ここでは、クライアントの環境設定手順を説明します。
PDFリモート印刷プログラムはインストーラ(setup.exe)として提供されています。
このプログラムをインストールし、環境設定することによって、クライアントの環境設定を行います。
このプログラムは、以下のフォルダに、setup.exeとして収められています。
日本語環境にインストールする場合
List Creatorの製品媒体内の\Japanese\pdfrmprtフォルダ
英語環境にインストールする場合
List Creatorの製品媒体内の\English\pdfrmprtフォルダ
注意
インストールにはAdministrators権限が必要です。
一般ユーザによる資源の改ざんなどを防ぐために、PDFリモート印刷プログラムのインストールフォルダ配下のフォルダおよびファイルに対して、必要に応じてアクセス権を変更することを推奨します。
Authenticated UsersやEveryoneを削除して、特定のユーザだけにアクセス権を付与するなどの対処をしてください。
アクセス権設定の詳細は、OSが提供しているマニュアルを参照してください。
PDFリモート印刷プログラムでは、監視する対象となるPDFファイルが格納されるフォルダを設定します。
この設定は、「スタートメニュー」→「すべてのプログラム」→「PDFリモート印刷機能」から行います。
PDFリモート印刷プログラムを起動します。
メニューから[ファイル]-[監視設定の新規登録]を選択します。
「監視フォルダ設定画面」で、各項目を設定します。
設定方法については、以下を参照してください。
⇒ “2.5.2.6 PDFリモート印刷プログラムの監視フォルダ設定画面”
登録した監視設定を選択し、メニューから[ファイル]-[監視開始]を選択します。
PDFリモート印刷プログラムで監視する対象に登録したフォルダには、その配下に3つのフォルダが作成されます。
Dropフォルダ(監視)
印刷を行うPDFファイルを格納するフォルダです。
ポイント
印刷指示を行う順序は以下のとおりです。
NTFSの場合
ファイル名およびフォルダ名のアルファベット順。
FAT/FAT32の場合
ファイルおよびフォルダを媒体に書き込んだ順。
注意
PDFの印刷の順序は保証されません。
Printフォルダ(印刷)
印刷が完了したPDFファイルは、DropフォルダからPrintフォルダに移動されます。
Errorフォルダ(エラー)
印刷時にエラーがあった場合、PDFファイルはDropフォルダからErrorフォルダに移動されます。
注意
印刷するPDFファイルは、監視する対象として登録したフォルダの直下に配置しても印刷されません。印刷するPDFファイルは、監視する対象として登録したフォルダの配下にあるDropフォルダに格納してください。
PDFリモート印刷プログラムの監視画面について説明します。
PDFリモート印刷プログラムでは、メニューまたはツールバーより操作を行います。
表示項目
監視画面の一覧に表示される内容について説明します。
「監視フォルダ設定画面」で指定した監視設定名が表示されます。
PDFを格納する監視フォルダのパスが表示されます。
PDFリモート印刷を起動した際に、自動的に監視を開始するかどうかが表示されます。
「OFF」となっている場合、PDFリモート印刷を起動しても自動的に監視を開始しません。監視設定を選択して、監視開始を行う必要があります。
PDFファイルを印刷するプリンタが表示されます。
PDFファイルを印刷する際に使用するアプリケーションが表示されます。
指定したアプリケーションを実行する際のオプションが表示されます。
監視画面のメニューバーより実行できる機能について説明します。
「監視フォルダ設定画面」を呼び出し、新しい監視対象のフォルダを登録します。
選択されている監視フォルダの監視を開始します。
選択されている監視フォルダの監視を終了します。
印刷が完了したPDFファイルは、監視フォルダ配下のPrintフォルダに保存されます。保存期間を設定している場合、このPrintフォルダにある保存期間を過ぎたPDFファイルを削除します。
注意
監視設定において保存期間を「0」と指定した場合は無効となり、自動的には削除されません。正しく印刷されたことを確認した上で、削除してください。
PDFリモート印刷プログラムを終了します。
「監視フォルダ設定画面」を呼び出し、選択されている監視設定の変更ができます。
選択されている監視設定を削除します。
「環境設定画面」を呼び出し、環境設定を行います。
ツールバーの表示/非表示を切り替えます。
ステータスバーの表示/非表示を切り替えます。
PDFリモート印刷機能のバージョン情報を表示します。
ツールバー
監視画面のツールバーより実行できる機能について説明します。
機能の内容については、メニューを参照してください。
PDFリモート印刷プログラムの監視フォルダ設定画面について説明します。
監視フォルダの設定名を指定します。他の設定で使用されている名前は指定できません。
設定名は半角数字、半角英字、半角記号とJIS第一/第二水準漢字で256文字までです。
ルートフォルダのパスを「参照」ボタンから指定します。他の設定で使用されているフォルダは指定できません。指定できるフォルダは、半角数字、半角英字、半角記号とJIS第一/第二水準漢字でフルパスが230文字までのフォルダです。ドライブのルートフォルダ(C:\など)を指定することはできません。ネットワーク上のフォルダを指定することは推奨しません。注意事項については、以下を参照してください。
⇒ “2.5.2.8 PDFリモート印刷プログラムの注意事項”
ルートフォルダを指定すると、監視・印刷・エラーの各フォルダは自動的に決定されます。各フォルダの構成については、以下を参照してください。
⇒ “2.5.2.4 PDFリモート印刷プログラムの監視フォルダ構成”
PDFリモート印刷プログラム起動時に、自動で監視を開始する場合に指定します。デフォルトはチェックなしです。
印刷に失敗したPDFファイルが一定数を超えた場合に監視を停止することができます。
監視を停止する条件となる、「Error」フォルダに蓄積されたPDFファイル数を指定します。0~999の範囲で指定してください。なお、0を指定した場合は監視停止を行いません。デフォルトは0です。
印刷先のプリンタを指定します。
注意
PDFリモート印刷機能では、ネットワークプリンタを指定できません。
オペレーティングシステムに登録されているプリンタに、実行するユーザが印刷するための権限がないと一覧に表示されません。
印刷で使用するAdobe AcrobatまたはAdobe Readerを選択します。それ以外のアプリケーションを使用する場合は、「その他」を選択し、アプリケーションのフルパスを入力してください。
「その他」を選択した場合、アプリケーションのフルパスは半角数字、半角英字、半角記号とJIS第一/第二水準漢字で256文字までで指定してください。
注意
Adobe Acrobat 9.0以降またはAdobe Reader 9.0以降がインストールされていない場合は、リストボックスに表示されません。
指定したアプリケーションを実行する際のオプションを指定します。
アプリケーション | オプション |
---|---|
Adobe Acrobat | /t /h %f %p |
Adobe Reader | /t /h %f %p |
その他 | なし |
置き換え文字列 | 対象 |
---|---|
%f | 印刷するPDFファイル |
%p | プリンタ |
注意
Adobe AcrobatまたはAdobe Readerの場合、オプションの指定は変更しないでください。
印刷が終了したPDFファイルを「Print」フォルダに保存する日数を指定します。日数は0~365の範囲で指定してください。0を指定した場合には削除の対象となりません。
指定された保存期間を過ぎたファイルは、「保存期間を過ぎたファイルを削除」を実行することで削除されます。デフォルトは7です。
監視を実行している間に保存期間を過ぎたファイルの削除を開始する時刻を指定します。00:00~23:59の範囲で指定してください。
なお、監視が停止されている場合は、起動時刻となっても保存期間を過ぎたファイルの削除は実行されません。デフォルトは00:00です。
注意
PDFリモート印刷機能では、保存期間を設定しなかった場合は印刷が完了したPDFファイルは自動で削除しません。保存期間を設定して定期的に「保存期間を過ぎたファイルを削除」を実行するなどして、ディスク容量を圧迫することがないようにチェックしてください。
PDFリモート印刷プログラムの詳細な設定を行います。
監視間隔
フォルダを監視する監視間隔を指定します。即時の出力が求められない場合や、PDFファイルが格納される回数が少ない場合などに、大きい値を指定することでシステムの負荷を軽減できます。単位はミリ秒で、1~600000の間で指定してください。デフォルトは1000です。
印刷後の待機時間
印刷終了後、次の印刷までの待機時間を設定する場合に指定してください。単位はミリ秒で、0~600000の間で指定してください。デフォルトは0です。
アプリケーションの事前起動
指定したアプリケーションを、印刷開始前にあらかじめ起動しておく場合に指定してください。なお、Adobe Acrobat またはAdobe Readerの場合は必ず指定してください。デフォルトはチェックありです。
PDFリモート印刷プログラムの環境設定画面について説明します。
この画面では、PDFリモート印刷プログラムがイベントログに出力するメッセージを選択します。運用目的に合わせて出力するメッセージを絞り込むことができます。
イベントログに出力するメッセージの詳細については、以下を参照してください。
⇒ “2.5.2.9 PDFリモート印刷プログラムのエラーメッセージ”
PDFリモート印刷プログラムの開始と終了をイベントログに出力する際にチェックします。デフォルトはチェックありです。
監視フォルダの開始と終了をイベントログに出力する際にチェックします。監視フォルダが複数存在する場合は、監視開始する監視フォルダの数だけメッセージが出力されます。デフォルトはチェックありです。
監視フォルダでPDFファイルを検出した時にイベントログに出力する際にチェックします。監視フォルダに複数のPDFファイルが存在する場合は、PDFファイルを処理するごとにメッセージが出力されます。デフォルトはチェックありです。
監視フォルダでPDFファイルを移動した時にイベントログに出力する際にチェックします。監視フォルダでは、印刷が完了した際のPrintフォルダへ、印刷がエラーとなった場合にはErrorフォルダへ移動します。監視フォルダに複数のPDFファイルが存在する場合は、PDFファイルを処理するごとにメッセージが出力されます。デフォルトはチェックありです。
監視フォルダでPDFファイルを印刷した時にイベントログに出力する際にチェックします。監視フォルダに複数のPDFファイルが存在する場合は、PDFファイルを処理するごとにメッセージが出力されます。デフォルトはチェックありです。
保存期間を過ぎたファイルの削除機能が起動された時にイベントログに出力する際にチェックします。保存期間を過ぎたファイルの削除機能は、それぞれの監視フォルダに設定した時刻や、メニューからの手動で実行されます。メッセージは、保存期間を過ぎたファイルの削除機能が起動した監視フォルダごとに出力されます。デフォルトはチェックありです。
保存期間を過ぎたファイルが削除された時にイベントログに出力する際にチェックします。削除の対象となるPDFファイルが複数存在する場合は、PDFファイルを処理するごとにメッセージが出力されます。デフォルトはチェックありです。
エラーが発生した時にイベントログに出力する際にチェックします。デフォルトはチェックありです。
PDFリモート印刷プログラムの詳細な環境設定を行います。
ログ設定
デバッグメッセージをイベントログに出力する場合に指定します。トラブルが発生した場合など、特別な理由がない場合以外は指定しないでください。デフォルトはチェックなしです。
印刷の直列化
「全体」を指定した場合、それぞれの監視フォルダを順にチェックし、PDFファイルの印刷が完了してから次のチェックを行います。
「監視フォルダ毎」を指定した場合、監視フォルダごとに独立してチェックを行います。そのため、複数の監視フォルダに同時にPDFファイルが格納された場合、PDFファイルの印刷が同時に実行されます。PDFファイルを印刷するアプリケーションによっては、同時に印刷が実行されると正常に印刷が行えない場合がありますので、特別な理由がない場合以外は「全体」を指定してください。デフォルトは「全体」です。
保存期間を過ぎたファイルの削除設定
「完全に削除」を選択した場合、保存期限を過ぎたファイルは完全に削除されます。保存期限を過ぎたファイルをごみ箱へ移動したい場合には「ごみ箱へ移動」を選択します。デフォルトは「完全に削除」です。
PDFリモート印刷プログラムの注意事項について説明します。
印刷を実行するアプリケーションの起動に成功した時点で印刷成功と判断をするため、「Print」フォルダにファイルが残留していても、印刷が完了していない場合があります。印刷を完了するには、ファイルを再度「Drop」フォルダに移動するか、手動で再印刷を行ってください。
PDFではないファイルを「Drop」フォルダに検出した場合、「Error」フォルダに移動します。
未完成のPDFと思われるファイルを「Drop」フォルダに検出した場合、印刷開始、あるいはエラー扱いとせず、残りの部分が送信されるまで待ちます。残りの部分の送信が再開される見込みがない場合は、手動で削除する必要があります。
PDFリモート印刷機能を起動中は、監視設定で指定したアプリケーションの操作は行わないでください。
Adobe AcrobatおよびAdobe Readerの自動アップデートや初回起動時のライセンス確認などでダイアログが自動表示されていると印刷に失敗するため、事前に表示されないように設定をしてください。
監視設定でアプリケーションを登録する際に、Adobe AcrobatとAdobe Readerを同時に指定することはできません。Adobe Acrobatを登録すると、他の監視設定で登録されているAdobe Readerは、全てAdobe Acrobatに変更されます。Adobe Readerを登録する場合も同様に、Adobe AcrobatはAdobe Readerに変更されます。
監視設定を複数登録する場合、同時に監視開始しているフォルダ数は20フォルダまでとすることを推奨します。20フォルダを超えるフォルダを同時に監視開始している場合、クライアントのシステムリソースの利用状況をチェックし、運用上問題ないことを確認した上で運用してください。
260文字を超えるパス名のファイルを「Drop」フォルダに検出した場合、該当フォルダの監視を停止します。削除または、変名を行い監視を再開してください。
「Print」または「Error」フォルダに投入ファイルの移動を行なう際に、既に移動先に同名ファイルが存在する場合は、上書きしないようにpdfrmprt%d(%dは10桁以内の数字)という名前に変名を行ないます。「Drop」フォルダで検出したファイルのフルパスが258文字、または、259文字の場合も、そのままの名前では「Print」フォルダへの移動や削除ができないため同じ規則での変名を行ないます。
ネットワーク上のフォルダを監視フォルダに指定した場合、監視開始を行なう際にネットワークの状況によっては監視開始に失敗することがあります。その際はネットワークの問題を解消した上で、監視開始を行なうようにしてください。監視中に切断、サーバダウン、ネットワーク障害などのネットワーク上のフォルダに問題が発生した場合は、監視停止せずに回復を待ち続けます。その際は、監視巡回ごとにエラーログを出力し続けますので、ネットワーク環境が良好でない環境では監視間隔を大きめにする、または、イベントログの最大ログサイズを大きくするなどしてログファイルが溢れないよう注意してください。
PDFの印刷の順序は保証されません。
PDFリモート印刷プログラムのエラーメッセージの原因と対処について説明します。
PDFリモート印刷プログラムでは、エラーが発生した場合にイベントログで通知します。イベントログのソースは「ListCREATOR pdfrmprt」となります。
イベントID | メッセージ本文 | 原因と対処 |
---|---|---|
1 | pdfrmprt is started. | PDFリモート印刷プログラムが起動しました。 |
2 | pdfrmprt is stopped. | PDFリモート印刷プログラムが終了しました。 |
3 | [%1] Watch is started.(%4) | 監視フォルダの監視を開始しました。 |
4 | [%1] Watch is stopped.(%4) | 監視フォルダの監視を終了しました。 |
5 | [%1] File is detected.(%2) | PDFファイルが検出されました。 |
6 | [%1] "%2" is moved to the %3 folder. | PDFファイルを移動しました。 |
7 | [%1] "%2" is printed. | PDFファイルが印刷されました。 |
8 | [%1] Deleting expired files is started.(%4) | 保管期間を過ぎたファイルの削除が開始されました。 |
9 | [%1] "%2" is deleted. | 保管期間を過ぎたファイルの削除により、ファイルが削除されました。 |
10 | [%1] %2[FILE LINE] | PDFファイルをアプリケーションで印刷した際にエラーとなりました。 以下の詳細メッセージに応じて対処してください。
|
11 | Debug: %2 | デバッグメッセージが出力されます。 |