以下の情報を運用系と待機系とで自動反映するための設定をします。
セキュリティ情報
カレンダ情報
日変わり時刻
カレンダ休日情報
SYSTEM_CALENDARのスケジュール情報、電源スケジュール情報、終了監視情報
サービス・アプリケーション起動情報
アプリケーション起動情報
なお、クラスタシステムを構成する実行サーバでは、設定は不要です。
セキュリティ情報の自動反映の設定
セキュリティ情報を自動反映するための手順を説明します。
注意
アクセス権を設定するユーザ数が多い場合、クラスタの切り替わりに時間を要します。
目安として100人を超えるユーザを設定する場合は、検証によりクラスタの切り替わり時間を確認してください。
切り替わりにおいて設計以上に時間を要する場合、以下のいずれかの対策を検討してください。
アクセス権のユーザをグループでまとめる
不要なユーザを削除する
【Solaris版】【Linux版】監視スクリプトの監視開始時間(デフォルト60秒)を見直す(拡張)
監視スクリプトは、以下にサンプルが提供されています。
Solaris版:/opt/FJSVJMCMN/etc/script/omgr_smonitor
Linux版:/opt/FJSVJMCMN/etc/script/omgr_smonitor
1:1運用待機(サブシステムなし)、1:1運用待機(サブシステムあり)、N:1運用待機、カスケードの場合の設定
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合
運用系で以下の手順で設定します。コマンドラインは、Solaris版の例で説明しています。
共有ディスクをマウントします。共有ディスクが/disk1の場合の例を以下に示します。
# mount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。(デバイス装置が/dev/sdb1、共有ディスクが/disk1の場合の例)
# /bin/mount /dev/sdb1 /disk1
N:1運用待機の場合は、共有ディスクへのシンボリックリンクを作成します。
# rm /var/opt/FJSVfwseo/JM 2> /dev/null # ln -s /disk1/FJSVfwseo/JM /var/opt/FJSVfwseo/JM
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。共有ディスクが/disk1の場合の例を以下に示します。
# umount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。
# /bin/umount /disk1
N:1運用待機の場合は、すべての運用系で1.から5の手順を行います。このとき、共有ディスクはそれぞれの運用系の共有ディスクを指定してください。
MC/ServiceGuardの場合
運用系で以下の手順で設定します。
共有ディスクをマウントします。デバイス装置が/dev/vg01、共有ディスクが/disk1の場合の例を以下に示します。
# vgchange -a e /dev/vg01 # mount /disk1
N:1運用待機の場合は、共有ディスクへのシンボリックリンクを作成します。
# rm /var/opt/FJSVfwseo/JM 2> /dev/null # ln -s /disk1/FJSVfwseo/JM /var/opt/FJSVfwseo/JM
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。共有ディスクが/disk1の場合の例を以下に示します。
# umount /disk1 # vgchange -a n /dev/vg01
N:1運用待機の場合は、すべての運用系で1.から5の手順を行います。このとき、共有ディスクはそれぞれの運用系の共有ディスクを指定してください。
HACMPの場合
運用系で以下の手順で設定します。
共有ディスクをマウントします。共有ディスクのボリューム名が“datavg1”、共有ディスクへのマウントポイントを“/disk1”とした場合の例を以下に示します。
# varyonvg datavg1 # mount /disk1
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。共有ディスクが/disk1の場合の例を以下に示します。
# umount /disk1 # varyoffvg datavg1
1:1運用待機(サブシステムあり、一部クラスタ運用)の場合の設定
注意
この設定は、クラスタに登録するサブシステムのみに設定するようにしてください。
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)の場合
サブシステム1をクラスタ運用で動作させ、“/disk1”を共有ディスクへのマウントポイントとした場合を例として設定手順を説明します。コマンドラインは、Solaris版の例で説明しています。
運用系で以下の手順で設定します。
共有ディスクをマウントします。
# mount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。(デバイス装置が/dev/sdb1、共有ディスクが/disk1の場合の例)
# /bin/mount /dev/sdb1 /disk1
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。
# /bin/umount /disk1
MC/ServiceGuardの場合
サブシステム1をクラスタ運用で動作させ、デバイス装置を“/dev/vg01”、共有ディスクへのマウントポイントを“/disk1”をとした場合を例として設定手順を説明します。
運用系で以下の手順で設定します。
共有ディスクをマウントします。
# vgchange -a e /dev/vg01 # mount /disk1
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1 # vgchange -a n /dev/vg01
HACMPの場合
サブシステム1をクラスタ運用で動作させ、共有ディスクのボリューム名を“datavg1”、共有ディスクへのマウントポイントを“/disk1”をとした場合を例として設定手順を説明します。
運用系で以下の手順で設定します。
共有ディスクをマウントします。
# varyonvg datavg1 # mount /disk1
以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1 # varyoffvg datavg1
2ノード相互待機の場合の設定
以下のクラスタ構成の場合の例を説明します。
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合
ノードaで、共有ディスクをマウントします。
# mount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。(デバイス装置が/dev/sdb1、共有ディスクが/disk1の場合の例)
# /bin/mount /dev/sdb1 /disk1
ノードaで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。
# /bin/umount /disk1
ノードbで、共有ディスクをマウントします。
# mount /disk2(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。(デバイス装置が/dev/sdb2、共有ディスクが/disk2の場合の例)
# /bin/mount /dev/sdb2 /disk2
ノードbで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 2
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 2
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk2(注)
Linux版は、以下のコマンドラインになります。
# /bin/umount /disk2
MC/ServiceGuardの場合
ノードaで、共有ディスクをマウントします。
# vgchange -a e /dev/vg01 # mount /disk1
ノードaで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1 # vgchange -a n /dev/vg01
ノードbで、共有ディスクをマウントします。
# vgchange -a e /dev/vg02 # mount /disk2
ノードbで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 2
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 2
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk2 # vgchange -a n /dev/vg02
HACMPの場合
ノードaで、共有ディスクをマウントします。
# varyonvg datavg1 # mount /disk1
ノードaで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 1
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 1
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードaで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk1 # varyoffvg datavg1
ノードbで、共有ディスクをマウントします。
# varyonvg datavg2 # mount /disk2
ノードbで以下のコマンドを実行し、クラスタ情報を設定します。
# mpaclcls -s 2
mpaclclsコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで以下のコマンドを実行し、セキュリティ情報を、共有ディスク上のファイルに反映させます。
# mpcssave -s 2
mpcssaveコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
ノードbで、共有ディスクのマウントを外します。
# umount /disk2 # varyoffvg datavg2
カレンダ情報/サービス・アプリケーション起動情報の自動反映の設定
カレンダ情報を自動反映するための手順を説明します。
1)自動反映機能の有効化
参考
自動反映機能とは、Systemwalker Operation Managerをクラスタシステムに登録する運用の場合に、Systemwalker Operation Managerのデーモン機能により、運用系と待機系のカレンダおよびサービス・アプリケーション起動機能の設定情報の同期を自動的に取る機能です。
カレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報の自動反映機能を有効にします。
クラスタシステムを構成するすべての運用系および待機系で、calsetclusterコマンドを実行し、カレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報の自動反映機能を有効にします。
以下にコマンド例を示します。
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合
[1:1運用待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FJSVjmcal/bin/calsetcluster -type s
[N:1運用待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FJSVjmcal/bin/calsetcluster -type n
[2ノード相互待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FJSVjmcal/bin/calsetcluster -type e
[カスケードですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FJSVjmcal/bin/calsetcluster -type c
MC/ServiceGuardの場合
[1:1運用待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FHPjmcal/bin/calsetcluster -type s
[N:1運用待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FHPjmcal/bin/calsetcluster -type n
[2ノード相互待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FHPjmcal/bin/calsetcluster -type e
HACMPの場合
[1:1運用待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FAIXjmcal/bin/calsetcluster -type s
[2ノード相互待機ですべての情報を自動反映の対象とする例]
# /opt/FAIXjmcal/bin/calsetcluster -type e
calsetclusterコマンドの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
2)自動反映先ホストの設定
運用系、待機系それぞれの定義ファイル“calcphost.def”にカレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報の反映先ホストを定義します。
複数の物理IPアドレスを使用するノードにおいて、自ホストに対するIPアドレス(hostsファイルなど名前解決手段により求められるIPアドレス)とは異なるIPアドレス(以降“特定のIPアドレス”と呼びます)を使用して自動反映を実施したい場合は、“特定のIPアドレス”を使用するノードにおいて、3.~5.の手順を実施してください。自ホストに対するIPアドレス(hostsファイルなど名前解決手段により求められるIPアドレス)を使用する場合は、以下の3.~5.の手順は不要です。
定義ファイル“calcphost.def”をviなどのエディタで開きます。
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合
/var/opt/FJSVjmcal/etc/calcphost.def
MC/ServiceGuardの場合
/opt/FHPjmcal/etc/calcphost.def
HACMPの場合
/opt/FAIXjmcal/etc/calcphost.def
クラスタシステムを構成するすべてのノードの、物理IPアドレスまたは物理IPアドレスに対応するホスト名を記述します。物理IPアドレスで記述することを推奨します。
定義ファイルには、必ず自ノードのホスト名または物理IPアドレスを含めて記述してください。
また、定義ファイル“calcphost.def”は、クラスタシステムを構成するすべてのノードで、同じ内容を記述してください。
複数の物理IPアドレスを使用するノードにおいては、ホスト名ではなく、物理IPアドレスを記述してください。“特定のIPアドレス”を自動反映先として設定する場合は、“特定のIPアドレス”として使用する物理IPアドレスを記述してください。
“特定のIPアドレス”を使用するノードにおいて、定義ファイル“myhostip.def”をviなどのエディタで開きます。
PRIMECLUSTER(Solaris版、Linux版)、Oracle Solaris Clusterの場合
/var/opt/FJSVjmcal/etc/myhostip.def
MC/ServiceGuardの場合
/opt/FHPjmcal/etc/myhostip.def
HACMPの場合
/opt/FAIXjmcal/etc/myhostip.def
“特定のIPアドレス”として使用する物理IPアドレスを記述します。
XXX.XXX.XXX.XXX
注意.英数字および区切りの“.”または“:”のみ使用してください。 先頭・末尾の空白や改行コードなど、上記の文字以外を含めないでください。
定義ファイル“myhostip.def”にアクセス権を設定します。
管理者に対する書き込み権限、および、すべてのユーザに対して読み取り権限を設定してください。
# chmod 644 /var/opt/FJSVjmcal/etc/myhostip.def
定義ファイルの内容を有効にするには、カレンダデーモンを起動してください。
定義ファイル“calcphost.def”の詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンス集”を参照してください。
注意
すでに運用中のノードを自動反映の対象とする場合は、あらかじめポリシー配付を実施して、すべてのノード上のカレンダ情報およびサービス・アプリケーション起動情報を同一にしてください。ポリシー抽出する情報は、“カレンダ”および“サービス・アプリケーション起動”のうち、自動反映の対象とする情報です。
注意
定義ファイル“myhostip.def”について
定義ファイル“myhostip.def”に記述した物理IPアドレスは、カレンダ反映先ホスト定義ファイル“calcphost.def”に存在している必要があります。また、存在しないIPアドレス、不当な記述形式の場合、カレンダ情報の自動反映は有効となりません。
定義ファイル“myhostip.def”は、Systemwalker Operation Managerのバックアップ・リストアの対象になりません。必要な場合は、手動でバックアップ・リストアを行ってください。