対して実施してください。
Webコンソールを使ってTFOV総容量を設定する手順は、以下のとおりです。
グローバルナビゲーションタブの[ストレージ]をクリックします。
登録されているETERNUS ディスクアレイが、メインペインに表示されます。
メインペインで、対象ETERNUS ディスクアレイの「名前」部分をクリックします。
カテゴリーペインで、[Storage Cluster]をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、Storage Cluster機能に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[設定]をクリックします。
設定されているTFOV総容量が、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[設定]の下にある[変更]をクリックします。
「Storage Clusterの設定」画面が表示されます。
[TFOV総容量]の項目で、設定したい容量を選択します。
[設定]ボタンをクリックします。