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ETERNUS SF Express 16.9.1 / Storage Cruiser 16.9.1 / AdvancedCopy Manager 16.9.1 移行ガイド
FUJITSU Storage

4.2.2 クラスタ運用の場合のアップグレードインストール

4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業

ポイント

アップグレードインストールを行う前に、以下をバックアップすることを推奨します。
バックアップを採取しておくと、アップグレードインストール中に異常が発生した場合にバックアップから復元(リストア)することで、アップグレードインストール前の状態に戻すことができます。

  • システム(プライマリノードとセカンダリノード)

  • 運用管理サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  1. 作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。

  2. セカンダリノードで、アップグレードインストールを行うサーバのディスクに、アップグレードインストールに必要な容量(Solaris環境では650MB、Linux環境では200MB)が空いていることを確認します。

    アップグレードインストールに必要な容量が空いていない状態でアップグレードインストールを実行した場合、以下のメッセージが出力され、インストールがエラー終了します。インストールに必要な空き容量を確保してから、アップグレードインストールを再実行してください。

    出力メッセージ(インストール先ディレクトリが/optの場合):

    ERROR:Disk /opt has an insufficient free space. Please execute it again after increasing the disk area.
  3. セカンダリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)が停止していることを確認します。
    停止していない場合は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して業務を停止してください。

  4. プライマリノードで、アップグレードインストールを行うサーバのディスクに、アップグレードインストールに必要な容量(Solaris環境では650MB、Linux環境では200MB)が空いていることを確認します。

    アップグレードインストールに必要な容量が空いていない状態でアップグレードインストールを実行した場合、以下のメッセージが出力され、インストールがエラー終了します。インストールに必要な空き容量を確保してから、アップグレードインストールを再実行してください。

    出力メッセージ(インストール先ディレクトリが/optの場合):

    ERROR:Disk /opt has an insufficient free space. Please execute it again after increasing the disk area.
  5. プライマリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)を停止します。

    停止手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。
    ただし、ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。

  6. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、以下の手順を実施します。

    1. 対象業務のセカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

      管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。
      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

      管理対象サーバ業務を停止する手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

    2. 対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

      使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を停止します。
      ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。
      管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  7. すべてのノードのローカル業務を停止します。

    AdvancedCopy Managerマネージャーのローカル業務用通信デーモンを停止します。

    デーモンの停止方法は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「通信デーモンの起動と停止」を参照してください。

  8. 運用管理サーバ業務のプライマリノードとセカンダリノードで、業務の起動停止スクリプトを退避します。

  9. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを退避します。

    プライマリノードとセカンダリノードで、管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを退避してください。

  10. Linux版バージョン16.2からのアップグレードの場合は、プライマリノードとセカンダリノードで、FJSVswsttパッケージ(SNMPトラップデーモンパッケージ)をアンインストールします。

    以下のコマンドを実行して、FJSVswsttパッケージがインストールされているか確認してください。

    # rpm -q FJSVswstt

    FJSVswsttパッケージの情報が表示されたときは、以下のコマンドを実行して、FJSVswsttパッケージをアンインストールしてください。

    # systemctl stop startsc-snmptrapd.service
    # systemctl disable startsc-snmptrapd.service
    # rm /usr/lib/systemd/system/startsc-snmptrapd.service
    # rpm -e FJSVswstt

4.2.2.2 アップグレードインストール手順(プライマリノード)

  1. C.3 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 16.xのマネージャー機能のアップグレードインストール手順(Solaris版、Linux版)」を参照して、アップグレードインストールを実施してください。

  2. ETERNUS SF Managerの起動処理が、OSではなく、クラスタソフトウェアに制御されるように設定します。

    • Solaris環境の場合

      1. 以下のコマンドを実行します。

        # ls /etc/rc*.d/*SFmanager*
      2. 上記のコマンドで出力されたすべてのファイルをリネームします。

        ファイル名の先頭に"X"を付けて、リネームしてください。
        リネーム先のファイルが存在する場合は、存在するファイルを事前に削除してからリネームしてください。

        コマンド実行例は、以下のとおりです。

        # mv /etc/rc2.d/S99startSFmanager /etc/rc2.d/XS99startSFmanager
    • Linux環境の場合

      以下のコマンドを実行してください。

      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-internalDB.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-webserver.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-system.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvssast.service
  3. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをアンマウントします。

ポイント

アップグレードインストールが異常終了した場合は、アップグレードインストールに失敗する原因を取り除いたあと、インストールシェルの実行から再実行してください。

4.2.2.3 アップグレードインストール手順(セカンダリノード)

  1. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをマウントします。

  2. C.3 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 16.xのマネージャー機能のアップグレードインストール手順(Solaris版、Linux版)」を参照して、アップグレードインストールを実施してください。

  3. ETERNUS SF Managerの起動処理が、OSではなく、クラスタソフトウェアに制御されるように設定します。

    • Solaris環境の場合

      1. 以下のコマンドを実行します。

        # ls /etc/rc*.d/*SFmanager*
      2. 上記のコマンドで出力されたすべてのファイルをリネームします。

        ファイル名の先頭に"X"を付けて、リネームしてください。
        リネーム先のファイルが存在する場合は、存在するファイルを事前に削除してからリネームしてください。

        コマンド実行例は、以下のとおりです。

        # mv /etc/rc2.d/S99startSFmanager /etc/rc2.d/XS99startSFmanager
    • Linux環境の場合

      以下のコマンドを実行してください。

      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-internalDB.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-webserver.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvesfcm-system.service
      # /usr/bin/systemctl disable fjsvssast.service
  4. ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクをアンマウントします。

ポイント

アップグレードインストールが異常終了した場合は、アップグレードインストールに失敗する原因を取り除いたあと、インストールシェルの実行から再実行してください。

4.2.2.4 アップグレードインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードで以下の作業を実施してください。
ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。

  1. ETERNUS SF Managerの環境設定ファイルを編集します。
    以下のファイルを編集します。

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <ETERNUS SF Managerの共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、アップグレード後の文字列に変更します。

    Version情報の記述内容

    アップグレード前

    アップグレード後

    Version=V16.x

    Version=V16.9.1

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  2. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、AdvancedCopy Managerの環境設定ファイルを編集します。

    対象業務のプライマリノードで以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、アップグレード後の文字列に変更します。

    Version情報の記述内容

    アップグレード前

    アップグレード後

    Version=V16.x

    Version=V16.9.1

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  3. 4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」で退避した、運用管理サーバ業務の起動停止スクリプトを復元します。

  4. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、「4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」で退避した、管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを復元します。

  5. SNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
    以下のディレクトリに格納されている旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを、任意の場所に退避します。
    その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを参照してください。

    カスタマイズ定義ファイル格納ディレクトリ

    /etc/opt/FJSVssmgr/current/snmpth/

  6. ポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
    以下の旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを、任意の場所に退避します。
    その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「ポーリングサービス設定ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを参照してください。

    カスタマイズ定義ファイル

    /etc/opt/FJSVssmgr/current/polling/pollingService.xml

  7. 必要に応じて、SNMPトラップの設定を実施します(Linux環境だけ)。

    4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」の手順10でFJSVswsttパッケージがインストールされていた場合だけ、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのセットアップ」の章にある以下の箇所の手順を実施してください。

    • 「Storage Cruiserマネージャーのセットアップ」>「SNMPトラップの設定」>「SNMPトラップ設定(Linux環境の場合)」>「ETERNUS SF SNMPトラップ監視デーモンを利用する場合」の手順4

  8. カーネルパラメーターをチューニングします。

    参照

    チューニング方法は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。

4.2.2.5 アップグレードインストール後の作業(セカンダリノード)

セカンダリノードで以下の作業を実施してください。

  1. 4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」で退避した、運用管理サーバ業務の起動停止スクリプトを復元します。

  2. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、「4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」で退避した、管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを復元します。

  3. 必要に応じて、SNMPトラップの設定を実施します(Linux環境だけ)。

    4.2.2.1 アップグレードインストール前の作業」の手順10でFJSVswsttパッケージがインストールされていた場合だけ、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのセットアップ」の章にある以下の箇所の手順を実施してください。

    • 「Storage Cruiserマネージャーのセットアップ」>「SNMPトラップの設定」>「SNMPトラップ設定(Linux環境の場合)」>「ETERNUS SF SNMPトラップ監視デーモンを利用する場合」の手順4

  4. カーネルパラメーターをチューニングします。

    参照

    チューニング方法は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。

  5. ETERNUS SF Managerが属する業務が停止していることを確認します。
    停止していない場合は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して停止してください。

4.2.2.6 ETERNUS SF Managerの起動

4.2.2.4 アップグレードインストール後の作業(プライマリノード)」、「4.2.2.5 アップグレードインストール後の作業(セカンダリノード)」のあとに、以下の作業を実施してください。

  1. プライマリノードで、クラスタアプリケーション(業務)が起動していることを確認します。

    起動していない場合は、プライマリノードで、ETERNUS SF Managerが属するクラスタアプリケーション(業務)を起動します。起動手順は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

  2. クラスタシステムに管理対象サーバ業務が共存している場合は、対象業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を開始します。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  3. すべてのノードのローカル業務を起動します。

    • AdvancedCopy Managerマネージャーのローカル業務用通信デーモンを起動します。
      デーモンの起動方法は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「通信デーモンの起動と停止」を参照してください。

    • すべてのローカルノードでSNMPトラップ監視デーモンを起動します。すでに起動している場合は、対処不要です。デーモンの起動方法は、本バージョンレベルの『Storage Cruiser 運用ガイド』の以下の箇所を参照してください。

      • Solaris環境の場合

        「デーモンの起動と停止(Solaris環境)」

      • Linux環境の場合(旧バージョンレベルでETERNUS SF SNMPトラップ監視デーモンを利用していた場合だけ)

        「デーモンの起動と停止(Linux環境)」

続いて「4.2.3 運用再開」を実施してください。

ポイント

クラスタアプリケーション(業務)起動時に、システムログにメッセージ"A1001 : Could not establish connection with SNMP Trap daemon/service"が出力される場合がありますが、問題はないため、対処は不要です。