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ETERNUS SF Express 16.9A / Storage Cruiser 16.9A / AdvancedCopy Manager 16.9A 概説書
FUJITSU Storage

A.2 同期型高速コピー

EC

AdvancedCopy ManagerのECは、コピー元ボリュームの同期コピーを作成するために、コピー元ボリュームとコピー先ボリュームを同期化させるプロセスを起動します。同期化の目的は、一時コピーの作成やバックアップのアーカイブを行うために、コピー元ボリュームとコピー先ボリュームを等価状態にして維持することです。

コピーは同期プロセスを使用して構築されますが、コピー元ボリュームでは、業務を停止したり中断したりする必要がないので、業務の運用とアクセスは継続されます。

ECによって等価状態に達すると、コピー先ボリュームは、コピー元ボリュームのイメージとして維持されます。

コピー元ボリュームとコピー先ボリュームが等価状態になると、コピー先をコピー元から分離できます。その時点で、履歴または複製コピーのバックアップが作成されます。

ECは、以下の場合に効果的に使用できます。

ECの処理の流れを以下の図に示します。

図A.5 ECの処理の流れ

ECによるSuspend/Resume機能

ECによるSuspend(一時停止)/Resume(再開)機能は、ECの同期化を使用して初期コピーを作成したあと、バックアップを作成するときに使用します。この時点で、コピー元ボリュームとコピー先ボリューム(同期ボリュームペア)が等価状態になります。

ECセッションは、Suspendオプションを使用することで一時停止できます。その際、ECセッションからコピー先ボリュームが切り離されます。切り離されたコピー先ボリュームは、履歴情報を持つバックアップ、またはアーカイブ装置に続けてコピーするコピー元ボリュームとして使用できます。ここで切り離されたコピーデータは、マウントして、ほかのアプリケーションで利用できます。ECセッションが一時停止されている間のコピー元ボリュームの変更は、すべて記録され、ECが再開されると、コピー先ボリュームに変更が適用されます。これによって、同一のコピー先ボリュームが、バックアップごとにベースとして再利用できるので、バックアップにかかる時間が短縮されます。

Resumeオプションは、コピー元ボリュームとコピー先ボリュームの同一ペアを再同期させます。その際、コピー元ボリュームに対するトラッキング履歴は、再度、等価状態を保つために、コピー先ボリュームに適用されます。

SuspendとResumeは、何回でも同期ボリュームペアとして実行できます。

ECによるSuspend/Resume機能の処理の流れを以下の図に示します。

図A.6 ECによるSuspend/Resume機能の処理の流れ

REC

RECは、異なるストレージ装置間でデータをコピーするコピー方式です。RECを利用できるのは、レプリケーション管理機能およびAdvancedCopy Manager Copy Control Moduleだけです。

RECには、同期転送方式と非同期転送方式の、2種類の転送方式があります。
同期転送方式では、コピー先データが常にコピー元データと合致することが保証されます。
非同期転送方式は、通常、以下の場合に使用します。

非同期転送方式には、3つの転送モード(Stack、Consistency、Through)があり、データボリュームの処理やコピー元とコピー先との間の帯域によってデータ転送を制御できます。

RECは、以下の場合に効果的に使用できます。

RECの処理の流れを以下の図に示します。

図A.7 RECの処理の流れ