運用中のList Worksにおけるフォルダ配下の帳票、印刷資源、データベースを退避する方法について説明します。
退避の手順を以下に示します。
注意
退避したフォルダ、フォルダ配下の帳票、および印刷資源とデータベースは、整合性を保つ必要があります。フォルダ、フォルダ配下の帳票、および印刷資源とデータベースとの不整合を起こさないために、両者のバックアップは同じタイミングで行うよう運用設計をしてください。
退避するために必要なディスク容量は、導入時に運用設計によって見積もった値となります。
ディスク容量の見積もりについては、“インストールガイド”を参照してください。 データベースのディスク容量の見積もりについては、“環境構築手引書”を参照してください。 |
各手順の詳細を以下に示します。
ポイント
インストールディレクトリは、以下の格納場所になります。
List Worksのインストールディレクトリ :/opt
Symfowareのインストールディレクトリ :/opt
RDBシステム名は以下の初期値を用いて説明しています。環境に応じて変更している場合は、値を置き換えてお読みください。
RDBシステム名 :LWDB
手順1:List Worksサービスの停止
List Worksの退避を実施する場合は、必ずList Worksサービスを停止した状態で行ってください。
フォルダの共有運用を行っている場合は、すべてのサーバにおいて、List Worksサービスを停止する必要があります。
注意
保管フォルダを退避するために、List Worksサービスを停止するまえに、第一階層の保管フォルダのプロパティに表示されるフォルダの場所を控えておいてください。
List Worksサービスを停止する際は、List Worksを利用した業務を運用していないことを確認してください。
lwserverコマンドを利用して停止します。
# lwserver stop
lwserverコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。 |
クラスタ運用の場合は、“1.3.2 保管データベースのフラグメンテーションの解消”の“手順4:List Worksサービスの停止”の<クラスタ運用の場合>を参照してください。
注意
List Worksサービスの停止中に、サービスを停止、または再起動しようとすると、エラーとなります。
手順2:フォルダ、印刷資源の退避
以下のフォルダや印刷資源(関連するディレクトリやファイル)をディレクトリごと、別のディレクトリや媒体に複写(退避)します。なお、フォルダの階層構造を変更せずに退避してください。
List Worksシステムディレクトリ
受信フォルダ
保管フォルダ
ファイリングフォルダ
印刷資源
オーバレイ(帳票を表示する際に使用)
帳票項目・オーバレイ位置保存ファイル
オーバレイ世代管理
仕分け定義体(EEのみ)
注意
フォルダの共有運用を行っている場合、List Worksシステムディレクトリ、受信フォルダ、ファイリングフォルダ、印刷資源、および、オーバレイの退避については、各サーバで実施してください。保管フォルダの退避については、いずれか1台のサーバで実施してください。
クラスタ運用を行っている場合、List Worksシステムディレクトリ、受信フォルダ、ファイリングフォルダ、印刷資源、および、オーバレイの退避については、運用ノードおよび待機ノードの各サーバで実施してください。保管フォルダの退避については、運用ノードのサーバで実施してください。
各フォルダ | 格納場所 |
---|---|
List Worksシステムディレクトリ | lvsetsysコマンドで作ったList Worksのシステムディレクトリになります。 |
受信フォルダ | lvlstenvコマンドを実行し、出力結果の「RCV-FOLDER」キーワードの設定値が格納場所になります。 |
保管フォルダ (注1) | 第一階層の保管フォルダのプロパティに表示されるフォルダの場所 |
印刷資源 |
|
オーバレイ (注2) | lvlstenvコマンドを実行し、出力結果の以下のキーワードの設定値が格納場所になります。なお、オーバレイ資源は初期化せず、そのまま退避してください。
|
帳票項目・オーバレイ位置保存ファイル | lvlstenvコマンドを実行し、出力結果の「OVDFLD」キーワードの設定値が格納場所になります。 |
オーバレイ世代管理 | lvlstenvコマンドを実行し、出力結果の「CTRL-OVL」キーワードの設定値が格納場所になります。 |
仕分け定義体(EEのみ) | 扱う帳票によって、仕分け定義体の格納場所が異なります。 (注3)
|
注1:
保管フォルダには、idx、idxpg、mem、srhなどの関連ファイルが含まれます。
注2:
リスト管理サーバの帳票を表示する際に使用するオーバレイです。
注3:
運用によって、仕分け定義体の格納場所を変更している場合は、変更した格納場所の仕分け定義体を退避してください。
手順3:保管データベースの退避
保管データベースの退避方法を説明します。
注意
フォルダの共有運用を行っている場合は、データベースがインストールされているサーバでデータベースの退避を実施してください。
クラスタ運用を行っている場合は、待機ノードのクラスタサービスとデータベースサービスを停止し、運用ノードのサーバでデータベースの退避を実施してください。
データベースのクラスタ運用の詳細については、“Symfowareのマニュアル” または“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。 |
(1) Symfowareデータベースの退避
Symfowareデータベースでは、DSIとRDBディクショナリを退避します。退避する際は、両者に対して更新を抑止させます。
ポイント
データベースの退避は、スーパーユーザで行ってください。
本作業では、データベースの環境構築の際に設定した環境変数が設定されている必要があります。作業を行う前に確認して、必要に応じて設定してください。
環境変数の設定内容については、“環境構築手引書” を参照してください。 |
1.~6.の作業を行うサンプルスクリプト(backupLWDB.sh)が以下の場所に格納されています。日常の定期退避に使用することができます。
「/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/symfo/sample/backup_recovery」ディレクトリ配下
なお、退避先のディレクトリを変更したい場合は、
「/opt/FJSVlw-sv/dbsetup/symfo/sample/rdbdmp_list.cfg」を編集する必要があります。
データベースの退避処理時に出力される可能性の高いメッセージを、“A.1.1 退避時に出力されるメッセージ”に抜粋して掲載しています。参考にしてください。 また、詳細なメッセージの説明については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。 | |
使用するRDBコマンドの詳細については、“Symfowareのマニュアル”を参照してください。 |
RDBディクショナリへの更新抑止の設定
rdbrtrコマンドを使用して、RDBディクショナリに対して更新抑止の設定を行います。
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbrtr -z
※RDBディクショナリへの更新抑止を設定するための固定コマンドです。
# rdbrtr -z
DSIへの更新抑止の設定
rdbrtrコマンドを使用して、以下のDSIに対し更新抑止の設定をします。
LW_USER_TBL_DSI
LW_GROUP_TBL_DSI
LW_USER_ENV_TBL_DSI
LW_LIST_FILE_TBL_DSI
LW_FOLDER_NODE_TBL_DSI
LW_DATAFILE_LOCK_TBL_DSI
LW_ORGANIZATION_TBL_DSI
LW_TRUSTY_TBL_DSI
LW_USER_OBJECT_TBL_DSI
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbrtr -i データベース名.DSI名
# rdbrtr -i LWDB.LW_USER_TBL_DSI
RDBディクショナリのバックアップ
rdbdmpdicコマンドを使用して、RDBディクショナリのバックアップを行います。
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbdmpdic -f 退避ファイル名@退避先のディレクトリパス -N -e -y
※-e -yオプションを付加すると、同名の退避ファイルが存在する場合、無条件に上書きされます。上書きをしない場合はオプションを外して実行します。
# rdbdmpdic -f LW_DIC_DMP@/var/opt/FJSVlw-sv/symfo/data/dic -N -e -y
注意
「退避先のディレクトリパス」に指定するディレクトリ(上記の使用例では
/var/opt/FJSVlw-sv/symfo/data/dic)は、すでに存在するディレクトリを指定します。
存在しない場合は、あらかじめ作成しておく必要があります。
DSIのバックアップ
rdbdmpコマンドを使用して、“2. DSIへの更新抑止の設定”で更新抑止の設定を行った各DSIをバックアップします。
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbdmp -i データベース名.DSI名 -f 退避ファイル名@退避先のディレクトリパス -N -e -y
※-e -yオプションを付加すると、同名の退避ファイルが存在する場合、無条件に上書きされます。上書きをしない場合はオプションを外して実行します。
# rdbdmp -i LWDB.LW_USER_TBL_DSI -f LW_USER_TBL_DSI_DMP@/var/opt/FJSVlw-sv/symfo/data -N -e -y
注意
「退避先のディレクトリパス」に指定するディレクトリ(上記の使用例では
/var/opt/FJSVlw-sv/symfo/data)は、すでに存在するディレクトリを指定します。存在しない場合は、あらかじめ作成しておく必要があります。
RDBディクショナリへの更新抑止の解除
rdbrlsコマンドを使用して、RDBディクショナリに対して設定した更新抑止の設定を解除します。
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbrls -z
※ RDBディクショナリへの更新抑止を解除するための固定コマンドです。
# rdbrls -z
DSIへの更新抑止の解除
rdbrlsコマンドを使用して、“2. DSIへの更新抑止の設定”で更新抑止の設定を行った各DSIに対して更新抑止の設定を解除します。
コマンドの記述形式と使用例を以下に示します。
rdbrls -i データベース名.DSI名
# rdbrls -i LWDB.LW_USER_TBL_DSI
(2) Oracleデータベースの退避
Oracleの各種ツールを使用して退避します。
Oracleの各種ツールの詳細については、“Oracle Databaseのマニュアル”を参照してください。 |
手順4:List Worksサービスの開始
List Worksサービスを開始します。
lwserverコマンドを利用して開始します。
# lwserver start
lwserverコマンドの詳細は、“コマンドリファレンス”を参照してください。 |
クラスタ運用の場合は、“1.3.2 保管データベースのフラグメンテーションの解消”の“手順7:List Worksサービスの開始”の<クラスタ運用の場合>を参照してください。
注意
List Worksサービスの起動中に、サービスを起動、またはコールドスタートしようとすると、エラーとなります。