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PRIMECLUSTER  導入運用手引書 4.7

6.7.7 クラスタアプリケーションの排他関係

クラスタアプリケーションに排他関係を設定した場合、排他関係にあるクラスタアプリケーションが1つのクラスタノードで同時に運用状態にならないようにします。排他関係はスタンバイ運用のクラスタアプリケーション間にだけ設定できます。フェイルオーバが発生した場合は、排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度で運用を継続するクラスタアプリケーションを決定します。

排他制御は、同一グループのクラスタアプリケーション間で行われます。

参考

  • 排他関係を設定するには、排他関係を設定するクラスタアプリケーションのグループを作成します。グループは最大52個まで作成することができます。

  • 排他関係の設定については、“6.7.2.1 スタンバイ運用のクラスタアプリケーション作成”を参照してください。

  • 排他関係を設定するクラスタアプリケーションの Standby 状態への遷移は、StandbyTransitions 属性に従います。

注意

あるノードでクラスタアプリケーションがFaulted状態となっている場合、そのノード上で排他関係にあるクラスタアプリケーションを新たに起動して運用状態にすることはできません。後から起動されたクラスタアプリケーションは業務優先度にかかわらず停止されます。

これは、Faulted状態のクラスタアプリケーション配下のリソースがすべて停止できていない可能性があることが理由です。

このような場合には、Faulted状態のクラスタアプリケーションに対し Faulted 状態のクリアを実施して Offline状態としてから、排他関係にあるクラスタアプリケーションを起動してください。

クラスタアプリケーションの Faulted状態のクリア操作については、“7.2.2.4 Faulted 状態のクラスタアプリケーションを運用可能な状態にする”を参照してください。

排他関係にあるクラスタアプリケーションのフェイルオーバ時の動作を、以下の場合に分けて説明します。

以下の例では、1つの同一グループのクラスタアプリケーション間の排他関係について説明します。複数のグループが存在する場合でも、同一グループのクラスタアプリケーションの動作は同じです。

■排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度が異なる場合

業務優先度の高いクラスタアプリケーションが運用中であるノード、または業務優先度の高いクラスタアプリケーションがフェイルオーバしてきたノードでは、業務優先度の高いクラスタアプリケーションの起動を最優先するため、運用中の業務優先度の低いクラスタアプリケーションは強制終了されます。

以降の図中の各状態は以下を表しています。

●業務優先度が高いクラスタアプリケーションのフェイルオーバ

業務優先度の高いクラスタアプリケーションがフェイルオーバする場合、業務優先度の高いクラスタアプリケーションが常に運用状態になります。

●業務優先度が低いクラスタアプリケーションのフェイルオーバ

業務優先度の低いクラスタアプリケーションがフェイルオーバする場合、フェイルオーバするノード上に運用状態の業務優先度の高いクラスタアプリケーションが存在しないときだけフェイルオーバします。

■排他関係にあるクラスタアプリケーションの業務優先度が同一の場合

すでに運用中であるクラスタアプリケーションの運用を継続します。

すでにクラスタアプリケーションが運用中であるノードでは、後から起動するクラスタアプリケーションが停止されます。