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Enterprise Postgres 15 SP1 運用ガイド

1.7.2 透過的データ暗号化(TDE)が有効なFujitsu Enterprise Postgresをアップグレードする場合の追加手順

pg_upgradeを使用して、透過的データ暗号化(TDE)を使用しているFujitsu Enterprise Postgresのインスタンスをアップグレードする場合、アップグレード前に実施する手順があります。

古いクラスタの運用がデータベース多重化運用を用いないHAクラスタ運用の場合で、かつ、1つのキーストア・ファイルを共有していた場合は、“1つのキーストア・ファイルを共有していた場合のアップグレード前の手順”を参照してください。それ以外の運用の場合は“アップグレード前の手順”を参照してください。

アップグレード前の手順

アップグレードの前に次の手順を実施してください。

  1. マスター暗号化キーの複写

    古いクラスタから新しいクラスタにキーストア・ファイルをコピーします。

    pgx_set_master_key関数を使用して新しいクラスタで新しいマスター暗号化鍵を生成する必要はなく、古いクラスタからキーストア・ファイルをコピーする必要があります。

    データベーススーパーユーザで以下の操作を実施します。

    $ mkdir <NEW-KEY-STORE>/
    $ cp -p <OLD-KEY-STORE>/keystore.ks  <NEW-KEY-STORE>/

    NEW-KEY-STORE : 新しいクラスタのpostgresql.confにおける、keystore_locationパラメータで指定したディレクトリ

    OLD-KEY-STORE : 古いクラスタのpostgresql.confにおける、keystore_locationパラメータで指定したディレクトリ

    注意

    古いクラスタのキーストア・ファイルの配置先を新しいクラスタのキーストア・ファイルの配置先として使用する場合はこの操作は不要です。その場合、古いクラスタは継続して使用できません。

    古いクラスタおよび新しいクラスタに対して、キーストアの自動オープンを有効にしてください。

1つのキーストア・ファイルを共有していた場合のアップグレード前の手順

プライマリサーバとスタンバイサーバで、同じキーストア・ファイルを共有していた場合は、古い環境のキーストア・ファイルを複写して新しい環境のキーストア・ファイルとして共有します。

キーストア・ファイルをさらに安全に管理するためには、安全な場所に隔離されたキー管理サーバまたはキー管理ストレージ上に配置してください。

古いクラスタおよび新しいクラスタに対して、キーストアの自動オープンを有効にしてください。