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Systemwalker Centric Manager V17.0.1 導入手引書

2.1.1 論理的通信構造の決定

運用管理サーバ、部門管理サーバおよび業務サーバでメッセージ送信先システムを設定します。

基本的な通信構造

通信構造は、送信先の設定により決定します。通信構造には、次の2種類があります。

Systemwalker Centric Manager EE/GEEを使用している場合は、さらに1つのサーバで複数のメッセージ送信先システムを設定することにより、複数の運用管理サーバでイベントを監視することができます。

この通信構造は、メッセージの送信時だけでなく、運用管理サーバから部門管理サーバまたは業務サーバにリモートコマンドを発行する場合も、この通信構造に従ってコマンドの発行および実行結果の返信が行われます。

単階層の論理的通信構造

単階層の論理的通信構造”のように運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバの間に通信パスが設定され、論理的通信構造が形成されます。

図2.1 単階層の論理的通信構造

多階層の論理的通信構造

Systemwalker Centric Managerは、メッセージおよびコマンドの送信を中継する機能を持っていますので、“多階層の論理的通信構造”に示すように、階層的な通信構造をつくることもできます。この論理的通信構造は、物理的なネットワーク構造とは関係していませんので、任意に階層構造を設定できます。

図2.2 多階層の論理的通信構造

この通信構造に従って、部門管理サーバおよび業務サーバで発生したメッセージは順に送信され、運用管理サーバに集められます。こうして、運用管理サーバでは、通信接続する全サーバのメッセージが監視できるようになります。

通信構造を多階層にした場合、メッセージを中継しているサーバ(図のsubAまたはsubB)では、配下にあるサーバからのメッセージのうち、必要なものを自身のファイルに格納し、参照することができます。したがって、緊急度の高いメッセージは運用管理サーバで監視し、その他を中継するサーバで監視するなどして、運用管理サーバでの監視の負荷を軽減することができます。

さらに、全体監視サーバを運用管理サーバの上位に構築することができます。全体監視サーバは、インターネットを介した企業間での資源配付や監視などに使用することができます。

詳細については、“Systemwalker Centric Manager 全体監視適用ガイド”を参照してください。

注意

イベント監視を行う場合の注意事項

運用管理サーバでは、下位に位置するサーバ(部門管理サーバ、業務サーバ)から通知されたメッセージおよび自システムで発生したメッセージを処理しています。そのため、下位に位置するサーバがすべてのメッセージを運用管理サーバに通知するような運用の場合、運用管理サーバの負荷が高くなります。あらかじめ各サーバにおいてメッセージを調査し、監視するメッセージおよび監視しないメッセージを選定してください。運用管理サーバには、監視する必要のあるメッセージだけを通知するよう設定してください。

ポリシー配付を行う場合の注意事項

運用管理サーバから、下位に位置するサーバ(部門管理サーバ)へポリシー配付を行う場合、運用管理サーバから直接ポリシーを配付します。そのため、運用管理サーバと下位に位置するサーバ(部門管理サーバ)の間は、ポリシー配付に必要な通信経路を確立しておく必要があります。

Enterprise EditionGlobal Enterprise Edition複数の運用管理サーバで監視する

Systemwalker Centric Manager EE/GEEの場合、次に示すような形態で複数の運用管理サーバから同一の部門管理サーバや業務サーバを監視できます。

この運用形態を、運用管理サーバ二重化運用といいます。

メッセージ送信先システムは最大4つまで定義できます。運用管理サーバを複数台設置することにより、監視業務の信頼性を向上できます。また、運用管理サーバ間(図のmainAとmainB)でサーバ間連携の定義を行うことにより、複数の運用管理サーバで監視イベントの状態(対処状況、対応者、メモ)の同期をとれます。

詳細については、“Systemwalker Centric Manager 運用管理サーバ二重化ガイド(連携型)”および“Systemwalker Centric Manager 運用管理サーバ二重化ガイド独立型)”を参照してください。

イベント送信先を決定するときの注意事項

送信先システムを設定する場合、次のことに注意してください。

また、利用する機能や環境で以下のことにも注意してください。

アプリケーション管理の監視結果の送信先

メッセージ送信先システムは最大4個まで登録できますが、5.2(UNIX版)またはV5.0L30(Windows版)以前のアプリケーション管理が通信を行うのは、先頭に定義されたシステムだけです。したがって、複数の運用管理サーバに対して監視結果をイベントとして送信することはできません。

監視対象の業務サーバ・部門管理サーバ・運用管理サーバのすべてが10.0(UNIX版)またはV10.0L10(Windows版)以降の構成の場合、メッセージ送信先システムに指定したすべての運用管理サーバに稼働違反イベントを送信することができます。ただし、ポリシー設定/配付できるのは、そのうちの1つの運用管理サーバから行うようにしてください。複数の運用管理サーバからポリシーを配付した場合、最後に配付されたポリシーだけが有効となります。

メッセージ送信先システムがクラスタシステムの場合

IPv6通信を利用して監視、管理する場合の注意事項

IPv6通信を利用して監視、管理する場合の注意事項については、“IPv6運用の注意事項”を参照してください。