Solarisでの外字の移入の手順について、説明します。
システムフォントの移入は、以下の手順で行います。
注意
システムフォントに対して外字の移出入を行う場合、以下の製品が必要です。
日本語拡張表示オプション または
日本語拡張印刷オプション
システムフォント(S90)は、Solaris 11には対応していません。
環境設定
日本語拡張表示オプションがインストールされている場合、Solaris上で環境変数LANGの設定(ja_JP.U90)を行う必要があります。
日本語拡張印刷オプションのみインストールされている場合、Solaris上で環境変数FAL_LANGの設定(ja_JP.U90)を行う必要があります。
外字の移入(qgfaddpコマンド)
注意
システムフォント(S90)の場合、ビットマップフォントのみを更新します。
外字フォントを使用するために環境設定を行います。以下の手順を実施してください。
環境変数LANGの設定(ja)を行います。
圧縮形式で提供されている表示用フォントファイルを復元します。なお、すでに展開済みの場合には、以下の作業は実施する必要はありません。
圧縮形式のフォントファイルを復元します。
# cd /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/75dpi
# uncompress *16.pcf.Z *24.pcf.Z
フォント定義ファイルを更新します。
# /usr/openwin/bin/mkfontdir
デスクトップ環境を再起動します。
外字環境を作成します。ただし、以下のディレクトリが存在する場合は不要です。
/usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC
「Solaris外字ツール」で外字を作成することによって外字環境が作成されます。
外字環境の作成方法は、以下のとおりです。
「Solaris外字ツール」(usr/dt/bin/sdtudctool)を起動します。
「描画モード」を選択します。
編集画面上に文字を描画します。
文字の描画が終了したら、編集画面下の「保存」ボタンをクリックします。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
「ファイル」メニューから「終了」を選択します。
注意
「Solaris外字ツール」を起動するためには、DPS(Display Post Scripit)が起動可能な環境が必要です。
外字フォントの作成・保存については、マニュアル「JFP ユーザーズガイド」の「ユーザー定義文字の登録」を参照してください。
qgfaddpコマンドを使用して、外字を移入します。
sdtudc_extractコマンドを使用して、登録済みの外字を変換テーブルに従って別フォントファイルに抜き出します。
sdtudc_extract -f 変換テーブルファイル名 入力フォントファイル名 > 出力フォントファイル名
外字のコードポイントを記述した変換テーブルを指定します。
変換テーブルは、以下のように記述します。
(コードポイント間はタブで区切ってください。)
f5a1,f5ff f5a1 f6a1,f6ff f6a1 f7a1,f7ff f7a1 f8a1,f8ff f8a1 f9a1,f9ff f9a1 faa1,faff faa1 fba1,fbff fba1 fca1,fcff fca1 fda1,fdff fda1 fea1,feff fea1
qgfaddpコマンドで登録したフォントのファイル名を指定します。
minmxx.pcf:xxは、ドットサイズで16または24です。
別フォントファイルに取り出すファイル名を指定します。
UDCxx.bdf:xxは、ドットサイズで16または24です。
例
24ドットサイズの場合、以下のように指定します。
sdtudc_extract -f sdtudc_map /usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/75dpi/minm24.pcf > UDC24.bdf
sdtudc_extractコマンドで取り出したフォントファイル(BDF形式)をPCF形式のフォントファイルに変換します。
bdftopcf -o PCF形式のフォントファイル名 BDF形式のフォントファイル名
変換されたフォント(PCF形式)を格納するファイルの名前を指定します。
UDCxx.pcf:xxは、ドットサイズで16または24です。
PCF形式に変換するBDF形式のフォントファイル名(sdtudc_extractコマンドで取り出したフォントのファイル名)を指定します。
UDCxx.bdf:xxは、ドットサイズで16または24です。
例
24ドットサイズの場合、以下のように指定します。
bdftopcf -o UDC24.pcf UDC24.bdf
PCF形式のフォントファイルを外字環境へ移行します。
なお、すでに外字環境にフォントファイルが存在する場合は、フォントファイルを退避してください。
mv
mv 移動元PCF形式のフォントファイル名 移動先PCF形式のフォントファイル名
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイル名を指定します。
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイルを移動する外字環境の格納先を指定します。
例
24ドットサイズの場合、以下のように指定します。
mv UDC24.pcf /usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC/Bitmaps/UDC24.pcf
他システムの外字を、転送ファイルからフォントファイルに格納する機能です。
本コマンドで、日本語資源管理から取り出した転送ファイル中の外字を、システムフォントに格納します。(ADJUST 1.1以降またはCharsetMGR-A 5.0以降サポート)
qgfaddpコマンドの形式を以下に示します。
qgfaddp
qgfaddp -size 外字の文字サイズ[.レターサイズ] [-style { minchou | gothic }] [-to { u90 | s90 }] [-r] 転送ファイル名
日本語資源管理より取り出した外字を、どのサイズのフォントファイルに格納するかを指定します。
32×32ドットのサイズに格納する場合は、“-size 32”と指定します。
指定できる文字サイズおよびレターサイズについては、“Charset Manager 使用手引書 日本語資源管理編”の“付録B.3 UNIX系のフォントシステム”を参照してください。
外字の書体を指定します。指定できるのは、以下の2種類です。
明朝体
ゴシック体
なお、省略時は、minchouが指定されたものとみなします。
流通先システムにおいて採用されているコード系の、コード系キーワード値を指定します。
U90
S90
なお、省略時は、“u90”が指定されたものとみなします。
外字を格納するフォントファイルに、同一コードの外字がすでに存在する場合、置き換えを行うかどうかを指定します。
なお、本オプションを省略した場合は、置き換えは行われません。
VSPフォント用外字(利用者定義文字)の移入は、以下の手順で行います。
他システムの外字(利用者定義文字)を、転送ファイルからVSPフォントに格納する機能です。本コマンドで、日本語資源管理から取り出した転送ファイル中の外字を、VSPフォントに格納します。
(ADJUST 3.0以降またはCharsetMGR-A 5.0以降サポート)
qgfaddjpコマンドの形式を以下に示します。
qgfaddjp [-r] [-g] 転送ファイル名
BCF形式の転送ファイルを使用して移入を行うフォントシステムを以下に示します。
CDE外字(Solaris)
注意
CDE外字は、Solaris 11には対応していません。
以下の操作によって、14ドットサイズのBCF形式転送ファイルからフォントファイルに外字を登録します。手順に沿って説明します。
ほかのドットサイズにも登録する場合、上記の操作後、2.~4.の操作をドットサイズごと繰り返します。
参考
上記の 2.~4.の操作を実行するためのサンプルとして、シェルスクリプト(/etc/opt/FSUNadj/usr/bin/addudc)を提供しています。
環境設定
外字フォントを使用するために環境設定を行います。
以下のディレクトリが存在する場合、1.~3.を操作したあとに4.を行います。
/usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC
環境変数LANGの設定(ja)を行います。
以下のディレクトリを削除します。
/usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC
例
rm -r /usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC
以下のファイルを編集します。1.で削除したディレクトリを含む記述を削除します。
/usr/openwin/lib/locale/$LANG/OWfontpath
例
編集内容
$OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/75dpi $OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/TT $OPENWINHOME/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/CID ←削除 /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/Type1 ←削除 /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/UDC/Bitmaps ←削除
以下のディレクトリを作成します。
/usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC/Bitmaps
例
mkdir -p /usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC/Bitmaps
フォントファイルの作成
qgfcrtpコマンドを使用して、BCF転送形式の転送ファイルからフォントファイルを作成します。
qgfcrtp -i BCF 転送形式の転送ファイル名 [-o BDF 形式のフォントファイル格納ディレクトリ名]
BDF形式のフォントファイルを格納する既存のディレクトリ名を指定します。
なお、本オプションを省略した場合、カレントディレクトリが指定されたものとみなされます。
例
14ドットサイズの場合、以下のように指定します。
qgfcrtp -i af0d0dxx.bcf -o /var/tmp
ファイル形式の変換
qgfcrtpコマンドで作成したフォントファイル(BDF形式)をPCF形式のフォントファイルに変換します。
bdftopcf -o PCF形式のフォントファイル名 BDF形式のフォントファイル名
PCF形式に変換されたフォントを格納するファイル名を指定します。
UDCxx.PCF:xxは、ドットサイズで12、14、16、20または24です。
qgfcrtpコマンドで作成したフォントのファイル名を指定します。
UDCxx.BDF:xxは、ドットサイズで12、14、16、20または24です。
例
14ドットサイズの場合、以下のように指定します。
bdftopcf -o /var/tmp/UDC14.pcf /var/tmp/UDC14.bdf
外字環境へ移行
PCF形式のフォントファイルを外字環境へ移行します。
mv
mv 移動元PCF形式のフォントファイル名 移動先PCF形式のフォントファイル名
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイル名を指定します。
bdftopcfコマンドで変換されたPCF形式のフォントファイルを移動する外字環境の格納先を指定します。
例
14ドットサイズの場合、以下のように指定します。
mv /var/tmp/UDC14.pcf /usr/openwin/lib/locale/$LANG/X11/fonts/UDC/Bitmaps/UDC14.pcf
アウトラインフォントの作成
「Solaris外字ツール」で外字を保存することによって、アウトラインフォントが作成されます。
アウトラインフォントの作成方法は、以下のとおりです。
「Solaris外字ツール」(usr/dt/bin/sdtudctool)を起動します。
「描画モード」を選択します。
編集画面上に文字を描画します。
文字の描画が終了したら、編集画面下の「保存」ボタンを押します。
「ファイル」メニューから「保存」を選択します。
「ファイル」メニューから「終了」を選択します。
注意
「Solaris外字ツール」を起動するためには、DPS(Display Post Scripit)が起動可能な環境が必要です。
外字フォントの作成・保存については、Solarisのマニュアル「JFP ユーザーズガイド」の「ユーザー定義文字の登録」を参照してください。