GFS 共用ファイルシステムでは、キャッシュ量に関する以下の項目についてチューニングができます。
ディレクトリ情報をメモリへキャッシュする量 (SFCFS_NCACHE_DIRECTORY)
ファイルシステムごとに、以下の大きさの領域が MDS のプロセス空間に確保されます。
ファイルシステムの空きエクステント管理情報のキャッシュ
SFCFS_NCACHE_EXTENT の指定値 × 1.4 キロバイト
ディレクトリ情報のキャッシュ
SFCFS_NCACHE_DIRECTORY の指定値 × 1.4 キロバイト
i ノードのキャッシュ
SFCFS_NCACHE_INODE の指定値 × 4.4 キロバイト
各チューニングパラメタのデフォルト値と確保されるメモリ量は、以下のとおりです。
チューニングパラメタ名 | デフォルト値 | 確保されるメモリ量 (メガバイト) |
---|---|---|
SFCFS_NCACHE_EXTENT | 2304 | 3.2 |
SFCFS_NCACHE_DIRECTORY | 10240 | 14.0 |
SFCFS_NCACHE_INODE | 2048 | 8.8 |
チューニングパラメタは、sfcadm(8) の -o オプションで値を指定します。
以下に設定例を示します。
設定例:
# sfcadm -o SFCFS_NCACHE_EXTENT=4096 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter> # sfcadm -o SFCFS_NCACHE_DIRECTORY=20480 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter> # sfcadm -o SFCFS_NCACHE_INODE=5120 /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 <Enter> |
設定された値は、sfcinfo(8) の -e オプションで確認します。
以下に確認例を示します。
確認例:
# sfcinfo -e /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 | grep SFCFS_NCACHE <Enter> SFCFS_NCACHE_EXTENT=4096 SFCFS_NCACHE_DIRECTORY=20480 SFCFS_NCACHE_INODE=5120 |
ディレクトリのサイズがディレクトリキャッシュサイズを超えると、そのディレクトリへのファイル作成や検索の性能が低下します。サイズの大きなディレクトリが作成される可能性がある場合は、SFCFS_NCACHE_DIRECTORY の指定値を大きく設定することを強く推奨します。
また、チューニングする際は、GFS 共用ファイルシステム専用の統計コマンド sfcstat(8) の -m オプションを使用し、チューニングパラメタに対応するメタキャッシュのキャッシュヒット率を調べてください。キャッシュヒット率は、アクセス回数とキャッシュヒット回数から求められます。キャッシュヒット率が低い場合は、チューニングパラメタの指定値を大きくすることを検討してください。
各チューニングパラメタと、sfcstat(8) の -m オプションで表示されるメタキャッシュの種別との対応は、以下のとおりです。
チューニングパラメタ名 | メタキャッシュの種別 |
---|---|
SFCFS_NCACHE_EXTENT | NODE, LEAF |
SFCFS_NCACHE_DIRECTORY | DIR |
SFCFS_NCACHE_INODE | DINODE |