ノード検出は[検出モード]の設定によって動作が異なります。[検出モード]の設定により、以下の方法によってノード情報の収集を行います。
[高速]モード
[カスタム]のモードにて[ARPテーブルを参照する]をチェック
[確実]モード
[カスタム]のモードにて[ノードに接続し検索する]をチェック
[詳細設定]ボタンで、[ICMP]をチェック
ICMP以外のプロトコル(HTTP,TELNET,FTP等)を使用する方法
[確実]モードをチェックし、[ICMP以外のプロトコル(HTTP,TELNET,FTP等)も使用する]をチェック
[カスタム]のモードにて[ノードに接続し検索する]をチェック
[詳細設定]ボタンで、使用するプロトコルをチェック
[カスタム]のモードにて[ARPテーブルを参照する]と[ノードに接続し検索する]を共にチェックしない
ARPテーブルを参照する方法
動作概要
SNMPエージェントの応答が確認できるコンピュータやネットワーク機器のARPテーブルから、IPアドレス、MACアドレスを、SNMPを使って取得し、そのIPアドレスについての情報を収集します。
なお、ARPテーブルから取得できるノードは、ARPテーブルの保持時間に依存します。そのため、検出を行うタイミングによっては、すでに存在しなくなったノードが検出されたり、実在するノードであっても検出されない場合があります。
前提条件
対象ノードのSNMPエージェントが、ノード検出を行う運用管理サーバ、または、部門管理サーバからのSNMP要求に対する応答を返すようにしておく必要があります。
取得ノード数と処理時間
ARPテーブルのノード数、または、SNMPエージェントの応答が確認できる数に依存します。
高速にノードを検出するため、ARPテーブルを参照する際のSNMPエージェントのバージョンは、[ノード検出]ダイアログボックスで指定した[SNMPエージェント]の[バージョン]に基づいたバージョンになります。
指定したSNMPエージェントのバージョンと、ARPテーブル参照に使用するSNMPエージェントのバージョンの対応は、以下の通りです。
指定した | ARPテーブル参照に使用する |
---|---|
SNMPv1 | SNMPv1 |
SNMPv2C | SNMPv2C |
SNMPv1→SNMPv2C | SNMPv1 |
SNMPv2C→SNMPv1 | SNMPv2C |
SNMPv3 | SNMPv3 |
SNMPv3→SNMPv2C→SNMPv1 | SNMPv3 |
注意事項
ARPテーブルから取得できるノードは、ARPテーブルの保持時間に依存します。
そのため、検出を行うタイミングによっては、すでに存在しなくなったノードが検出されたり、実在するノードであっても検出されない場合があります。
ICMPを使用する方法
動作概要
対象とするサブネット内の全IPアドレスに対して、ICMP-Echo-Requestを発行し、それに対する応答があったIPアドレスについての情報を収集します。
前提条件
対象ノードが、ノード検出を行う運用管理サーバ、または、部門管理サーバからのICMP要求に対する応答を返すようにしておく必要があります。
取得ノード数と処理時間
ノード検出の設定の違いによる処理時間について、以下に事例を示します。(SNMPv1で検出した場合)
検出対象
サブネット数 | 8 |
1サブネット当たりのIPアドレス数 | 254 |
ICMP応答ノード数 | 300 |
検出条件
パターン | ポリシー設定先 | [検出モード] | [タイムアウト時間] | [リトライ回数] |
---|---|---|---|---|
パターンA | 部門 | [確実] | 3 | 2 |
パターンB | 部門 | [確実] | 1 | 1 |
パターンC | 部門 | [カスタム] | 3 | 2 |
パターンD | セグメント | [確実] | 3 | 2 |
パターンE | セグメント | [確実] | 1 | 1 |
パターンF | セグメント | [カスタム] | 3 | 2 |
ノード検出を行うサーバの仕様
【Windows版】
OS | Windows Server 2003 STD/Windows Server 2003 DTC/Windows Server 2003 EE |
CPU | Pentium4 2.80GHz HT |
メモリ | 512MB |
【Solaris版】
OS | Solaris 9 |
CPU | UltraSPARC-IIe 500MHz |
メモリ | 512MB |
【Linux版】
OS | Red Hat Enterprise Linux AS |
CPU | Pentium 4 1.4GHz |
メモリ | 640MB |
処理時間と取得ノード数
パターン | Windows版 | Solaris版 | Linux版 | 取得ノード数 |
---|---|---|---|---|
パターンA | 40分11秒 | 38分52秒 | 42分04秒 | 多 |
パターンB | 15分14秒 | 19分29秒 | 17分07秒 | |
パターンC | 4分26秒 | 4分14秒 | 3分35秒 | |
パターンD | 6分11秒 | 8分25秒 | 6分31秒 | |
パターンE | 2分30秒 | 5分14秒 | 3分07秒 | |
パターンF | 1分15秒 | 3分31秒 | 1分21秒 |
注意事項
[カスタム]モードにて、[ICMP多重度]の値を大きく設定した場合は、ネットワーク上に同時にICMPパケットが発行され、ネットワーク負荷が高くなり、パケットの消失が発生しやすくなります。
また、ICMPを用いる処理全般に影響を及ぼすため注意が必要です。
ICMP以外のプロトコル(HTTP,TELNET,FTP等)を使用する方法
動作概要
検出モードにおいて[ノードに接続して検索する]モードを選択したときの動作
[接続方法]で設定したすべてのプロトコルを用いて検索を実施します。
ICMP
SNMP(161/udp)
HTTP(80/tcp)
FTP(21/tcp)
TELNET(23/tcp)
DNS(53/tcp)
POP3(110/tcp)
SMTP(25/tcp)
HTTPS(443/tcp)
一部の接続方法でノードの検出を確認した場合は、そのノードへの検出処理を終了します。その後、他の接続方法ですでに検出されたノードに対する処理は行いません。
前提条件
対象ノードが、ノード検出を行う運用管理サーバ、または、部門管理サーバからのプロトコルの要求に対する応答を返すようにしておく必要があります。
その他
動作概要
ブロードキャストアドレスに対して、特定MIB(ipAdEntAddr)を取得するSNMP要求を送信し、それに対する応答があったIPアドレスについての情報を収集します。
なお、ブロードキャストアドレスに対するSNMP要求に対する応答を返すノードが存在しない場合は、ノードは検出されません。
前提条件
対象ノードのSNMPエージェントが、ノード検出を行う運用管理サーバ、または、部門管理サーバからのブロードキャストアドレスに対するSNMP要求に対する応答を返すようにしておく必要があります。
取得ノード数と処理時間
SNMPエージェントの応答が確認できる数に依存します。
複数サブネットに属するノード
検出したノードが複数のサブネットに属する場合には、以下の順序で自動的にネットワーク振り分けが行われます。
SNMPエージェントが返すsysNameの値とIPアドレスから求めた名前を比較し、一致したネットワーク側に追加します。
SNMPエージェントが返すsysNameの値とIPアドレスから求めた名前が一致しない場合は、SNMPエージェントが最初に返したインタフェース側のネットワークに追加します。
SNMPの要求に応答しない場合は、ノード検出の設定を行ったネットワークに、1つのインタフェースを持つノードとして追加します。ノードが属するネットワークをそれぞれノード検出した場合は、別々のノードとして、それぞれのネットワークに追加します。
したがって、ノード検出の設定を行ったネットワークとは別のネットワークに振り分けられる場合もあります。
コミュニティ名について
[既存ノードを更新する]を行う場合は、MIB情報を取得する際に用いる[コミュニティ名]は、各ノードの[ノードプロパティ]の[ネットワーク]タブ内の[Rコミュニティ名]を用います、それ以外の場合は、サブネットフォルダに設定されているものを用います。
ポーリングの設定
[ポーリング間隔指定]を選択してポリシーを設定した場合、最初にポリシー設定を適用した時点、または、動作時間帯の開始時刻に必ず最初のポーリングが行われます。それ以降のポーリングは、監視処理が終了してから[ポーリング間隔指定]にて指定された時間が経過するごとに行われます。また、動作時間帯の終了時刻以前に処理を開始すると、終了時刻を過ぎても、処理が終了するまで実行されます。
ポリシーの設定変更について
[ポーリング間隔]の設定を変更した場合、監視スケジュールが変更されます。
[ポーリング間隔]以外の設定を変更した場合は、監視スケジュールは変更されません。
例1)
0:00に[ポリシーの設定]:[有効]、[ポーリング間隔]:30分のポリシーを適用します。
0:20に[ポリシーの設定]:[有効]、[ポーリング間隔]:1分のポリシーを適用します。
→0:30ではなく、0:21に監視が行われます。
例2)
0:00に[ポリシーの設定]:[無効]、[ポーリング間隔]:30分のポリシーを適用します。
0:20に[ポリシーの設定]:[有効]、[ポーリング間隔]:30分のポリシーを適用します。
→0:50ではなく、0:30に監視が行われます。