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Systemwalker Operation Manager V17.0.1 クラスタ適用ガイド UNIX編

3.4.2 クラスタシステム運用時のリストア手順

クラスタシステム上でSystemwalker Operation Managerの資源をリストアする手順の概要は以下のとおりです。手順は、リストアコマンドの実行、セキュリティの反映、カレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報のリストア以外は、バックアップの手順と同じです。詳細は、“3.4.1 クラスタシステム運用時のバックアップ手順”を参照してください。

  1. 運用系のデーモンを停止する

    運用系で動作しているSystemwalker Operation Managerの各デーモンを停止します。デーモンの停止方法は、“3.2 クラスタシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

  2. 運用系に共有ディスクをマウントする

    クラスタシステムの管理機能でデーモンを停止したことにより、共有ディスクのマウントが外れてしまうため、手動で運用系に共有ディスクをマウントします。

    N:1運用待機の場合は、共有ディスクへのシンボリックリンクも削除されてしまうため、手動でシンボリックリンクを作成します。

    2ノード相互待機の場合は、待機系のサブシステムの、ジョブ実行制御のシンボリックリンクをいったん削除します。

  3. 運用系でリストアを行う

    運用系でリストアコマンド(mprsoコマンド)を実行します。

    # /opt/systemwalker/bin/mprso -b バックアップされた情報の格納先のディレクトリ名

    バックアップされた情報の格納先のディレクトリ名が、“/var/tmp/OMGRBack”の場合の例を以下に示します。

    # /opt/systemwalker/bin/mprso -b /var/tmp/OMGRBack

    mprsoコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。

      

    次の4、5の手順は、1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)の場合のみ実施します。待機系でクラスタ運用していないサブシステムの資源をリストアするための手順です。クラスタ運用していないサブシステムの資源をリストアしない場合、4、5の手順は不要です。

  4. 待機系のデーモンを停止する

    待機系で動作しているSystemwalker Operation Managerの各デーモンを停止します。クラスタシステムに登録していないサブシステムのみを停止するため、以下のコマンドを実行します。

    # /opt/systemwalker/bin/poperationmgr
  5. 待機系でリストアを行う

    クラスタシステムに登録していないサブシステムのリストアを、待機系で実施します。

    待機系で、クラスタシステムに登録されているサブシステムの、ジョブ実行制御のシンボリックリンクをいったん削除します。

    待機系でリストアコマンド(mprsoコマンド)を実行します。

    # /opt/systemwalker/bin/mprso -b バックアップされた情報の格納先のディレクトリ名

    バックアップされた情報の格納先のディレクトリ名が、“/var/tmp/OMGRBack”の場合の例を以下に示します。

    # /opt/systemwalker/bin/mprso -b /var/tmp/OMGRBack

    mprsoコマンドの詳細については、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。

    待機系で削除したジョブ実行制御のシンボリックリンクを再度、作成します。

  6. セキュリティ情報を共有ディスクに反映する

    N:1運用待機の場合、クラスタシステムの管理機能でデーモンを停止したことにより、セキュリティ情報の自動反映の設定が解除されるため、以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。

    mpaclcls

    以下のコマンドを実行し、運用系のセキュリティ情報を共有ディスクに反映します。

    1:1運用待機(サブシステムなし)、1:1運用待機(サブシステムあり)、N:1運用待機、カスケードの場合
    mpcssave
    1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)、2ノード相互待機の場合
    mpcssave -s 運用系のサブシステム番号
  7. 共有ディスクのマウントを外す

    手動で行った共有ディスクのマウントを外します。

    N:1運用待機の場合は、共有ディスクへのシンボリックリンクも削除します。

    2ノード相互待機の場合は、待機系のサブシステムの、ジョブ実行制御のシンボリックリンクを再度、作成します。

  8. 運用系のデーモンを起動する

    運用系で、Systemwalker Operation Managerの各デーモンを起動します。デーモンの起動方法は、“3.2 クラスタシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

  9. 待機系へ情報を複写する

    下記の情報ファイルを、運用系から待機系へ複写します。

    • 監視ホスト定義情報

    • パスワード管理簿情報/ホスト情報定義

    • ジョブフォルダ情報

    • Webコンソール定義情報

複写する情報の詳細については、“2.9.3 Systemwalker Operation Managerの環境定義の統一”を参照してください。


カレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報のリストアについて

運用系でのリストア完了後、待機系にバックアップ時よりも以下の新しいデータがある場合は、自動的に運用系に運用中の最新データが反映されます。

次のような運用を行う場合は、それぞれ以下の手順に従ってください。

バックアップ時のデータを使用したい場合(バックアップ時のデータよりも新しいデータは使用しない場合)

全ノードでSystemwalker Operation Managerのデーモンを停止後、各ノードの以下のファイルを削除してください。削除後、リストアを行うことにより、全ノードに対してバックアップ時の定義によって統一されます。

Systemwalker Operation Managerのデーモンの停止方法は、“3.2 クラスタシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

SYSTEM_CALENDARまたは、サービス・アプリケーション起動情報を自動反映の対象としていない場合

以下の定義内容のいずれかにおいて、各ノード上で固有の定義を行っている場合は、バックアップおよびリストアを各ノードで行う必要があります。

各ノードのバックアップとリストアを行う手順は以下です。

[バックアップ手順]

  1. 運用系のノードでバックアップを行います。

    バックアップ手順の詳細は、“3.4.1 クラスタシステム運用時のバックアップ手順”を参照してください。

  2. 待機系のノードの、以下のファイルをコピーコマンドで個別に退避します。

    • PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合

      /var/opt/FJSVjmcal/caldb/*.*
      /var/opt/FJSVjmcal/srvapp/f3crhsvb.ini
    • MC/ServiceGuardの場合

      /opt/FHPjmcal/caldb/*.*
      /opt/FHPjmcal/srvapp/f3crhsvb.ini
    • HACMPの場合

      /opt/FAIXjmcal/caldb/*.*
      /opt/FAIXjmcal/srvapp/f3crhsvb.ini

    このとき、運用系と待機系のバックアップが共に完了するまでカレンダの保存、およびサービス・アプリケーション起動情報の保存は行わないでください。

[リストア手順]

  1. Systemwalker Operation Managerのデーモンを運用系および待機系ともに停止します。

    Systemwalker Operation Managerのデーモンの停止方法は、“3.2 クラスタシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

  2. 運用系でバックアップを行ったバックアップデータを運用系側にリストアします。

    リストア手順の詳細は、“3.4.2 クラスタシステム運用時のリストア手順”を参照してください。

  3. 待機系へのリストアを実施します。

    [バックアップ手順]の2.で退避を行ったファイルを待機系のノードにコピーします。コピー先はバックアップを行ったディレクトリと同一の場所です。

  4. 運用系および待機系で、Systemwalker Operation Managerのデーモンを起動します。

    Systemwalker Operation Managerのデーモンの起動方法は、“3.2 クラスタシステムにおけるデーモンの起動/停止”を参照してください。

参考

各ノードで自動反映の設定内容を確認するには、calsetclusterコマンドで行います。

  • PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合

    # /opt/FJSVjmcal/bin/calsetcluster -v
  • MC/ServiceGuardの場合

    # /opt/FHPjmcal/bin/calsetcluster -v
  • HACMPの場合

    # /opt/FAIXjmcal/bin/calsetcluster -v

コマンドを実行した結果、標準出力に“Disable”と表示されている項目は、自動反映の対象となっていません。