サーバの切り換えを利用するための運用方法について説明します。
運用を設定するために、サーバ側では以下の作業が必要です。
サーバ切り換え設定ファイルの公開場所の決定
サーバ切り換え設定ファイルの作成
ファイルの権限設定
環境変数の設定
また、クライアントのインストールの準備作業が必要となります。それについては“19.3.3 クライアントのインストールの準備”を参照してください。
サーバ切り換え設定ファイルの公開場所の決定
サーバ切り換え設定ファイルの公開用のディレクトリを決定します。
注意
公開用のディレクトリは、Navigatorを使用するすべてのPCから、UNC名(\\サーバ名\共有名\ディレクトリ名)を使って参照が可能なPCでなければなりません。公開用ディレクトリを置くサーバには、Windowsサーバがインストールされている必要があります。
サーバ切り換え設定ファイルの作成
運用サーバの切り換えを行う際に、サーバ切り換え設定ファイルを定義します。
サーバ切り換え設定ファイルは、Navigator Serverへのログオンで指定されたサーバを、どのサーバに切り換えるかを定義するファイルです。サーバ切り換え設定ファイルは、Navigatorの利用者のPCから同じサーバ切り換え設定ファイルを参照する必要があるため、各PCから参照可能なファイルサーバ上に作成します。
サーバ切り換え設定ファイルは、以下のように定義します。
;サーバ名切り換え定義 |
コメント行
1カラム目にセミコロン「;」を記述した場合、コメント行として扱われます。
<切り換え元サーバ名>
<切り換え元サーバ名>には、切り換え元となる、Navigatorサーバへのログオンで指定するサーバを指定します。ホスト名、FQDN名、またはIPアドレスを指定してください。
<切り換え先サーバ名>
<切り換え先サーバ名>には、<切り換え元サーバ名>で指定したサーバの切り換え先となる、サーバを指定します。ホスト名、FQDN名、またはIPアドレスを指定してください。
【例】
Navigatorの運用サーバの切り換えを2台のサーバで行う場合
main1サーバが指定された場合sub1サーバに切り換える運用の例
=================================================================================== ; サーバ名切り換え定義 main1=sub1 =====================================================================================
【例】
Navigatorの運用サーバの切り換えを4台のサーバで行う場合
main1サーバが指定された場合sub1サーバに、main2サーバが指定された場合sub2サーバに切り換える例
=================================================================================== ; サーバ名切り換え定義 main1=sub1 main2=sub2 =====================================================================================
同一の<切り換え元サーバ名>(「=」の左辺)を複数記述することはできません。複数あった場合には最初の記述が有効になります。
<切り換え先サーバ名>には、実在するサーバ名を指定してください。
<切り換え先サーバ名>に指定したサーバ名が実在しない場合、サーバへの接続時にエラーが発生します。
サーバ切り換え設定ファイルが存在しない場合は、サーバの切り換えは行いません。
ファイルの権限設定
サーバ切り換え設定ファイルに対して、利用者が更新、または削除できない権限を設定することをお勧めします。(everyoneに対し、読み取り権だけを設定)
環境変数の設定
Navigator Serverの環境設定ファイルに、以下の環境変数を設定します。
;サーバ名切り換え環境変数定義 |
【例】
ファイルサーバを「grpsv」、共有名を「share」、サーバ切り換え設定ファイルを「host.lst」とした場合
=================================================================================== ;サーバ名切り換え環境変数定義 RN_CHANGE_HOST_FILE=\\grpsv\share\host.lst =====================================================================================
サーバ切り換え設定ファイルは、サーバ名切り換え機能を利用するすべてのPCから参照可能でなければなりません。
環境変数「RN_CHANGE_HOST_FILE」は、Navigatorクライアントが接続する可能性のあるすべてのサーバで、同じ設定がされている必要があります。