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Interstage List Works for Modernization V11.0.0 帳票印刷配信機能セットアップガイド クラスタ編

13.1.2 Interstage Application Serverの環境設定(運用ノード側)

運用ノードでInterstage Application Serverの環境設定を行います。

以下の手順に従って、設定を行ってください。

=操作手順=
  1. Interstage Application Server自動起動設定の無効化

  2. Interstage Application Serverの初期化

  3. Webアプリケーションサーバの環境構築

  4. GlassFish Serverクラスター自動起動の設定

13.1.2.1 Interstage Application Server自動起動設定の無効化

Interstage Application Serverを構成するサービスが、マシン起動時に自動的に起動される設定となっています。

クラスタ環境では、マシン起動時にクラスタ製品がInterstage Application Serverを起動しますので、Interstage Application Serverを構成する以下のサービス(機能)について自動起動設定を無効化する必要があります。

サービス(機能)

起動用unitファイル

停止用unitファイル

Interstage運用管理機能

FJSVtd_start.service

FJSVtd_stop.service

CORBAサービス

FJSVod_start.service

FJSVod_stop.service

Interstage HTTP Server

FJSVihs_start.service

FJSVihs_stop.service

Interstage HTTP Server 2.4

FJSVahs_start.service

FJSVahs_stop.service

GlassFish機能のInterstage PCMI サービス

FJSVpcmiglassfish5_start.service

FJSVpcmiglassfish5_stop.service

Interstage ディレクトリサービス

FJSVirep_start.service

FJSVirep_stop.service

以下の手順に従って、Interstage Application Server自動起動設定の無効化を行います。

=操作手順=
  1. 対象のサービスを停止します。

  2. 「stop」およびunitファイル名を指定して、systemctlコマンドを実行します。本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。
    また、<起動用unitファイル名>および<停止用unitファイル名>には、フルパスではなくファイル名だけを指定してください。

    # systemctl stop <起動用unitファイル名> <停止用unitファイル名>
  3. 「disable」およびunitファイル名を指定して、systemctlコマンドを実行します。本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。
    また、<起動用unitファイル名>および<停止用unitファイル名>には、フルパスではなくファイル名だけを指定してください。

    # systemctl disable <起動用unitファイル名> <停止用unitファイル名>

注意

  • 本作業はシステム管理者権限で行ってください。

  • Interstage Application Serverをインストールするときに選択した機能に応じて、起動用unitファイル/停止用unitファイルが存在しない場合があります。存在しないファイルは対処不要です。

13.1.2.2 Interstage Application Serverの初期化

スクリプト(lminitIS.sh)を使用してInterstage Application Serverを初期化します。

スクリプトの格納場所
/opt/FJSVlstm/setup/cluster

lminitIS.shスクリプト

注意

スクリプトの実行は、システム管理者権限で行ってください。

[機能]

Interstage Application Serverを初期化します。

[記述形式]

スクリプトの記述形式を示します。オプションは、半角空白で区切って指定します。

[ ] は、指定を省略できることを示します。

{ } は、複数項目の中から1項目のみ指定できることを示します。

| は、複数項目の中から1項目のみ指定する項目を示します。

lminitIS.sh <ip-address> <host-name> {node1|node2} <user> <password> [<port>]
[説明]

オプションについて説明します。

<ip-address>

引き継ぎIPアドレスを指定します。

<host-name>

引き継ぎIPアドレスに対応するホスト名を指定します。

英字から始まり半角英数字だけからなる文字列を14文字以内で指定してください。

引き継ぎIPアドレスに対応するホスト名については、以下を参照してください。
⇒“12.5.2.3 引継ぎネットワークリソースの設定

{node1|node2}

ノード種別を指定します。

運用ノードの場合は「node1」、待機ノードの場合は「node2」を指定します。

<user>

Interstage Application Serverのインストール時に設定したGlassFish 5の管理ユーザーIDを指定します。

管理ユーザーIDは、1文字以上255文字以下にしてください。

管理ユーザーIDには、以下の文字が使用できます。

  • 半角英数字

  • 半角アンダースコア “_”

  • 半角ハイフン “-”

  • 半角ピリオド “.”

本オプションは省略できません。必ず指定してください。

<password>

Interstage Application Serverのインストール時に設定したGlassFish 5の管理者パスワードをパスワードファイルに記述します。

パスワードファイルはフルパスを指定します。パス長は、255文字以内にしてください。

指定するパス名の前後に"を付加してください。

文字列中に「"」、「\」、「`」を含む場合は、「\"」、「\\」、「\`」と記載してください。

文字列中に!を含む場合は、シェルを/bin/shに切り替えてから、lminitIS.shスクリプトを実行してください。

本オプションは省略できません。必ず指定してください。

パスワードファイルの書式は以下のように定義します。

   AS_ADMIN_PASSWORD=管理者パスワード

下線のパスワードには、Interstage Application Serverのインストール時に設定したGlassFish 5の管理者パスワードを記述してください。

パスワードは8バイト以上、20バイト以内にしてください。

パスワードには、以下の文字が使用できます。

  • 半角英数字

  • 半角アンダースコア "_"

  • 半角ハイフン "-"

  • 半角アポストロフィー"'"

  • 半角ピリオド"."

  • 半角アットマーク"@"

  • 半角プラス記号"+"

注意

セキュリティの観点上、本ファイルに記述したパスワードを保護するため、以下を推奨します。

  • 本ファイルの所有者をrootに設定する

  • テキストエディタにより作成したパスワードファイルのアクセス権を600に設定する

  • パスワードファイルは不要になった時点で削除する

<port>

Interstage Application Serverのインストール時に設定したGlassFish 5の運用管理用HTTPリスナーポートを指定します。(省略可)

本オプションを省略した場合は、「12041」を指定したとみなします。

[復帰値]

0 正常終了

1 異常終了


以下の手順に従って、Interstage Application Serverの初期化を行います。

=操作手順=
  1. スクリプトを実行します。

    パラメーターを以下の順で指定します。

    • IPアドレス
      引き継ぎIPアドレスを指定します。
      引き継ぎIPアドレスについては、以下を参照してください。
      ⇒“12.5.2.3 引継ぎネットワークリソースの設定

    • ホスト名
      引き継ぎIPアドレスに対応するホスト名を指定します。
      引き継ぎIPアドレスに対応するホスト名については、以下を参照してください。
      ⇒“12.5.2.3 引継ぎネットワークリソースの設定

    • ノード種別
      運用ノードを表す「node1」を指定します。

    • 管理ユーザーID

    • 管理者パスワードのファイルパス

    以下に、スクリプト実行例を示します。

    /opt/FJSVlstm/setup/cluster/lminitIS.sh 192.168.0.3 lmtakeover node1 admin "/work/pwd.txt"

    上記の例では、クラスタサービスで引き継がれるIPアドレスとして「192.168.0.3」、引き継がれるIPアドレスに対応するホスト名として「lmtakeover」、管理ユーザーIDは「admin」、管理者パスワードファイルのパスは「/work/pwd.txt」を使用しています。

    注意

    • スクリプトの実行は、システム管理者権限で行ってください。

    • 引き継ぎIPアドレス、引き継ぎホスト名の妥当性はチェックしません。

  2. 「Do you want to execute the Interstage initialization? (default:n) [y/n] 」に対し、「y」を入力して「Enter」キーを押下します。

  3. 「Interstage initialization is completed.」のメッセージが出力されることを確認します。

    「Interstage initialization is not completed. Refer to the error message.」のメッセージが出力された場合は、以下のことを確認してください。

    • Interstage Application Serverが正常にインストールされている

    • システムパラメーターに必要な値が設定されている

    • ログファイル(lminitIS.log)に出力されているエラーメッセージ

    ログファイルは、スクリプトの実行カレントディレクトリに出力されます。

13.1.2.3 Webアプリケーションサーバの環境構築

Webアプリケーションサーバの環境構築を行います。

Webアプリケーションサーバの環境構築については、オンラインマニュアル“セットアップガイド”を参照してください。

13.1.2.4 GlassFish Serverクラスター自動起動の設定

ノードの切り替え時にGlassFish Serverクラスターを自動で起動および停止するためのひな型が以下に格納されています。

格納元    :/opt/FJSVlstm/setup/wu/sample/
ファイル名:lm-cl8start.sh
            lm-cl8stop.sh
            pcmi.properties
  1. ノード切り替え時に実行されるスクリプトの作成

    ノード切り替え時に実行されるスクリプトを作成します。以下のひな型を“帳票印刷配信機能セットアップガイド”の“6.6 GlassFish Serverクラスターの起動/停止/自動起動・自動停止設定”の手順に従って作成し、格納します。

    格納先    :[運用資産格納ディレクトリ]/pcmi/adapter/
    ファイル名:lm-cl8start.sh
                lm-cl8stop.sh

    [運用資産格納ディレクトリ]は、Interstage Application Serverのインストール時に設定したディレクトリを指します。

    注意

    スクリプトの復帰値を変更しないでください。

    スクリプトは正常終了時に「0」で復帰する必要があります。

  2. ノード切り替え時に実行されるファイルの登録

    ノード切り替え時に実行されるスクリプトの登録を行います。

    以下のひな型を複写先フォルダに複写してください。

    格納元    :/opt/FJSVlstm/setup/wu/sample/
    ファイル名:pcmi.properties
    複写先    :[運用資産格納ディレクトリ]/pcmi/adapter/

    [運用資産格納ディレクトリ]は、Interstage Application Serverのインストール時に設定したディレクトリを指します。

    注意

    複写先に既にpcmi.propertiesが格納されている場合、上書きするとそれまでOSの起動または停止時にそれぞれ自動起動・自動停止されていたスクリプトが起動・停止されなくなります。

    その場合は、もともと自動起動・自動停止の設定をしていたスクリプト内でlm-cl8start.shおよびlm-cl8stop.shを呼び出す処理を追記するなどの対処を検討してください。